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日本の部長就任平均年齢は欧米のCEO就任平均年齢よりも高い

2004年07月11日

プロ野球選手会の古田会長が、オーナー陣との直接会談を求めたことに対して、巨人軍の渡辺オーナーが「無礼なことを言うなっ」と突っぱねたと報じられています(巨人渡辺オーナー暴言「たかが選手が」)。 一般人には、全く理解できない発言です。渡辺恒雄氏は、1926年生まれの78歳、古田敦也氏は、1965年生まれで今年39歳になります。両者の年齢差は、ちょうど2倍です。特異な言動で有名な渡辺氏の暴言を持って、一般化するつもりはありませんが、やはりその根底には、30歳代、40歳代はまだ洟垂れ小僧という、日本社会独特の感覚があるのでしょう。

この背景にあると思われる、わが国の企業におけるトップの年齢の高さを示す データが、7月9日の日経新聞(11面)に掲載されています。同紙によれば、日本のCEOの就任年齢は、平均58.4歳で、欧米の平均より10歳も高いことになります。これは、米国の戦略コンサルティング会社、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンが世界の大企業2500を対象に、2003年に就任したCEOの年齢を調査した結果に基づいています。 対象となった企業は、全世界の株式時価総額上位(2003年1月時点)で、日本企業はトヨタ自動車やソニーなど、356社が含まれています。

地域別に分類した結果は次の通りです。日本企業のCEO就任年齢が、他の地域に比べて、明らかに突出して高くなっています。

CEO就任時の平均年齢
  • 日本: 58.4
  • アジア太平洋地地域(日本を除く): 47.4
  • 北米: 49.1
  • 欧州: 50.0

果たして、日本企業への役職者への就任高さは、CEOに限られたものなのでしょうか? 今週発売になった「THE 21」の特集記事の中に興味深い記事を見つけました。

THE 21 200408THE 21 2004年8月号 p.11-28
総力特集 「係長クラス」のやる気が出ない原因と結果の法則

以下は、労働行政研究所が、日本全国の上場企業と非上場企業(資本金5億円以上)112社を対象に調査した結果を、本特集記事が転載したものです。

正規入社の大学卒男性における管理職の平均昇進年齢
  • 係長: 38.0
  • 課長: 44.6
  • 部長: 51.7

ここでの係長とは、主任、課長補佐など、企業により呼称は違うものの、課長一歩手前のクラスをすべて含むものと考えて下さい。 わが国の役職者への登用年数の高さは、CEOの限定された話ではないようです。特に、部長職への平均就任年齢が、50歳を超えていて、北米企業でのCEO就任平均年齢よりも、高いことには驚かされます。

残念ながら、外国企業の課長クラスへの昇進年齢の統計は持ち合わせていないので、ハッキリしたことはいえませんが、少なくとも私の経験から言って、米国系の企業では、30歳前後のマネージャは、普通であるように思います。ここで、注意しなければならないのは、米国企業でのマネージャと日本での課長とは、少し意味づけが違うということです。米国企業でいうマネージャは、特定の業務を管理(manage)する責任者に対する呼称であり、部下の有無は直接関係がない点です。したがって、米国のマネージャと日本の課長の就任年齢を、単純に比較することはできません。

あえて比較できそうな例をあげれば、日本の本部長という肩書きと、米国のジェネラル・マネージャや(GM)という肩書きは、ほぼ同じくらいだと思います。これも私自身経験から言えば、米国では40歳のGMは普通であり、日本の平取締役クラスの本部長は、50歳に近いというところではないでしょうか。やはり、この時点で、10歳程度の就任年齢の差が起こっているように考えられます。

日本企業の役職者への昇進年齢の高さの背景には、やはり団塊の世代という特殊事情があるのではないでしょうか。団塊の世代は、通常1947年から49年に生まれた、約700万人の世代で、現在55歳から57歳になります。企業内でも、この世代が依然として重しになっているので、それ以下の世代への交代がなかなか進まないわけです。団塊の世代も今後5年以内に、60歳定年を迎えることになります。そうなれば、一挙に日本企業も若返りを図ることができるようになるのでしょうか。

冒頭の渡辺オーナーの発言は、ある意味では日本の企業社会の極端な縮図を示すものかもしれません。プロ野球ビジネスを含め、日本企業全体の若返りを期待したいところです。


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