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全国の中小企業診断士のみなさまへ 中小企業診断士会

2004年07月12日

中小企業診断士会というところから、「全国の中小企業診断士のみなさまへ」と題した葉書が来ました。

中小企業診断士は、厳格な国家試験を通過し、経済産業大臣に認定・登録された日本で唯一の国家資格の経営コンサルタントであります。
しかし、診断士のおかれている現状は、未だその身分・職域・知名度などにおいて、決して十分であるとは言えません。
このことから、さらに身分を保全し、職域を拡大するため、法的な身分の確立の必要性を痛感する次第です。
この観点に立って、診断士の「自立」と「地位向上」を図り、中小企業支援・地域振興支援等に、より一層貢献するには、診断士自身による組織化が不可欠と考え、「中小企業診断士会(全国組織)」を設立致しました。

平成16年4月1日にホームページを公開しました。
www.shindanshikai.jp/
是非、ご覧ください。

多くの皆様の積極的なご参加をお待ち致しております。
今こそ、立ち上がりましょう!!

葉書の内容だけでは、趣旨が不明だったので、早速そのホームページを見てみました。中小企業診断士会の設立趣旨として、次の内容が掲げられています。

中小企業診断士の

  • 「自立」
  • 「身分の確立」
  • 「地位向上」
  • 「職域・業務の拡大」
  • 「認知度アップ・PR」
  • 「コンサルティングの総合力の発揮」
  • 「各自の能力レベルアップ」

を図り、中小企業の発展・地域振興等に貢献し、収益機会の増大・多様化・強化を達成します。

そのためには、他の士業(弁護士会、公認会計士会、税理士会、社会保険労務士会等)のように業法である 「診断士法」 制定を図ることが不可欠です。
「診断士法」 制定を促進するためには、当然国の立法機関への積極的なアプローチ・折衝を行い、理解を得る政治的活動を展開することも重要です。

以前、このブログでも紹介したように、中小企業診断士という資格は、取得してもそれだけで生計を立てていくのが難しい資格です。それを端的に表す言葉が、「足の裏についた飯粒 = 取らないと気にかかるが、取ったとしても食えない」です。その背景には、診断士資格がなくても、経営コンサルティング業が営めるという現状があります。一方、弁護士を筆頭とする他の士業では、資格保有者に独占的な業務が保障されています。このため、「中小企業診断士法」を制定して独占的な業務を確保したいというのが、今回設立された中小企業診断士会の狙いであるようです。

趣旨には賛同できる部分もありますが、業法の制定実現は非常に難しいのではないでしょうか。大まかに言って、各種事業に対するわが国の許認可行政のレベルは、次のような階層構造になっています。下に行くにしたがって、事業の独占性が強くなるかわりに、主務官庁の監督責任と権限が強くなっていきます。

1.届出

2.認可

3.登録

4.免許

現状の中小企業診断士は、3の登録のレベルにあります。登録したからといって、さしたるメリットがないのが現状です。これを、業法の制定により、独占的な事業領域が保障された、4の免許のレベルに持って行くことを目指しているわけです。そう考えると、この提案は、時流に逆行するものに見えます。現在の社会の流れは、規制緩和の方向、上の図での4から1の方向に向かっているからです。その背景には、各省庁の無駄な許認可権限を廃止して、行政改革を推進するという大義があります。そのような流れの中で、主務大臣(診断士の場合であれば、おそらく経済産業大臣)に、新たな許認可権限を与えるような制度の立法化は、極めて実現性に乏しいはずです。

現状の中小企業診断士のメリットは、持っていれば履歴書の資格欄に記入できる程度しかありません。持っているからといって、特定の業務が与えられるわけではありません(一部の公的診断を除く)。そういう意味では、英語検定や、簿記検定と同様に、認定資格試験に合格したという証明にすぎないものです。 中小企業診断士の大きな問題点は、その資格維持料の高額なことにあります。毎年、診断士協会と各地域の支部に収める会費が、5万円程度かかります。それ以外にも、法定研修が課せられているため、さらに金銭的・時間的な負担が生じています。一方、他の認定資格は、一度合格すれば、出費はかかりません。

中小企業診断士資格の矛盾は、毎年高額の維持料がかかるのに、独占業務が保障されるような対価性がないというところにあります。したがって、現実的な解決策は、業務独占を狙うよりも、むしろ維持料金を不要、もしくは低額にする方向を目指すべきだと思います。登録更新時も、自動車免許の更新時のような簡易で、費用もかからないようなものにすべきでしょう。後は、中小企業診断士の資格のために勉強した成果を生かすか殺すかは、本人の自主性に任せるのが一番合理的な方法ではないでしょうか。


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