プレゼン・スキルをもう一度勉強し直そうと決意する
2004年06月11日
昨日は、霞ヶ関の某省に来年度の研究予算獲得のための説明に行って来ました。こんなことを書くと、何か平身低頭して、陳情のお願いをする姿を想像する方もいるかもしれませんが、私がやっているのは、極めてビジネスライクなプレゼンテーションです。選挙区の住民が代議士にお願いにあがる陳情とは、根本的に違います。
最近は予算の水増し請求、不正流用等の問題が起こっていますので、予算の獲得段階から厳密な計画案の説明が求められるようになっています。だからと言って、特別に構える必要もなく、こちらの計画している研究事業が、いかに政策に合致しているものであるかを、客観的なデータに基づき説明するだけです。本質的には、一般の民間企業で行われている予算獲得の説明と何ら変わりのないものです。
とはいえ、若干の工夫は当然必要です。国の予算項目は細分化されています。 また、数ある研究テーマの中でも、やはり時流に合致した旬のものは、予算が獲得しやすくなる傾向にあります。したがって、どういうタイトルでエントリーするかで、獲得できる予算の額が左右されるのも事実です。ここら辺のところを、事前に省庁側の担当者とすり合わせすることが大切になるわけです。特に私がかかわっているプロジェクトは、過年度分の成果を具体的に説明しづらいところもあり、その点では神経を使います。
その他、注意したいのは、省庁側の担当者が大体2、3年程度の短いサイクルで 変わると言うことです。新任の担当者が、全くの異分野から異動してくるケースもかなりの確率で起こります。やっとこちら側の考えを理解してもらったところで、また一からレクチャーを始めなければならないことになります。このような労力を惜しんでいるようでは、この仕事はやっていられません。
担当者が変わることは、むしろポジティブにとらえるべきでしょう。長い間、同じ担当者との関係者が続くと、先般発覚した社会保険庁関係の事件のように、不正問題が起きる温床となります。また、親しく接してみると、省庁側の人間は、やはり優秀な人間が多いので、新任者から示唆を受けることもあります。多様な業務を経験しているだけあり、かつての担当分野からのアナロジーなどは、研究プランに応用できるところもあります。そうは言っても、特殊性の高い研究分野であるからこそ、専門家として当方に業務委託しようとするわけで、その内容を正確に理解してもらうことは簡単ではありません。
それで、肝心のプレゼンの首尾はどうかというと、必ずしも満足できるものではありませんでした。内容の説明は当方の若い研究者に一任したのですが、説明の仕方が垢抜けず、途中睡魔を覚えていまうほどでした。運悪く、昨日は 湿度、温度とも高く、おまけに環境行政を主管する省庁内では、エアコンの設定温度も28度に抑えているため、頭もボーっとしてきました。
説明した若者は研究肌の性格です。内容を全て理解してもらわなければならないという固定観念が強すぎるきらいがあり、話し振りも強弱のない、ベタな説明になってしまいました。聞き手の立場からすれば、判断するポイントは 数点しかありません。それが明確に提示されるのが、いいプレゼンテーションとなるわけです。その点から考えると、今回のプレゼンは合格点にはほど遠い出来でした。
自分1人の力で完結できるビジネスというものは、ほとんどありません。また、どんなにすばらしいアイデアだとしても、それが他人に伝わらなければ、何の価値もありません。やはり、プレゼンテーションは、重要なビジネススキルの1つです。そう考えて、自分も含めてもう一度、プレゼンテーションを勉強し直そうと思います。
早速本屋に向かい、参考となりそうな本を探してみました。プレゼンテーションはスキルといっても、その背景となるロジックもこの際ちゃんと学習できそうなものを選びました。以下に、今回私が選んだ書籍を紹介します。
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【関係ありそうな本】
ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」高田 貴久 (著)
論理思考力・仮説検証力・会議設計力・資料作成力。ビジネスマンが価値の高い仕事を遂行していく上で必須の4つの能力である。この基本能力を「提案」という切り口で整理し詳述。優れたプランを成功へと導くテクニックを伝授。
説得できるプレゼン・図解200の鉄則- 読み手がうなるデジタル文書はこう作る
永山 嘉昭 (著), 真次 洋一 (著), 黒田 聡 (著)
プレゼンテーション資料や企画書、報告書作成などのノウハウが詰まった1冊。著者は実際にプレゼンなどに携わってきた人たちで、本書の鉄則を習得すればライバルをもうならせるデジタル文書を作成できる。

