副業は起業の前段階ではない:両者には大きな動機の違い
2004年05月13日
昨日「起業ブーム」について書いたら、早速コメントをいただきました。それも今年の2月に本当に起業した方から。正直ビックリしました。やはり、実態としても起業ブームは、確実に起こっているんですね。
今回は、Yomiuri Weekly の記事を紹介します。記事そのものは、副業の事例が数多く掲載されていますが、ここでは、引き続き数字に関係したところだけ取りあげます。
総務省の「就業構造基本調査」(2002年)によれば、仕事をもつ約6,501万人のうち、副業を持つ人は、約255万人(4%)。このうち、本業で年間250日以上働いている人で副業を持つ人は、69万人(1%)と、ぐっと減る。減少の理由は、前者には兼業農家の数字がかなり含まれているからだ。
年間250日以上を本業で働いている人をサラリーマンと解釈すると、およそ100人に1人の割合で「週末副業」が行われていることになる。本調査が実施されたのが、2002年であったので、現時点でのこの数字はもっと高くなるはずだ。しかし、どんなに多く考えても、1桁台の下のほうであることには違いないと思う。なお、便宜上ここでは、サラリーマンという言葉を使っているが、当然女性も含むことをあらかじめお断りしておく。
次に、この69万人の労働者の本業での収入を調べてみると、以下の分布になる。
副業を持つ雇用者の年間所得額(本業分)
(年間250日以上の就業者689,000人)
総務省「就業構造基本調査」
1位 299万円以下 (39%)
2位 300~499万円(26%)
3位 500~699万円(14%)
4位 700~899万円( 9%)
5位 900万円以上 (12%)
当然ながら、本業の収入が少ない方が、副業に従事する割合が高くなる。しかし、本業でも年収が900万円以上を確保している人が1割以上も含まれることを考えると、必ずしも収入増だけが副業の動機ではないこともわかる。
次に紹介するのは、「テンプスタッフプラス」の登録者を対象としたアンケート結果。テンプスタッフプラスは、夜間と土日、祝日に特化した人材派遣会社。 平たく言えば、本業以外の時間での副業を探すサラリーマンが登録するところ。
副業を始める人たちの事情
(アンケート期間:2003年10月から12月、テンプスタッフ調べ)
登録理由
1位 収入補填(55%)
2位 スキルアップ(21%)
3位 転職の足がかり(15%)
4位 独立開業の足がかり(2%)
5位 その他(7%)
副業の際の心配事
1位 体調管理(29%)
2位 会社にわかってしまう事(17%)
3位 スキル(17%)
4位 継続できるか(15%)
5位 家族の理解(1%)
6位 その他(21%)
半数以上の人が「収入補填」を副業の第一目的と回答。また、「体調管理」や「会社にばれないこと」が大きな懸念材料と答えている。こう見ると、本業での減収を補うためには、会社の目を盗んで週末副業に走らざるをえない姿が浮き上がってきて、一転イメージが暗くなる。
昔は人目を忍んでいた Moonlighter が、社会的に少し認知されるようになっただけではないかと考えるのは、言い過ぎか。
反面「スキルアップ」「転職への足がかり」を目的とする回答が、36%もあることは、前向きな側面として解釈すべきかもしれない。
しかし最も注目すべき点は、「独立開業の足がかり」と考えている人が、2%しかいないことだ。サラリーマンが、現在の本業に加えて、さらに他人に雇われる道を選ぶという行動は、独立志向から生まれた結果とは、考えづずらいことになる。
逆に考えれば、本来独立開業を目指すものは、副業といえども自らが事業主体となる道を選ぶべきではないか。
将来の起業を考えている人は、例えどんなに小規模であるにせよ、副業では「自らが主となる」手段をとるべきだ。
結論としては、「副業」と「起業」とは、その背景にある動機が大きく異なるので、単純に同じものと考えることはできないということになる。
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あたなはどちら派?
Yomiuri Weekly 2004年5月23日号
