電子消費者未納利用料請求最終通達書がTBSテレビでも
2004年07月04日
本日、TBSテレビの「噂の!東京マガジン」(昼13時より放送)でも、架空請求の話題が取り上げられました。「噂の現場」と題した、身の回りで起こっているさまざまな問題や事件を取り上げるコーナーで 「急増する架空請求の実態をリポート」という内容でした。 架空請求の事例の一つとして、法務省認可特殊法人 東京管財事務局からの「電子消費者未納利用料請求最終通達書」も紹介されていました。やはり、想像以上に架空請求の問題は、全国的に広がっているようです。
番組内では、架空請求の成功率(実際に身に覚えのない請求金額を支払ってしまう被害率)は、1000件に1件程度の割合と推測されると報じています。その成功率の低さから逆算して、数万件単位の同種の葉書が郵送されているものと予想されます。また、番組内ではパソコンも携帯電話も使っていない人に、アダルトコンテンツの請求書が届く被害例などを紹介していました。事前に詳細なマーケット・リサーチをして送付先を選んでいるわけではないようです。 犯人側の戦術は、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」を基本とした、無差別攻撃です。こう考えれば、この種の葉書の1枚や2枚が、自分の所に来ても何ら驚く必要はないことになります。
大量無差別攻撃の結果、「たまたま」自分の所にも届いただけと、割り切ってしまえれば、以前にも増して安心して、この種の葉書を無視することができます。番組でも、間違ってもこの種の詐欺に返答してはならことを強調していました。 一度でも犯人の要求に屈すると、もっと大変なことが待ち受けています。番組で放送された被害者の例を紹介します。
こうした架空請求の場合、「支払えば済むのか?」というと、これが全くの逆効果となるのだ。Bさんの場合/脅しのような請求ハガキが届き、やむなく29万円を支払ってしまった。これでひとまず解決と思いきや、この後すぐ、Bさんの元には架空請求業者から電話がかかってきた。すると業者は「まだ振り込まれていない」という。業者は、このような方法で二重取りしようとしていたのだ。さらに、他の業者からも架空請求が送りつけらてきたのだ。いったいなぜ?これはBさんが「脅して請求すると金を払った」という情報が「カモリスト」と呼ぶリストにのってしまったため、二番手三番手の業者が次々に請求ハガキを送ってくるのだ。身に覚えのない請求に大金を払ったのに、こんな悲惨な結果になろうとは。
番組の後半では、個人情報の流出経路に関して、名簿業者と住民基本台帳閲覧制度の問題にあることを指摘していました。普通にビジネスをしていても、新規顧客獲得策を考える場合には、名簿情報は欲しくなることもあります。私自身も大昔にこの手の業者で最大手と思われる 「名簿図書館」を調査した覚えがあります。その時は、実際に有料の名簿情報は利用しませんでしたが、これは完全に合法的なビジネスとして成り立っています。これ以外にも、神田の古本屋街を一巡りすれば、企業、団体、学校等の名簿は、すぐに入手できます。個人情報なんて手に入れることは、実に簡単なわけです。なお、個人情報がどのように利用されているかは、Yomiuri Weekly の 「流出個人情報の使われ方」 に詳しく載っています。
住民基本台帳の閲覧に関して、番組が制度上の問題として指摘している点は、次の通りです。
市区町村の役場に行けば、住民基本台帳に書かれている個人情報のうち「氏名」「住所」「性別」「生年月日」の4項目を原則自由に閲覧することができるのだ。(役場によっては多少の違いがある)手続きは簡単。申請書に目的などの必要事項を記入して提出するだけ。閲覧の目的は「ダイレクトメール」などでもOKなのだ。しかも、どのようなDMを送るのか?本当にDM業者なのか?調べられることはまずないという。
本件に限らず、公的情報から合法的に入手した個人情報がビジネスに利用されるケースは、非常に多いと思います。昨今話題の闇金融業者の格好のターゲットになるのは、実は通常であれば返済能力が低いので、敬遠されると思われがちな自己破産者なのです。それは自己破産者が、闇金業者の理想的な顧客条件をすべて満足しているからです。自己破産者は、
- 「金がない」:破産したので無一文です。
- 「合法的な金融機関からの借り入れはできない」:自己破産すると、それ以降5から7年ぐらい各種信用情報機関のブラックリストに載るので、借金はできません。
- 「必ず返済する」:自己破産は一生に一度しかできません。破産者は再度踏み倒すことはできないので、必ず借金を払うことになります。
それでは、闇金業者は、この魅力的な見込み客情報をどこから手に入れるのでしょうか。いとも簡単に、政府が発行する 「官報」から入手することができます。自己破産者は、その氏名と住所を官報に公示することが、法律で定められているからです。 今では、行政サービス向上の一環として、インターネット版もありますので、それこそ自宅にいながらにして、破産者の情報を調べることができるのです。
公的機関から簡単に入手した個人情報が、合法、非合法を問わず、いろいろなビジネスに使われているのが、わが国の現状です。 来年4月には、個人情報保護法も完全施行されることになっています。その前に、公的機関による個人情報の開示のあり方も、もう一度検討されるべきではないでしょうか。
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