コカ・コーラC2を飲んで、PC業界の現状を考える
2004年06月18日
オリンピックの公式スポンサーである、コカ・コーラ社にとっては、今年の夏は4年に一度のマーケティング・キャンペーンの好機に当たります。今回の目玉は、「次世代のコカ・コーラ」と銘打った「コカ・コーラC2」の投入です。
茶系飲料に押されて炭酸系飲料の人気が衰退基調にある、日本市場を特に意識しているのか、全世界に先駆けての先行発売です。
「コカ・コーラ C2」は、コカ・コーラだけが持つ特別なおいしさを求めながらもカロリーは控えたいと思う消費者のニーズの応えた次世代コカ・コーラです。コカ・コーラ社が持つ研究成果を集約して開発された甘味料の組み合わせ技術などにより、コカ・コーラのおいしさはそのままに、カロリーを半分以下(19kcal/100ml)にすることに成功しました。
早速、そのC2を飲みました。確かに、カロリー・ゼロの「ダイエット・コーク」よりは、おいしいような気もしますが、驚くほどの差は感じません。私の味覚がにぶいのかもしれませんが...
それでは、その秘密である「コカ・コーラ社が持つ研究成果を集約して開発された甘味料の組み合わせ技術」とは、何でしょうか。コカ・コーラは特別な甘味料を開発したのでしょうか。
製品スペックを調べると、何のことはない、普通のアスパルテームでした。アスパルテームは、全世界で発売されている味の素の人工甘味料です。その製法特許の発明対価は2億円近くと裁定された、人工甘味料の世界NO.1商品で、日本が世界に誇る発明品の一つです。なお、小売製品はパルスイートのブランド名で販売されています。
改めて、コカ・コーラ社の先ほどのコピーを読むと、甘味料の組み合わせ技術を開発しただけで、甘味料を開発したとは言ってないことも確認しました。「秘伝のレシピ」と言っているわけですね。
ダイエット飲料のキー・コンポーネントは、人工甘味料です。このキー・コンポーネントを、圧倒的なシェアを占める味の素のアスパルテームが握っているため、事実上他の選択肢はありません。競合のダイエット・ペプシも当然アスパルテームを使っています。したがって、おなじアスパルテームを使用する以上、どうしてもダイエット・コークとダイエット・ペプシの味が、似たようなものになるのはやむを得ません。したがって、ダイエット系コーラの製品差別化策は、レモンフレーバーを加えたり、色を変えたりと、両社とも苦労することになります。
業界全体がキー・コンポーネントを1社に依存しているため、製品差別化が難しいというのは、パソコン業界の現状と一緒です。同じインテルのCPUを使用している以上、パソコン各社から出る新製品も、性能面では大きな違いが生まれなくなっています。特に、パソコンの場合は、CPU以外のコンポーネントの標準化も年々進む傾向にあるので、差別化の自由度はますます小さくなっています。率直に言って、基本機能だけを考えれば、パソコンは、もはや commodity (日用品)の域に達していると考えた方がいいのかもしれません。
それでも、パソコンのMac のように、独自路線を歩む方向性も無いわけではありません。ダイエット飲料の方でも、人工甘味料の自社開発とか、根本的なイノベーションが起きると、マーケットが活性化することは間違いありません。消費者にとっても、おいしいダイエット飲料の選択肢が増えることは、願ってもないことでしょう。コカ・コーラ社のもうひと踏ん張りを期待して、次世代といわず、次世紀の新製品を待ちましょう。
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