株価は回復したが、疑問が残る武富士の改革スピード
2004年07月04日
以前、武富士の新社長に就任した元久存(もとひさめぐむ)氏には、武富士の改革に向けての意欲が希薄であるという内容の投稿 日経ビジネスの元久存・武富士新社長のインタビューはどう読むべきか を書きました。私と同じように、武富士の改革スピードに疑問を投げかける記事が、最新の日経ビジネスに掲載されました。
役員の大幅な入れ替えや、武井保雄前会長を含む創業者一族の持ち株売却などを、株式市場は好感視しているようです。そのため、前会長の盗聴事件が発覚した時は、5000円を割り込んでいた株価も、現在では、8000円前後まで回復しています。それでも、武富士の構造改革は不十分であり、いまだに武井一族の支配力が十分に残っていると指摘する、日経ビジネスの記事を要約します。
「コーポレートガバナンス(企業統治)という点で、今のところ武富士は何も変わっていない」(三島拓哉・三菱証券チーフクレジットアナリスト)。その理由は、報じられた株式売却が不十分なことだ。報道の計画通りに売却が進んでも、武井一族の持ち株比率は、依然として30%を占めることになる。武井前会長が容疑を受けている、電気通信事業法違反の判決結果いかんによっては、武富士の事業継続が危うくなる可能性も高い。貸金業規制法では、禁固以上の刑が確定した人物が、株式の25%超を実質的に保有する場合は、貸金業登録が取り消されて、業務停止となるからだ。
外部から4人を迎え入れた取締役の刷新人事も、効果は薄いとの見方が根強い。それどころか、「武井一族支配が強化されている」(武富士元幹部)と危惧する声すら聞かれる。武井前会長の二男、武井健晃氏が取締役兼専務執行役員として、ナンバー2の地位に就いているからだ。「武晃派」は、社外取締役を除けば7人しかいない取締役において、一大勢力となっている。
さらに、社外取締役の人選も、「一族支配の布石」という声がささやかれている。新たに選任された永瀬昭幸氏は、進学塾「東進ハイスクール」を展開するナガセのオーナー社長。だが、ナガセの株主の上位には、武井一族のファミリー企業である公保と徳武が並ぶ。2社分を足すと、持ち株比率が約5%に達し、メインバンクのみずほ銀行を上回る。大株主で、しかも親交のある武井前会長の意向に、永瀬氏が背くことは難しいはずだ。
盗聴事件を乗り越えるために、武富士は、外部から経営陣を招き、一族の持ち株比率も減らしている。だが、巧妙な手口で、一族支配を継続する体制を築こうとしているかに見える。「表と裏の権力が入り組み、より複雑化していく危険がある」(証券関係者)。
いろいろなところで聞く、武富士の元久新社長の発言する内容にも、今ひとつ歯切れよさが感じられないのには、このような事情が絡んでいたのでしょうか。 どんなに優秀な人材がトップとして迎えられたとしても、それをサポートする体制が全く整っていないのでは、大きな効果は期待できないのは、当然でしょう。
このところ、武富士以外の消費者金融各社は、メガバンクとの業務提携を積極的に推し進めています。そんな中で武富士は、あくまでも自主独立路線を貫くつもりでしょうか。数々の不祥事により、金融機関そのものの信用が失墜する傾向にあります。それでも、武富士の不透明なガバナンスの現状を考えれば、 あえて触手を伸ばす国内金融機関が現れるとは想像できません。最終的には、投資ファンドを含む外資系の手に渡ることになるのかもしれません。そういうことでも起きなければ、諸悪の根源である一族支配の武井商店から、近代的なコンシューマ・ファイナンス・ビジネスへ転換することは、不可能なのかもしれません。
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コメント
僕は元久氏に頑張って欲しいなぁと応援しております。
あの会社を引き受けるぞって気合いだけでも、素晴らしい!!
Posted by: キャッシング人 | 2004年07月14日 19:35