創業者個人の名前と企業イメージ:実践ビジネス発想法

実践ビジネス発想法:
必要なのは情報を知恵に変える力

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 □■□■   実┃ 践┃ ビ┃ ジ┃ ネ┃ ス┃ 発┃ 想┃ 法┃        Vol.9
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        ■  ビジネスの現場で必要とされるのは、情報を知恵に変える力 
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◆ はじめに
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  BLOGにはまってしまい、メルマガを休んじゃいました。スイマセン。

  個人的な満足度50%程度の出来ですが、是非のぞいて見てください。

   ⇒ http://www.planbiz.info/blog/

  今回もCelebrity Marketing 系の話題です。

  前々回(第7号)は主にスポーツ選手を広告に使うことのメリットとデメ
  リットを考えてみましたが、今回は創業者の名前と企業イメージの話を
  扱います。

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◆ 目次
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  【 1 】創業者の個人名と企業イメージ

  【 2 】今日の言葉 「ケロッグ」

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【 1 】創業者の個人名と企業イメージ
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  まずは、米国ペンシルベニア大学ウォートン校のマーケティング記事の
  紹介から。

■When the CEO is the Brand, But Falls from Grace, What's Next?

 CEO(の名前)が企業ブランドとなっている場合、CEOに事件が起こると、
 その影響は?
 
  ⇒ http://knowledge.wharton.upenn.edu/article/956.cfm(要登録)
 

 以下に要旨をまとめる。★は発行人による注釈。


□創業者が会社に自分の名前を冠することは、ヘンリー・フォードの昔から
 個人の名声を活用する有効なマーケティング手段の一つと考えられてきた。
 確かに創業者の名声が保たれているうちは、すべては問題なく進む。


□しかし、ひとたびその名声が傷つくと、同様に会社のイメージもダウン
 してしまうのだろうか。
 
 答えは単純ではない。
 どの程度の悪影響を受けるかは、製品と創業者の結びつきの強さによって
 異なる。


□カリスマ主婦マーサ・スティアートが、インサイダートレーディング容疑で
 有罪判決となった時は、彼女の会社(マーサ・スティアート・リビング・
 オムニメディア社)のビジネスも壊滅的な打撃を受けた。
 判決の翌日には、同社の株価は23%も下げた。

 この原因は、オムニメディア社はマーサそのもの(=identical)だったからだ。


 ★米国株式市場では日本のように値幅制限がないので、1日でこれくらい
  は平気で下がる。逆にこのような場合、日本ではストップ安で値がつかず
  損切の確定もできないこともあったりする。 


 ★マーサ・スティアートを知らない人は、こちらをどうぞ。

 『マーサ・ステュワートのライフ・スタイル・ビジネス』
 (ストアーズ・レポート7月号より転載)
 
 ⇒ http://smallbiz.nikkeibp.co.jp/nvw/column/kume/1998/100420.shtml


  要するに、普通のオバサンが、自分自身を理想の主婦としてプロディース
  することに成功して、衣食住全般にわたる権威者として一大ブランドを
  築きあげたことになる。
 
  ここら辺の話は、日本でも昨今はやりの「セルフ・マーケティング」や
  「普通の人でも○○できる」の元になるので興味深い。

 
  彼女の立志伝的ストーリーに興味のある人へのお勧め本
 
  ⇒ Martha Stewart: Successful Businesswoman (People to Know)
    Virginia Meachum (著)
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0894909843/planbiz-22

  
  普通の人のセルフマーケティングに興味のある人へのお勧め本
 
  ⇒ 自分マーケティング!―就職・転職・起業・副業…。
	始める前にやってみよう!  
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820741969/planbiz-22

    朝起きるたびに、どんどんお金持ちになっている 情報商人のすゝめ
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893468448/planbiz-22

    1人ビジネスらくらく起業法
	http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860630343/planbiz-22

    普通の人が本を書いて怖いくらい儲かる秘術
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893468456/planbiz-22


□一方、ジアンニ・ベルサーチの死亡は、ブランド・ビジネスそのものには
 全く影響を与えなかった。ベルサーチの事業は彼の妹に引き継がれ、業績
 も順調に推移している。

 この場合は、ベルサーチの事業がもはや創業デザイナーひとりではなく、
 多国籍の優秀なスタッフにより支えられていることを、消費者が十分に
 認識していたので、影響はなかったのである。


 ★ベルサーチは1997年7月に愛憎関係のもつれにより射殺された。
  それもホモセクシャルがらみであることを考えると、日本人の常識的な
  感覚では、超センセーショナルなワイドショーねたのはずだが...
  
  君島一郎氏の跡目相続のごたごたで、キミジマ・ブランドが大きく
  ダメージを受けたのとは、まさに対照的。所詮家業にすぎなかったと
  いうことか。


□個人の名声に依存する分と依存しない部分とのバランスを保つことが大事。
 ドナルド・トランプ、マイケル・デル、ラルフ・ローレンは、どれも創業者
 名を関したブランドだが、実際にはそのオペレーション手法は異なる。
 
 マイケル・デルとラルフ・ローレンは、個人の名声とは別に組織としての
 アイデンティを確立しているので、創業者に不祥事があったとしても、もち
 こたえることはできる。


 ★PCの直販、BTO(Built To Oder)の代名詞ともなった革新的なビジネス
  モデルが、デル・モデル。

  デルのビジネスモデルに興味がある人へのお勧め本

  ⇒ デルの革命 - 「ダイレクト」戦略で産業を変える
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532147646/planbiz-22


□ネガティブな報道はビジネスに影響するか?
 市場原理である重要が供給を上回る限り、悪影響を受けない場合もある。

 NBAのロスアンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントが婦女暴行罪
 の嫌疑を受けても、レーカーズのチケットの人気は衰えない。
 彼の私生活上の問題と彼のプレーの質はまったく無関係とわりきって理解
 されていることも、プレーヤーとしての人気が衰えない理由と考えられる。



□このようなリスクはあるにせよ、個人の名前はパワフルなマーケティング・
 ツールであることには変わりない。

 しかし、消費者も単純ではないので有名人の名前で納得させるだけでは、
 効果は限定的にとどまる可能性も高い。
 これからは、信頼のおける第三者のお墨付き(Endorsement)で信憑性を
 補強することが重要となろう。



この記事をヒントに、日本の企業関連の不祥事を考えてみた。


■武富士元会長の盗聴事件

 ⇒ http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040412AT1G1201N12042004.html


 今回の盗聴事件発覚以前から、武富士は時間外労働賃金の不払い等、事実
 無根の風評を含めて、評判の芳しくない企業であった。
 

 しかし、常識的には考えられない種類の犯罪に、創業者の武井保雄氏自ら
 が関与したとなると、企業の信用に及ぼす影響は比較にならない程大きい
 ものだ。経営者の犯罪の多くが、脱税、粉飾経理等の経済犯であることを
 考えると、偏狭で異質な印象を与えるのは間違いない。

 
 いうまでもなく武富士のイメージは、創業者個人のイメージそのものの
 会社なので、会社が受けるダメージは計り知れない。


 今回の事件により派手な営業(街頭でのティッシュ配り)も控えざるをえず、
 債券格付けの引き下げにより、調達金利のアップという苦境にも立たされて
 いる。

 
 消費者金融業では、各社の自由裁量で貸し出し金利を、利息制限法と出資
 法との間で決められることになっている。しかし、各社とも制限金利の
 上限で貸し出すことに変わりないのがその実態である。
 このため、提供する商品そのものでの差別化が難しい業態といえる。


 また、直接消費者への勧誘が禁じられている業態のため、各社ともイメー
 ジ型の広告戦略により差別化を図るしかない。
 本来、マーケティング戦略はプッシュとプルの両方があってこそ成立する
 わけだが、このようにプッシュが禁止されては、戦略的自由度が限定され
 てしまうのもいたしかたない。

 
 したがって、イメージが最も重視される業態での今回の不祥事の影響は
 極めて大きいものになると考えるべきだ。


 結論としては、同社がとるべき戦略は社名を変更して、創業者の個人商店
 のイメージを払拭することしかないと思う。

 それでも、銀行系も虎視眈々と狙う消費者金融分野での生き残りは、容易
 にはいかないはずだ。
 比較的競争の緩やかな商工ローン分野で、商工ファンドがSFCGと改名
 して盛り返したようには、済まないだろう。


 単なる社名変更にとどまらない、起死回生のイメージ一新策が新生武富士
 には、絶対に必要だ。

 
 熟慮の結果、ボロボロの武富士にも唯一プラスのイメージとなりそうな
 ものを見つけた。


 必死にジャズダンスを踊りまくるダンサー軍団がそれだ。
 際立った美人がいない点も、新生武富士に必要な親近感を表現するには、
 好都合となろう。


 一般には武富士ダンサーズと呼ばれているようだが、ちゃんとバンブーダン
 サーズという正式名称もある。
 この名前も社名変更にあわせて当然変える必要がある。名前を一般公募する
 のもいいアイデアかもしれない。
 

 うまくプロモートすれば、意味不明の円盤もどきや、最近陰りの見える
 サッカー日本代表監督あたりにはには勝てると思う。
 スケボ・チワワを打ち負かす自信はない。
 昔から、広告の世界では「赤ちゃん、動物、美人を使えば、間違いなし」
 といわれ続けているが、この3強の牙城を崩すのは至難の業だからだ。


■ジャパネットたかた顧客情報流失事件

 ⇒ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0403/09/news066.html



 同様に創業者の名前を関したジャパネットたかた社も、顧客情報の流失事件
 のため、現在営業停止中だ。
 しかし、影響度合いは武富士に比べれば、極めて軽微なもので収まると思う。


 最大の理由は同社がデルの直販モデルのように他社を寄せ付けないビジネ
 スモデルらしきものを持っているからだ。
 長崎という地方にありながらも、全国に向けて社内スタジオから情報発信
 できるなど、決して社長個人のキャラクターだけに頼った事業構造ではない。


 また、今回の顧客情報の流失は業務委託先の社員による犯行であり、正式
 に刑事告発しているジャパネット社はむしろ被害者という側面も強い。
 高田明社長の報道機関への対応にも誠意が感じられた。
 それほど企業イメージはダウンしていないような気がする。


 このメルマガは個人の勝手な意見を述べることをモットーにしてるので、
 あえて独断で予想する。

 
 業務再開後には、売り上げは急速に回復すると思う。むしろ売り上げが
 事件以前のレベルを上回ることもあるのではないか。


 その根拠は同社の顧客層が主婦層だからだ。
 このご時世にテレビショッピングする人間は、元々インターネットを使っ
 て「価格コム」の最安値を調べるなんて面倒なことはしない人種だ。
 購買決定も、合理的というよりは情緒的といえるが、それは別に非難される
 べき筋合いでもない。


 訛り丸出しの社長の語り口に誠実な人柄を感じる彼女たちが、今回の事件
 の結果、同情票をよせることになるのではないか。
 その結果、かえって注文が増えたりすると面白いことになるのだが...


■三菱ふそう欠陥隠蔽事件

 
 三菱自動車も含め、なぜ三菱系の自動車メーカーにばかり不祥事が起きる
 のだろうか?
 

 この回答へのヒントは、同業のトヨタ、ホンダの社名が創業者名に由来
 していることにあると考えられまいか。
 かりに岩崎自動車という社名だったら、不祥事は避けられたのか?


 この辺の話は、また改めて。


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【 2 】今日の言葉 「ケロッグ」

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 「ケロッグて何?」と聞かれて、「シリアル(コーンフレーク)」としか
 答えられないようであれば、残念ながら優秀なマーケターとはいえない。

 ケロッグといえば、米国ノースウェスタン大学大学院ケロッグスクールと
 発想して欲しい。冒頭取り上げたペン大のMBAがウォートンスクールという
 ように、MBAスクールには別名がある。タックと言えば、ダートマスの
 エイモス・タックとか。

 マーケティング通にケロッグの名前を知っておいて欲しいのは、ことマー
 ケティング分野においては、ハーバードでもスタンフォードでもなく、
 ケロッグがその人気、実績ともトップに位置するからだ。
 
 ケロッグはマーケティング関連の優秀な教授陣を多数かかえているが、
 何といってもその第一人者はフィリップ・コトラーである。
 是非とも、一度は彼の著作を読まれることをお勧めする。

 日本では、マーケティングというと、すぐ「○○倍儲かる」とか「顧客を
 その気にさせる」とか、卑小なものにとらえがちな傾向にある。
 コトラーの著作を読めば、マーケティングはもっと奥深く、かつ実践的な
 学問であることが理解でき、今後の学習への興味もわくはずだ。

 下記の参考書籍は中身は似通っているので、どれか一つ読めば十分だ。
 できれば原書のほうが望ましいが、日本語でもその真髄は伝わってくる
 と思う。


 <日本語版>
 ●マーケティング・コンセプト 

  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492554769/planbiz-22

 ●マーケティング・マネジメント -ミレニアム版
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894716445/planbiz-22

 ●マーケティング・マネジメント 基本編
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894716585/planbiz-22


 <原書版>
 ●Marketing Management, 11th Edition
  バイブルだが高い、近日発売の12版を買ったほうがよいかも
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0130497150/planbiz-22

 ●Kotler on Marketing: How to Create, Win, and Dominate Markets
  ダウンロード版、値段が手頃
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006RT8P/planbiz-22

 ●Marketing Insights from A to Z : 80 Concepts Every Manager Needs 
  to Know :ダウンロード版、構成、値段とも入門向け
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009EINB/planbiz-22


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◆ 編集後記・お知らせ
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  最後までお読みいただきありがとうございます。
 
  雑誌しか読まないと思われてたみたいなので、参考文献に書籍を増やし
  ました。
  以前に比べて分量は減りましたが、時間の許す限り本も読んでます。
 
  お暇な時に、ご意見・ご感想のメールをください。

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   メルマガ「実践ビジネス発想法」
   〜 ビジネスの現場で必要とされるのは、情報を知恵に変える力 〜

 【発行責任者】アンビシャス 神田

  【関連サイト】バックナンバー掲載中  http://www.planbiz.info/blog/

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