特定非営利活動法人(NPO)には、自己責任でのぞむべし
2004年06月06日
NPOに関して、昨日の日経新聞に気になる記事が載っていました。
【NPOに公開質問 苦情の説明求める】
日経新聞 2004年6月5日 7面
内閣府は今月初めから、苦情や疑問が寄せられた特定非営利活動法人(NPO法人)に対しインターネット上で公開質問し、説明を求める「NPO法人掲示板」を開設した。NPO法人の役割に期待が集まる一方、一部では消費者に被害を及ぼす団体も出てきた。掲示板を通じ、一般市民が悪質な団体をチェックできる仕組みを整備する。
NPO法施行から5年たち、福祉や環境など幅広い分野で新たな公共サービスの担い手となっている。しかし3月に認証を取り消された「消費者問題研究会」のように、NPO法人を隠れみのに、恐喝や詐欺などの被害を消費者にもたらす団体も出てきた。
掲示板では内閣府に寄せられた相談などをもとに、(1)設立時に決めた活動内容などの定款と実態が異なる(2)出資法など法令違反の疑いがある――といった団体に対し、苦情や疑問に対する明確な説明を要求する。
ボランティアなどの社会貢献活動を本格的に行う場合、法人格のない任意団体のままだと、銀行口座がもてない、不動産の登記ができない、などのいろいろな不都合があります。この問題を解決するために、非営利活動を行う法人の設立を簡単な書類手続きだけでできるようにする目的で施行されたのが、特定非営利活動法(いわゆるNPO法)です。
現在活動している、ほとんどのNPO法人は、純粋に社会貢献活動を行っていると思いますが、中にはどことなく信頼感のある、NPOの名前を使って、悪事を働く者も少なくないようです。
内閣府のホームページでも、恐喝まがいの行為を行うNPONの存在が報告されています。
特に問題とされるべきなのは、悪質なNPO法人が、社会的な弱者を狙うところにあります。その代表となるのが、多数の消費者金融に借金を抱えて、身動きが取れなくなった多重債務者をターゲットとしたものでしょう。その関係のチラシが私の家の郵便受けにも入っていたくらいですので、同様な活動をする団体は、全国でもかなりの数あるのではないかと想像します。
一般的には、借金苦に陥ると、社会的な不名誉につながるため、家族や知人にも秘密にしたがる人も多いようです。 弁護士は無料では、相談を受け付けてはくれません。そういう人にとっては、ボランティアで運営されている、NPOは格好の相談窓口に思えるのは、当然でしょう。そうしたNPOにつかまると、借金を返すために、また新たな融資先(高利の闇金)を紹介されるなど、完全な泥沼にはまることになります。 また、このようなNPOと提携する弁護士も、いるようです。悪徳弁護士は、弁護料をとった上で、債務整理を進めているふりをしながら、何にもしないので、結局は自己破産してしまうという話も聞いたことがあります。
規制緩和により、お上に箸の上げ下ろしまで、とやかく言われることのない、新しい形の法人を設立できるようになったことは、基本的は喜ばしいことです。しかし、反面利用者側に立てば、「NPO法人だから、やっている人も善意のボランティアなので安心」と、簡単に思い込むことほど、危険なことはありません。 内閣府でも、その点はハッキリ述べています。
Q7. 認証の法的性質とは何ですか。NPO法人は、所轄庁からいわゆる「お墨付き」を得たものではないのですか。
A7. 「認証」とは、ある行為が法令に適合しているのかどうかということを審査し確認をしてその判断を表示する行為として一般的に使用されているものです。
NPO法では、いわゆる公益法人の設立許可のように行政裁量の範囲が広い制度とは異なり、設立要件の判断において所轄庁の裁量の余地は極めて限定されており、NPO法第12条に規定する設立要件に適合すると認めるときには、認証しなければならないとされています。また、その確認手段も実態審査ではなく「書面審査」によって行うことが原則とされています。
認証されたからといって、所轄庁がその団体の活動についていわゆる「お墨付き」を与えたわけではありません。
公開されている情報などをもとにして、団体がどの程度信用できるかを市民一人一人が判断することが求められています。
要するに、申請があれば、書類に不備がない限り設立を認めるが、具体的な活動内容の真偽については、当局は感知しませんので、あしからずということです。今流行の「自己責任」が、ここでも求められているわけですね。
ところで、冒頭の記事にあった、掲示板は内閣府のホームページのどこにも見つかりません。近日中に公開ということでしょうか。それにしても内閣府のホームページはユーザビリティに欠けます。認証年月日順に、NPO法人が並んでいるだけです。気になったNPOがピンポイントで調べられるように、検索システムくらい用意して欲しいものです。
既存の団体の活動内容を眺めていると、面白い活動をしているNPOが見つかったりします。暇な時に覗いてみれば、非営利活動が基本とはいえ、やはりビジネス・トレンドらしきものも発見できるかもしれませんね。
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