外食事業の命運をリヴァンプに託すロッテ重光武雄オーナーの決断
2006年04月19日
リヴァンプが手がける再生案件の中で最大規模となるのが、ファーストフードのロッテリアです。来週の4月24日にリニューアル・オープンする東京池袋東口店で、その再生計画の一端がいよいよ明らかになります。情報源は、『ロッテリア、再生へ全面刷新 元ユニクロ玉塚氏の陰にフードビジネスのプロ』(2006年4月17日 日経ビジネス 14面)です。
ハンバーガーチェーンの老舗として知られるロッテリアだが、最大手のマクドナルドと2番手のモスバーガーの後塵を拝して久しい。両社の攻勢で業績は悪化、赤字額は「5年で100億円」(関係者)規模に達した。
そこでロッテグループの重光武雄代表が白羽の矢を立てたのが、ファーストリテイリングの前社長で現在は企業再生会社リヴァンプの代表取締役を務める玉塚元一氏だ。ロッテは今年1月、玉塚氏をロッテリアの会長兼CEO(最高経営責任者)として迎え入れ、ロッテリア株式の議決権の過半数を期間限定でリヴァンプへ譲渡した。
玉塚会長と同時にロッテリア社長としてリヴァンプから派遣された篠崎真吾氏は「新たに掲げるストレートバーガーというキャッチフレーズには、正直で直球勝負のバーガー屋という思いがある。競合相手を意識するのではなく、原点に返り、愚直に顧客の声に耳を傾けた」と話す。
まずは4月24日に東京の池袋東口店をリニューアルオープンし、ロゴや内外装を一新した店舗で再出発をアピール、2年以内に全国約600店舗の改装を実施する。25日からは、ハンバーガーとサイドメニューの合計で400キロカロリー以下に抑えた新メニューを全国同時展開し、新生ロッテリアの目玉に据える方針だ。
ロッテグループとリヴァンプの協業は、ロッテリアの再生だけには止まりません。米国の老舗ドーナツ・チェーンの日本上陸でも、両社がタッグを組むことが発表されています。情報源は、『ロッテ、ドーナツ店展開、企業再生リヴァンプと共に』(2006年4月13日 日本経済新聞 朝刊 15面)です。
ロッテと企業再生会社のリヴァンプは米ドーナツ店大手のクリスピー・クリーム・ドーナツ(略称KKD、ノースカロライナ州)とフランチャイズ契約を結び、今冬から国内でドーナツ店を展開することで合意した。ロッテが持つ食品の製造技術とリヴァンプの経営ノウハウを組み合わせ、5年で30~50店を目指す。
ロッテとリヴァンプは5月下旬をメドに「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」を設立する。資本金、出資比率などは未定で現在、両社が詰めている。出資比率はほぼ同程度になるとみられる。
KKDは店内の専用機械で揚げたばかりのドーナツを熱いまま提供し、口のなかに入れると溶けるように軟らかい食感を“売り物”にする。30近い味の種類があり、米国では平均80セントで販売。日本での販売価格は100円前後で、国内最大手であるダスキンの「ミスタードーナツ」と同水準になる見通し。
まさにロッテの外食ビジネスは、完全にリヴァンプと一蓮托生という感じです。しかし、リヴァンプの共同代表である玉塚元一氏、澤田貴司氏とも、澤田氏が手がけた米国の大手アイスクリームチェーンのコールド・ストーン・クリーマリー(CSC)との合弁事業を除けば、外食ビジネスでこれといった輝かしい実績があるわけではありません( ダイエー再建を逃したキアコン澤田貴司社長が狙う高級アイスクリーム店)。
これはロッテグループの重光武雄代表が、外食ビジネス分野での実績よりも、玉塚氏のビジネス手腕とリヴァンプの人的ネットワークを高く評価した結果の表れでしょう。別の見方をすれば、オーナー企業のロッテだからこそ可能となった、リスクの高い決断とも考えられます。大株主をはじめ種々のステークホルダーを抱える雇われ社長には、到底真似のできない選択です。
外食ビジネスの命運をリヴァンプに託した重光オーナーの思い切った選択は、吉と出るのでしょうか? 今後の展開が注目です。
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ロッテとリヴァンプは5月下旬をメドに「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」を設立する。資本金、出資比率などは未定で現在、両社が詰めている。出資比率はほぼ同程度になるとみられる。

