ユーザ・ニーズとは、ユーザ自身に選択の自由を与えること
2004年06月02日
先月、このサイトを通じて10冊の本がアマゾンから売れました。決して自慢できる数字ではありませんが、当サイトのアクセス数から考えば、まずまずの順当な結果だと思います。ご購入いただいた方には、この場を借りてお礼申し上げます。金銭的な報酬は、ほぼタバコ銭程度と考えてください。「何もしないで月50万円!幸せにプチリタイヤする方法」にはほど遠く、その千分の一くらいにしかなりません(´-`)。
面白かったのは、実際にどんな本が売れたのかということです。
一応、当サイトはビジネス情報系を目指していますので、そのコンセプトに沿った内容のものを取り挙げてきたつもりです(時としてビジネス発想とは無関係な内容もままありますが。)しかし、今回売れたものには、特筆すべき傾向がありました。正確には、「傾向」というような生易しいものではなく、全く私の予想外の分野の本が5冊も売れました。これが、その5冊の明細です。真ん中の「尻啖え孫市」は除いて見てください。
モロにその筋関係の本ばかりです。これは決してフィクションではありませんが、あえてリンクも張らないことにしました。興味をもたれた方がアクセスされて、アマゾン側にこの特定分野に偏向したサイトとレッテルを貼られるのも、あまり嬉しくないので。
私自身このうちの1冊も、サイトで取り挙げた覚えもありません。正直に言って、この5冊がまとめて注文されたのを最初に知った時には、何かの間違いだろうと思いました。時間が経つにつれ、タイトルがタイトルだけに何かの嫌がらせではないだろうかと、少しビビリ始めました。私のアマゾンの注文用のIDとパスワードを調べた人間が、私になりすまして嫌がらせの注文をしたのではないか? 自分で注文したはずのない、特上寿司の出前が5人前分届いたような心境です。
さらに連想は悪い方向へ傾きます。ここで、アダルトサイトの料金未納を告げる代紋つきの督促葉書が○○興業から2通ほど届いていたことを思い出したのです。もちろん、取り合わずに放置していました。きっと、それに関係した新手の威嚇手段の一つかもしれない? IPアドレスから、通信を傍受して、私のIDとパスワードを割り出したとしたら...
冷静に考えれば、こんなことが技術的に不可能なのは明らかです。有料のアダルトサイトの料金を踏み倒した覚えもなかったので、それほど心配する必要はなかったのですが、一時的にパニックに近い状態にあったので、こういう風に発想してしまったわけです。
詳しく調べたところ、この5冊がサイト内のサーチボックス経由で注文されていることがわかりました。本の中身もよくよく考えると、「心理術」とか「決断力」とかの話で、一般のビジネスへの応用法を解説している比較的まともなもので、このサイトを訪れた人が注文するのも、あながち不自然ではありません。また、過去に本を紹介した記事「書籍ランキング(アマゾン以外)」の中に「ヤクザ」の一文字も見つけることができました。
結論としては、こんな話ではないでしょうか。
たまたま、私の記事が向学心のある人の「特定方面」へのインスピレーションを刺激することになり、その人がサイト内の検索機能を利用して、一気に5冊を注文することになったのでしょう。
今回の経験から学んだことがあります。
私が稚拙な書評風の記事で「お勧めする」よりも、記事を読んだ人に自由に発想してもらった方が、よっぽど欲しい本が見つかるという事実です。私自身の経験を振り返っても、学生時代に課題図書、指定教科書とかで、なかば他人に強制されると、何となく読む気がしなくなるようなとこともありました。
マーケティング的に分析すると、本は典型的な買い回り品になります。極端な話、買った本を読む時よりも、本をあれこれ選んでいる時の方が、ワクワクしたりすることもあるくらいです。一般的に買回り品は購買者の自由な選択に任せた方が、効果的な販売方法となる場合も多くあります。
服を買う場合でも、店員に勧められるよりも、他人に気兼ねすることなく自由に自分で選んだものを試着できた方が、嬉しいのではないでしょうか。(もちろんカリスマ店員クラスのアドバイスになれば、話は別です。)そう考えれば、ネットショップでも、サイトを訪れる人の知的好奇心を刺激する方法に工夫を凝らした方が、結果として販売効果も上がるように思えます。
サイトを訪れる人の特性を正確に把握することも難しいので、商品構成をサイト側で勝手に絞り込んだりすると、逆効果となる危険性もあります。しかし、ある程度の絞り込みがないと、サイト・テーマも訴求できなくなってしまうことも、また事実です。こう考えると、Google の AdSense という広告手法は、実に秀逸なものといえるのではないでしょうか。サイト運営者の思い込みで見当違いな広告を選ぶというリスクを避けるために、サイト全体の内容からふさわしい広告を自動的に選ぶというマーケティング手法は、まさに画期的です。まだ、Google 側のデータベースにも完璧とはいえない部分が散見されます。今後、このデータベースが質量ともに充実していけば、サイト訪問者ニーズを的確に反映したプロモーションができるようになる可能性は高いと思います。
【追記】それでも、本の紹介はやめません。本の紹介をなくしてしまうと、ただの日記(それがブログ本来の姿かもしれませんが)になってしまい、知的な雰囲気を維持するのが難しくなってしまうからです。
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