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旧藤田派の残党はリヴァンプのロッテリアに集結して原田マックにリベンジしては?

2005年11月29日

ファーストリテイリング元副社長澤田貴司氏と前社長玉塚元一氏が、共同出資して創った事業再生専門会社リヴァンプの第一号案件が決まりました。大手ハンバーガーチェーンのロッテリアです。情報源は『ロッテリア再建、外部主導――ユニクロOBの再生会社33%出資、商品力テコ入れ』(2005年11月26日 日本経済新聞 朝刊 9面)です。

来年をメドにリヴァンプを引受先とする第三者割当増資を実施。リヴァンプの持ち株比率は重要事項の拒否権を持てる33.4%以上となる見通し。3~5年でロッテリアの再生にメドをつけたうえで、ロッテグループが株式を買い戻すとみられる。

ロッテグループ代表でロッテリア社長を兼ねる重光武雄氏とリヴァンプ代表の沢田貴司氏、玉塚元一氏らがトップ人事を含め細部を詰めている。出資金額は多くて数億円規模にとどまるが、ロッテグループの保有株を第三者に預けるなどの手法で経営参画に必要な持ち株比率を保つもようだ。

主な再建策は店舗改装や新商品開発、サービス向上など。不採算店のリストラや店名変更も視野に入れてブランド力の回復を目指す。リヴァンプは外部人材を含めて経営企画などのプロを人選し、ロッテリアの取締役として送り込む。

ロッテリアは国内で約600店を持ち、ハンバーガーチェーン業界3位。業績は未公表だが、日本マクドナルドの低価格攻勢などの影響で、2003年3月期から2期連続の赤字に転落した。前期(05年3月期)は黒字化したものの、売り上げ減が続いている。

リヴァンプが目指すのは、投下資本の短期回収を目的としたファンド型の再生スキームとは一線を画して、中長期での企業価値の増大を目指す「農耕型」の再生です。ロッテリアにも3~5年といった比較的長い年月を費やして、じっくりと再生に取り組む予定のようです。この点では、澤田氏と玉塚氏が理想としていた条件が整ったものと考えていいでしょう。

そうは言っても、ロッテリアの再建は決して簡単だとは思えません。まず考えなければならないのは、ファーストフードのハンバーガー・マーケットの将来性です。主たる顧客を若年層とするこのマーケット自体は、今後飛躍的に伸びることは期待できません。パイの増大が期待できない以上、ロッテリアが生き残るためには、上位のマクドナルド、モスバーガーのシェアを奪うしかありません。

それではロッテリアが狙うマクドナルドは磐石かというと、それとは程遠いのが現状です。したがってリヴァンプが混乱の間隙をうまく突くことができれば、勝機が全くないわけではありません。マクドナルドも100円メニュー導入が来店客数の増加をもたらしたものの、客単価の低下により収益は低迷したままです。

マネジメント面でも、アルバイトの残業代の追加支払いや、現役店長との訴訟を抱えています。それに加えて、今度はフランチャイズ(FC)オーナーからも、訴えられました。情報源は、『FCオーナーに提訴された日本マクドナルドの苦渋の決断』(2005年12月3日 週刊ダイヤモンド 14~15ページ)です。

フランチャイズ(FC)契約を締結していたオーナーが、日本マクドナルド(事業会社)を相手取り、提訴に踏み切っていたことがわかった。争点となっているのは、店舗の買い戻し価格の乖離だ。原田泳幸会長兼社長が率いる日本マクドナルドホールディングスは、創業者の故・藤田田会長のDNAが根強く残るFCオーナーとの関係見直しを急いでいる。

現在マクドナルドが計画しているFCオーナーとの関係見直しとは、次のようなものです。

それは、総店舗数の3割を占めるFC店舗数(1088店舗、昨年末時点)は減らさずに、約400人いるFCオーナーの数を「100人程度削減する」(幹部)というもの。つまり、優良オーナーとは関係を継続し、むしろ、運営する店舗数を増やしてもらい、排除したいオーナーには撤退を迫る。結果的に、1オーナー当たりの店舗数をかさ上げする。

このために設けられたのが「QSCアソシエイト制度」です。この制度では、表向きマクドナルド本社社員がFC店舗運営の改善を指導することになっていますが、実態は業績の悪いFCオーナーに廃業を迫るといったものです。これも故藤田田社長時代の負の遺産を清算しようとする一連の動きの1つと考えられます。同様にマネジメント面でも藤田色は一掃されています。情報源は、『マック「利益ゼロ」――原田路線、挫折か踊り場か、ワンコイン戦略手直し』(2005年10月10日 日経流通新聞MJ 1面)です。

藤田時代の役員は現経営陣にほとんど見あたらない。社長だった八木康行氏はリンガーハットに転出、副社長の石田正氏は娯楽機器のサミー専務、このほか営業担当の責任者らは相次ぎ他の外食企業に去った。一方、新経営陣には大宮裕子氏や好本一郎氏などアップルコンピュータ時代のメンバーや、外部からヘッドハンティングし、参謀を総入れ替えした。

危機感を覚えた米国本社の主導で、経営陣を解体した格好だが、藤田時代から連綿と続く一家意識だけはぬぐい去れない。幹部が外部の人材に占められ、プロパー社員の閉塞感も強まる。

原田CEOの脱藤田商店策は苛烈を極めています。米国本社の意向に沿った改革プランを忠実に実行しているところには、少しのブレも見られません。その首尾一貫した姿勢は、ある意味見事とさえ思えてきます。原田CEOの改革プランは、現時点では目に見える形としてその成果を上げてはいません。しかしこのまま徹底した改革を推し進めれば、新生マクドナルドの業績が反転する日が意外と早く訪れるのかもしれません。

しかしここで考えたいのは、故藤田体制を支えていた経営幹部のほとんどを切り捨ててしまったリスクです。マクドナルドを去った幹部の中に優秀な人材が多かったことは、他社の要職についていることからもわかります。日本に初めてファーストフードを根付かせた人材ですので、現在でも通用する貴重なノウハウを持っていると考えていいでしょう。彼らはおそらく原田体制に代わったことにより、志半ばでマクドナルドを去ったのではないでしょうか?

ここで話を冒頭のリヴァンプによるロッテリアの再生に戻します。私はマクドナルドを去った有能な人材をロッテリアが積極的に活用すべきだと思います。敵の手の内もわかりますし、彼らは現在の原田マクドナルドに一泡吹かせたい、といった野望を抱いているに違いありません。期待するのは、旧藤田体制の残党がロッテリアに終結してリベンジするという構図です。

私自身はマクドナルド、ロッテリアのどちらか一方に肩入れするつもりはありません。ただ外野としては、米国型リストラを進めるマクドナルドと、日本型の新しい再生を志向するロッテリアが激突する様子を見たいだけです。ありえない妄想でしょうか? 両社がリストラに取り組んでいる間に、差別化マーケティングに長けたモスバーガーがさらにシェアを伸ばす、というのが一番現実的なストーリーかもしれません。



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