PDFソフトでアドビを動かしたソースネクストが次に狙うターゲット
2005年09月14日
コンビニやスーパーといったチャネルで、低価格のパッケージソフトを販売する独自のマーケティング戦略を展開してきたのが、ソースネクストです。(ソースネクストの独自のマーケティング戦略は世界市場でも通用するか)。
そのソースネクストから9月30日に発売されるのが、『スタースイート 8』です。
3,970円で発売されるこの製品は、ビジネス系ソフトを統合したパッケージソフト、いわゆるオフィススイート製品で、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPointと互換性があることが、最大のセールスポイントです。情報源は、『ソースネクストが総合版、プレゼン簡単、低価格ソフト――マイクロソフトに対抗』(2005年9月13日 日経産業新聞 1面)です。
【予約受付中】Microsoftとの互換性UP!シリーズ最新版登場
ワープロ、表計算、プレゼンテーション、グラフィックなどのアプリケーションを統合したオフィスソフトの最新版。Microsoft Officeとの互換性がさらにアップ。
新製品の特長はプレゼン資料作成機能の使い勝手を向上させたこと。従来製品では、米マイクロソフトの「パワーポイント」で作成したプレゼンを編集すると、アニメーションが利用されなかったり、表示が崩れてしまったりする欠点があった。新製品ではパワーポイントとほぼ同様に表示・編集できるよう改良した。編集画面の操作方法やレイアウトもパワーポイントに近づけた。
プレゼン資料作成ソフトはマイクロソフトのパワーポイントのシェアが圧倒的に高い。ただ、企業や大学などのパソコンに導入されていることは多いが、2万円前後と高価なため個人利用者の購入はワープロや表計算ソフトに比べ低い水準にとどまっている。
ソースネクストでは低価格でパワーポイントと互換性のあるプレゼン作成ソフトが利用できる利点を強調し、個人向けに売り込む。
『スタースイート 8』の特長は何と言っても、3,970円という低価格にあります。マイクロソフトの『Office Standard 2003』
は、55,440円です。両ソフトの実装機能が違うので、単純に比較することは無理かもしれませんが、10分の1以下の価格設定は、まさに価格破壊といっていいいでしょう。パワーポイントは単体でも26,040円もする製品です。マイクロソフトの正規製品に手の出なかったホームユーザ層が、スタースイートを身近な製品と感じることは間違いないでしょう。
ここで考えたいのが、ソースネクストがターゲットとしているパワーポイントのマーケティング戦略への影響です。もし、今回の新製品にソースネクストの宣伝通りパワーポイントと遜色ない機能が実装されているのであれば、マイクロソフトの独占により無風状態が続いていたプレゼンテーション用ソフトのマーケットが動き出す可能性も期待できます。
PDF文章作成ソフトで圧倒的なシェアを誇っていたのが、アドビシステムズのAcrobatです。アドビがこの市場を独占してきたのには、PDFを読む側のソフト Acrobat Reader を無償配布して、デファクト・スタンダードの地位を確立してきたからです。このため、PDF作成側のソフト Acrobat には、3万円を超える高い価格を設定するが可能でした。
このアドビの独占状態に風穴を開けたのも、ソースネクストの1,980円ソフトシリーズの1つ『いきなりPDF』でした(現在は『いきなりPDF 2』にバージョンアップ)。この対抗策として、アドビは、今年の4月に機能を絞った廉価版の『Acrobat Elements』を、4,980円でリリースせざるをえなくなりました。その結果、現在両社のPDF作成ソフトは、次のようなラインアップになっています。
- Adobe Acrobat 7.0 Standard (35,800円)
- Acrobat Elements 7.0 (4,980円)
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ソースネクスト いきなりPDF Professional 2 (2,970円)
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ソースネクスト いきなりPDF 2 (1,980円)
当然ながら、各ソフトの機能には若干の違いがあります。詳しくは、低価格PDFソフトを比較するをご覧ください。この記事を読むと、普通のユーザが必要とする基本機能に関しては、2,980円のソースネクスト製品で十分であることがわかります。アドビがソースネクストの低価格戦略に脅威に感じた理由が理解できます。
それでは、PDF作成ソフトで起こったことと同じことが、パワーポイントでも起きるのでしょうか? 現状では、マイクロソフトの価格戦略が急に変更されるとは思えません。しかしソースネクストのスタースイート 8が、ホーム市場である程度のシェアを獲得することに成功すれば、絶対安泰と思われていたパワーポイントのマーケティング戦略にも、変更があるかもしれません。すべては、スタースイートが額面通りの互換性を発揮できるかどうか次第でしょうね。
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