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ライブドア堀江社長と産業再生機構冨山COOはビジネスマンに薦める本も好対照

2004年09月17日

最近は雑誌作りにもいろんな工夫が凝らされています。今週発売AERAの中綴じ企画「AERA in AERA」では、ビジネスマンの情報武装術が特集されています。中身は、デジタル機器、資格、本の3部構成です。タイトルは、各々「最新デジタル機器こう使いこなせ」、「資格取得で自分再構築」、「行き方を見つめ直す1冊」です。最後の部分では、各界の著名人がビジネスマンにお薦めの1冊を紹介しています。今話題の人が意外な一冊を推薦していることが分かり、結構楽しめる読み物でした。

■堀江貴文 1972年生まれ。ライブドア社長

「ふだんからあんまり本を読まないが、ある書評がきっかけで興味を持ち、読んでみた。誰かの本に影響されるということは少ないが、これは『目からウロコ』の本だった。誰でも簡単に読めるし、経済の基礎が学べて、いい感じである。基礎的な経営の指針としても役立つ教科書みたいな本なので、一線のビジネスマンにはもちろん、経営者にもおすすめしたい。」

経済ってそういうことだったのか会議
佐藤 雅彦 , 竹中 平蔵

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身近な言葉で語る経済
読み始めやすい。読みやすい。
難しいことを難しくなく解説した良書

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■冨山和彦 1960年生まれ。 産業再生機構専務兼最高執行責任者

「マキアヴェッリの本は血も涙もない権謀術数の本だと思われているが、これは優れた人間洞察の本だ。組織集団をよりよく機能させるにはどういう統治スタイルが最適かということを、権力者のおかれた状況や組織の背景など様々なパターン別に説いている。これほど政治学、組織行動学、人間学に優れ、マネジメントの基本が詰まった教科書はない。」

マキアヴェッリと『君主論』
佐々木 毅

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マキャヴェッリの生涯と思想形成の紹介と『君主論』の邦訳の二部構成

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■藤巻健史 1950年生まれ。 フジマキ・ジャパン代表

「国際ビジネス人になるには、仕事が出来るのはもちろんだが、その国の歴史や文化に深い知識と興味がなければならない。それと同時に、ユーモアがないと外国人を惹きつけられない。まずは、ノウハウ本よりも仕事の基礎になる教科書のような本を熟読して欲しい(自分自身でノウハウ本を書いていながら言うのは何であるが)。

父の威厳数学者の意地
藤原 正彦

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公教育と戦う藤原先生
自分の家族や生き方に興味が湧いてくる本

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■香山リカ 1960年生まれ。精神科医、帝塚山学院大学教授

「普段は真面目にコツコツ仕事をし、時々楽しいことをする。そんな"普通の生き方"が崩壊しつつある。『勝ち組にならなければ意味がない』と気炎を上げる人もいれば、『お金や地位よりも大切なのは自分らしさと生きがいだ』と"自分探し"に没頭する人もいる。でも。少し前まで、日本人はそのどっちでもない"普通の生き方"をしていたはず。よりましな社会を作るための"おじさん"の提言は生き方の参考になる。

「おじさん」的思考
内田 樹

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「おじさん」の無様な居直り
成熟への三つの道
内田マジック!

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非常に短いコメントですが、やはり推薦者の生き様が表れていて面白いものです。特に対照的なのは、堀江社長と冨山COOの2人です。堀江氏は、記者会見にTシャツ姿で登場するなど、そのカジュアルなスタイルが話題を呼んでいます。ビジネスマンに推薦する本の選択も、カジュアルそのものです。社長ともなれば、普通はもう少しコムズカシそうで格調高い本を選ぶのではないでしょうか。おまけに「ふだんからあんまり本を読まない」ことも告白しています。根っから飾り気のない、ストレートな性格なのでしょう。しかし、そうは言いながらも自分では結構本を執筆しています。「本を読まないような奴が書いた本なんか読めるか」と反発する人が増えるとは考えないのでしょうか(もちろん読書量と著述能力とは本質的には無関係なものですが)。藤巻氏のコメントは、ユーモアをまじえつつ、自著に対する配慮も忘れてはいません。そう考えると、堀江氏の発言は、場当たり的で戦略性に欠けるような感がします。やはり、賢い生き方の出来る人ではないようです。

一方、冨山氏が選んだマキャヴェリは、いかにも昔のインテリが選びそうな本そのものです。産業再生機構が行うのは、時代の潮流から外れて行き詰った企業をいったん解体して、再生するビジネスです。そういう意味では、組織のインサイダーとして改革を推進する面もあるわけで、古くからある普遍的な価値観にも理解を示す必要がある仕事です。堀江社長の方は、球団買収の例にもあるように、完全なアウトサイダーとして、旧態依然とした現体制を揺さぶりをかけるスタイルです。日本社会の変革者としてのアプローチの仕方が全く違う両者は、選ぶ本も対照的になるのではないでしょうか。

最後に、冨山氏が座右の書としてあげている内村鑑三の著作を紹介しておきます。これまた、普遍的な名著とはいえ、おそろしく渋いものです。こうも選ぶ本に格好をつけすぎると、別の問題があるのではないでしょうか。恥ずかしくて自分では、本を書けなくなります。そのせいか、冨山氏が執筆した本は一冊もありません。そうすると、何のこだわりもなく、気軽に本を書き散らかせる堀江氏の方が、むしろ賢いスタイルなのかもしれませんね(前言をくつがえす結果になってしまいますが)。


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