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学術研究論文の出展元としての正確性に欠くことを認めたWikipedia

2006年06月22日

学生がネット上のコンテンツを丸写しで済ませてしまうことが、世界中で大きな問題になっています。英国の試験機関では、この対策としてコピー発見プログラムの導入に踏み切りました。情報源は、ネットからの“コピペ論文”を検出するソフトです。

英試験機関のEdexcelは、GCSE(訳注:英国で16歳で受験する進学のための全国統一試験)とA-level(訳注:同じく英国で18歳で受験する進学のための全国統一試験)で提出される課題にTurnitinプログラムを使う。

盗用が発覚した学生は、その科目の単位、もしくは場合によっては全科目の単位を落とすことになる。

Turnitinプログラムはインターネット上の数十億ものページをスキャンし、提出された課題と既に出版されている作品の共通点をチェックする。

今月、学生が合法的なアウトソーシング用Webサイトを利用して論文代筆者を雇う“委託カンニング”が調査で暴かれたことで、盗用に関する懸念が再浮上している。

詳細は不明ですが、学生相手の論文代行業もビジネスとして成立する規模にまで成長しているようです。一方、米国では大学生が学術論文にWikipediaの記述を引用することが日常化したために、別の種類の問題が発生しています。情報源は、ウィキペディアの創設者、学術研究のための引用を止めるよう訴えかけるです。

Wikipediaを学術研究の出典として利用するのを止めるよう、創設者であるJimmy Wales氏が大学生に訴えかけた。

そう、生徒は実際に学術研究の出典としてWikipediaを利用し、それに対して教師から落第点をもらったとWales氏に苦情を寄せているのだ。

Wales氏はペンシルバニア大学コミュニケーション学部で講演を行った際に、大学生から受け取る抗議の電子メールは1週間に約10通もあると述べた。そしてWales氏は、Wikipediaがさまざまなことに有用だと考えているものの、大学生の真面目な研究には勧められないということを皆に判ってほしいと語った。

同氏はまた、百科事典で調べたのだから正しいはずだと思い込む大学生の態度も、誉められたものではないと述べた。とは言うものの同氏は、Wikipediaが注意書きをサイトに掲載することを検討済みであると述べた。この注意書きでは、Wikipediaの本質と、必ずしも最も信頼できる情報源ではない理由が説明されることになるという。

大学生がWikipediaを愛用している本当の理由は、その記述内容を信じているからではなく、簡単にカット&ペーストして論文に引用できる無料の情報ソースだからだと思います。同じカット&ペーストという行為でも、対象が他人の論文になれば、1番目の記事のように盗用になります。

2番目の記事からは、百科事典を出典元と明記してカット&ペーストすれば、それは「辞書を調べる」という学術的な作業の一部として認められているようにも理解できます。但し、Wikipediaの場合は、その内容が学術論文の出典元としてのクオリティを満たしていないという面で、新たな問題になっているのでしょう。

ところで、創設者自らが「Wikipediaは学術論文の出典先に足るほど信頼できるものではない」と、公式に認め始めたことは、今後大きな波紋を巻き起こす事態も予想できます。実は昨年末に科学誌のNatureが、「Wikipediaの精度はブリタニカ百科事典にも引けを取らない」という調査結果を発表しているからです。この発表に対して、Wikepediaはこれまで特に反応することなく、静観の姿勢を貫いてきました。

これに反して、比較対象にされたブリタニカの方は、猛烈な抗議の声を上げました。ビジネスとして高価な百科事典を販売するブリタニカが、無料のWikipediaと同列と評価されては、怒るのは当然でしょう。( 情報の正確性でWikipediaと同列に扱われたブリタニカがオンライン版を発売)。まさにブリタニカにとっては、Natuer誌の発表は自社のビジネス基盤を揺るがす脅威となってしまったのです。

現在ブリタニカは紙媒体の百科事典の販売から、図書館や大学を対象にした有料のオンラインサービスの提供に、ビジネスの軸足を移しつつあります。Wikipediaの不完全さを認めたWales氏の警告は、ブリタニカのビジネスに追い風となる可能性も否定できません。同社にとっての課題は、これを機会に情報の正確性において、いかにWikipediaと差別化していくかにあります。

さて、学生としては、Wikipediaの代わりにブリタニカを引用すれば、合格点がもらえることになるのでしょうか? ことはそう簡単には運ばないでしょうね。出典元がブリタニカであっても、それを丸ごとカット&ペーストしただけでは、やはり合格点がもらえるとは思えません。問題の本質は、このカット&ペーストという作業そのものが、学術的行為ではないと判断される危険性を秘めているからです。

それでは、学術的行為に近づける(見せる)にはどうすればいいのでしょうか? 私は、丸ごとコピーではなく自分の言葉に要約すれば、学術的行為になると推測します。具体的な例を挙げれば、こんな感じです。

実は、先に引用した日本のCNETの記事、ウィキペディアの創設者、学術研究のための引用を止めるよう訴えかけるは、原文の記事Wikipedia: Stop citing our siteの翻訳です。まず、この原文記事の方を出典先とします。


iconicon次に、日本語版の記事をソースネクストのズバリ要約iconというソフトを使って要約します。

私がこれまで使った経験では、不自然な箇所は残るものの、若干の修正を加えれば十分に使える要約文を作るソフトだと思います。

569文字あった元の文章を、半分の284文字にしたのが今回の設定です。

最後に要約文を、論文の該当箇所にカット&ペーストすれば終わりです。こうしたステップを踏めば、関連資料を簡潔に日本語訳するといった、学術的行為に見えるのではないでしょうか。もし、日本語の記事の方が見つかったとしても、完全に一致するわけではないので、問題になることもないと思います。

最後の部分は、単なるジョークです。現役の学生の方は、自らの手と頭を動かして真面目な研究活動に励んでください。若い頃から、カット&ペーストばかりしていると、このブログのように記事の引用ばかりの文章しか書けなくなってしまいますので。


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