電通とFIFAの画策でサッカー日本代表の試合時間が変更された?
2006年06月21日
この投稿は、とりあえず切羽詰まったサッカー日本代表を応援しようという趣旨で書いたということを冒頭に述べておきますので、誤解なきように。で、今回の話題は、クロアチア戦後のジーコ監督のインタビューを見て、ビデオジャーナリストの神保哲生氏が抱かれた疑問から始まります。情報源は、ジーコの「テレビ局がそれを望んでいる以上仕方がない」発言の意味は?です。
ワールドカップ、クロアチア戦の直後の共同インタビューでジーコが、「2試合連続で炎天下での試合になったのは、日本にとっては厳しい条件となった。しかし、テレビがそれを望んでいる以上仕方がない。」と語っていましたが、なぜか日本の通訳(テレビ朝日)はその部分だけ訳しませんでした。(中略)
体力的に劣っている日本が、テレビ局の商業上の都合で昼の時間帯の試合をさせられているとすれば、「あの頑張れ日本!」のパフォーマンスは一体なんだって事になると思ったので、ジーコ発言の真意をぜひ知りたいと思いました。よもや、日本のテレビのゴールデンの時間帯に合わせるために、早い方の時間帯を希望したなんてことは無いとは思いますが・・・。
この神保氏が「よもや」と考えたことを真相とする説があります。 情報源は、W杯 クロアチア対日本 0-0 日本苦戦の戦犯は電通か?
試合後のジーコは怒っていた。
こんな暑い中試合をするなんてテレビ局の都合だが。
ピッチの上は35度を軽く越えていたはずだ。恐ろしいことにグループFのすべての試合で、現地15:00開始という酷暑の試合は二試合だけで、かつその二試合はすべて日本戦なのである。意図的なものを感じる。
電通は国際サッカー連盟(FIFA)から放送権の販売を受託し、交渉を担当している。地上波放送については、NHKと民放各社で構成するジャパンコンソーシアムが約140億円で放送権を取得している。
噂では、
日本の視聴率が上がる時間に合わせて、現地ドイツでは酷暑で試合が行われるはずのない時間帯に、日本の2試合をごり押ししたのは電通と言われている。
こうした噂が囁かれる背景には、日本のテレビ局の都合で試合開始時間を動かせるほど、FIFAと電通との関係が密接であるという事実があるからです。続けて、持ちつ持たれつの仲にも見える両者の関係を象徴する話を紹介します。情報源は、『短期集中連載-肥大化するサッカービジネス もう一つのW杯――上-選ばれしスポンサー 権利争奪戦の舞台裏』(日経ビジネス 2006年6月12日号 130~135ページ)です。
日本代表がまだW杯のアジア1次予選を戦っていた2004年秋頃、広告代理店最大手の電通はFIFAから、ある提案を受けていた。
「次からのスポンサー権利はスケールアップしたい。FIFA主催のすべての試合を対象とした8年間のパッケージにして、高く売れないか」
当時FIFAは、スポンサー権利による収入の規模拡大を画策していた。「世界のサッカー振興のためには資金が必要」というのが大義名分である。
FIFAは年間予算の約25%を途上国のサッカー支援に拠出している。先進国に偏りがちだったW杯も次回以降は大陸ごとの持ち回りにし、2010年は南アフリカ共和国で、2014年は南米で開催されることが決まっている。南米大会の最有力候補はブラジルだ。
新興成長市場でのビジネスを拡大させたいFIFAの思惑は、グローバル市場の攻略に邁進する巨大企業とも一致する。これを機にスポンサー制度を一新し、新たな枠組みで2007年からのスポンサーを募集しようというのだ。
この時FIFAが電通に交渉を依頼した先は、ソニーでした。
約1カ月の激闘の末、ソニーとFIFAは大筋で合意に達する。ソニーは金融以外のすべての事業でFIFAのスポンサー権利を行使できる。事業が拡大、あるいは変化した場合の自由度も、ある程度認めさせた。
(2005年)4月4日、東京・銀座のソニービル地下にあるレストランで秘密裏に行われた調印式には、FIFAのブラッターが顔を見せ、ソニーの出井が出迎えた。合意金額は、当初の提示より若干多い、3億500万ドル(約341億円)。ソニーは世界でわずか6つしかない枠を押さえた唯一の日本企業となった。
これらの状況から考えると、FIFAが電通の意をくんで日本代表戦の試合だけを、日本のテレビ局で最大の視聴率が見込まれる時間帯に前倒したという噂の信憑性も高まってきます。しかし、ここで疑問に思うのは日本サッカー協会の立場です。FIFAと電通が日本サッカー協会の頭越しに、日本代表戦の試合時間を勝手に変更できるのでしょうか?
実は、日本サッカー協会と電通との関係も親密そのものです。川淵三郎キャプテンを意向を受けて、日本サッカー史上最高額のスポンサー契約をアディダスとの間でまとめ上げたのも、他ならぬ電通です。情報源は、『短期集中連載-肥大化するサッカービジネス もう一つのW杯――中-ジーコにつくか離れるか 日本代表スポンサーの理想と現実』(日経ビジネス 2006年6月19日号 112~115ページ)です。
5月25日、アディダスジャパンが記者会見を開き、日本サッカー協会との公式サプライヤー契約を2007年4月から2015年3月までの8年間、延長すると発表した。代表チームのユニホームや練習用具を提供する内容で、協賛金は8年間で推定160億円。現在の契約は年間で約10億円と見られており、倍に膨らんだ格好だ。
昨年末から、日本サッカー協会が、アディダス、プーマ、ナイキなどの間で直接交渉を進めていた。スポーツメーカー関係者によると、水面下では、新たに獲得を目指すナイキと、死守しようとするアディダスが激しく競り合ったという。
日本サッカー協会にも、FIFAの場合と同様に国内の競技振興のための資金獲得という大義名分はあります。しかし一方では、こうしたスポンサー契約金額の高額化傾向を、冷ややかに見るスポンサーも既に現れています。
こうした死闘から一歩距離を置いていたのが、国内のサッカー靴の売り上げでアディダスに次ぐ2位のプーマだ。プーマジャパン社長の原田雅弘は、「日本サッカー協会から話は持ち掛けられていたが、入札には参加しなかった」と明かす。
想定された協賛金の額が、適正水準を超えていると見たからだ。日本のサッカー用品の市場はせいぜい500億円。決して大きくはないパイを、数社が食い合っているのが現状だ。各社のサッカー用品の売上高の規模に対して、年間20億円の協賛金は重すぎる。
いずれにせよ、FIFA、日本サッカー協会、電通の三者が合意の上で、日本代表戦の開始時間が変更されたような雰囲気が感じられてきました。スポンサーのアディダスにとっても、試合時間が変わることによって、代表のユニフォームに輝くロゴを見る人が増えることは嬉しいことです。関係者はすべて、次のような図式を思い描いたはずです。
現在までの期待はずれの戦績には、高額の契約を締結したアディダスは決して満足していないでしょう。一方、2015年までの長期契約を既に手中にしているサッカー協会にとってのビジネス上のインパクトは軽微です。協会側はこのような結果をあらかじめ見越して、2007年4月から始まる契約をW杯直前に締結してしまったと考えるのは、邪推が過ぎるのでしょうか?
それでは、酷暑の中でのプレイを強いられた日本代表選手は、こうしたコマーシャリズムの被害者なのでしょうか? 代表選手の方も、個人的にテレビCMに出演することでかなりの大金を手にしているので、広告代理店やテレビ局のやり口を厳しく攻めるような立場にはないような感じもします。『宮本の価値 その市場力と信頼力』(AERA 2006年6月12日号 16~19ページ)に掲載されたCM番付は、こんな具合です。
| 順位 | 選手名 | 本数 | 出演料 |
|---|---|---|---|
| 1 | 宮本恒晴 | 5社 | 4千万円 |
| 1 | 中村俊輔 | 5社 | 5千万円 |
| 3 | 中田英寿 | 4社 | 1億円 |
| 4 | 川口能活 | 2社 | 4千万円 |
| 4 | 稲本潤一 | 2社 | 4千万円 |
| 4 | 小野伸二 | 2社 | 5千万円 |
| 4 | 大黒将志 | 2社 | 3千万円 |
この表から明らかなのは、CMタレントとしての価値と2戦を終えた時点での選手のパフォーマンスとの間には、ほとんど相関関係がないことです。選手個人にとってのW杯は、本来次のように展開するのが理想でしょう。
CM番付1位の宮本選手の場合は、これまで日本チームの中で最低に近いパフォーマンスで、第三戦も累積警告で出場停止となりました。当然選手としての価値も下がるはずですが、所属のガンバ大阪が宮本選手の人気を重視すれば、契約にはさしたる影響はないのかもしれません。そもそもガンバの西野監督は宮本選手を見切って、シジクレー選手の方を重用しているという話もありますし。但し今回の不甲斐ない結果で、タレントとしての宮本選手の価値が下がるのは確実だと思います。
3位の中田選手の場合は、孤軍奮闘している姿を国内的に評価する声も数多く聞かれますが、所属するボルトンはあくまで結果重視のため、予選敗退となれば契約には決して良い影響を与えないでしょう。国内で健闘を讃える声の多さから判断すると、タレント価値には大きな悪影響はないのかもしれません。
また、「次の試合に勝つためにシュガーレディーのカツ丼を食べた」はずの中村選手と稲本選手の現在までのパフォーマンスを見る限り、カツ丼の売れ行きも絶好調とはいかないでしょうね。
話がとっちらかってきたので結論にします。まず選手や監督は、テレビ局の都合で日本代表だけが不利な条件での戦いを強いられたかどうかを詮索することなく、第三戦に全力を尽くすことに集中すべきです。サポーターも、とりあえずそんな日本代表を応援すべきでしょう。
但しW杯終了後には、日本代表だけ酷暑での戦いを2回もしなければならなかった理由は、明らかにされるべきでしょう。どうせこの種の噂話は、テレビ局側がまともに取り上げないだろうとは思ってはいますが。
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