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2人の企業再生家、キアコン澤田貴司氏と福助藤巻幸夫氏の共通点を勝手に探る

2005年03月02日

ダイエー再生のスポンサーが丸紅陣営に内定しました。 情報源は、ダイエー支援、丸紅連合に内定・産業再生機構です。

産業再生機構は1日、ダイエー再建の支援企業(スポンサー)に、丸紅と投資ファンドのアドバンテッジパートナーズとの企業連合を内定した。丸紅はダイエーグループの食品スーパー、マルエツの大株主で商品調達などで連携のメリットが大きいと判断した。

産業再生機構は丸紅が推薦するダイエーの新経営陣などについて補強や見直しを求めている。同機構は主力銀行と協議したうえで週内にも最終決定する。

私がダイエーのスポンサー候補の中で、個人的に一番注目していたのがキアコン陣営です。キアコンは、ファーストリテイリングの社長就任を断った澤田貴司氏が、2003年2月に起業した再建支援を専門とするコンサルティング会社です。澤田社長はダイエー支援に名乗りをあげるに当たって、自ら新生ダイエーのトップに就任して陣頭指揮を執る意気込みを見せていました。また、ダイエーの他には現在再生案件も手がけることなく、まさにダイエー再建に全精力を傾注していた様子です(創業メンバーが離脱してもダイエー再建に闘志を燃やすキアコン澤田貴司社長)。

下馬評では再生機構側も澤田氏の経営手腕を高く評価していたようです。個人的には、わが国の歴史に残る一大再生事業が、大企業ではなく一人の再生事業家の手に委ねられるようになれば、今後を占う上でも面白いことになるだろうと期待していました。残念です。気になるのは澤田氏の今後です。ダイエー再建という大きな目標を失って、今後はどのような道を歩むのでしょうか? 外部ブレーンの一人として丸紅グループに参画するなんて話は、無理でしょうかね? 

企業再生家の人事関連で最近気になったものとしては、福助社長の藤巻幸夫のイトーヨーカ堂グループへの転身がありました。 情報源は、『ヨーカ堂の企画・提案新会社、年内にも首都圏で実験』(2005年2月21日 日経流通新聞MJ 4面)です。

イトーヨーカ堂は4月1日付で衣料品などの新商品や売り場を企画・提案する新会社「IYG生活デザイン研究所」を設立すると発表した。別会社とすることで、従来の仕入れや商品化の仕組みを一新する。年内にも首都圏の既存の1、2店舗を選び、新会社が主導した品ぞろえや陳列などで商品構成する実験に踏み切る計画だ。

新会社はマーケティングから商品企画、生産、販売、売り場作り、販売促進まで一貫管理することで、付加価値の高い商品を提案する。社長に伊勢丹出身で福助社長の藤巻幸夫氏(45)を起用する。藤巻氏は4月下旬に福助の副会長に退いた後、社長に就く。

伊勢丹のカリスマバイヤーとして有名だった藤巻幸夫が、バッグのキタムラを経て、民事再生法を申請した靴下の老舗福助の社長に就任したのが2003年です。藤巻氏のリーダーシップの下で、福助もマスコミに登場する回数も増え、企業再建は順調に進んでいるように思われます。しかし、福助は上場企業ではないため、業績がどの程度回復したのかを確認することはできません。藤巻氏がIYG生活デザイン研究所への転身を決めたのは、おそらく福助の再生は完了して、自分のミッションも終わったと判断したからだと思われます。今回のヨーカ堂からの発表でも、本人の弁は全く報道されていないため、正確なところはわかりませんが。

福助の再建が成功しただけでなく、それ以上に有名になって成功したのは、藤巻氏個人の方だと考えられます。知名度では、すでにカリスマディーラーの兄・健史氏を逆転した感があるくらいです。『自分ブランドで勝負しろ!』の著作のある藤巻氏が、まさに本の通りの鮮やかなキャリアアップを図ったといえるのではないでしょうか。このところ福助時代の総決算として、関連の書籍も相次いで出版されています。このサクセスストリーを抜け目なく利用するところも、商売人としての才覚の表れでしょう。

冒頭のキアコンの澤田氏の話に戻ると、何となく藤巻氏と共通点があるように感じます。澤田氏は、伊藤忠、ファーストリテイリング、キアコンと歩んで、ダイエーを目指しました。藤巻氏は、伊勢丹、キタムラ、福助、そしてヨーカ堂グループです。大企業出身の企業再生家は、最終的には大企業へ戻りたいという願望が強いような印象を受けます。権勢欲というよりは、大企業でしか実現できないことがあることを再認識した結果と解釈するのが、妥当な線ではないでしょうか。


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