世界のポップカルチャーの中心・日本の女子高生と Ugly Dolls との関係
2004年07月26日
日本のマーケティング力は、世界で注目を集めるようになっているようです。その影響力は、日本国内で想像しているよりも、ずっと大きくなっているのかもしれません。BusinessWeek の7月26日号のマーケティング・デザイン欄で、日本のポップ・カルチャーが世界的影響力を及ぼしつつあるとの記事がありました。その内容を簡単に紹介します。

From video games and cartoons to cell phones and cars, Japan's influence on pop culture and consumer trends runs deep.
BusinessWeek July 26, 2004 p.92-64
音楽、書籍、雑誌、映画、工芸品や特許収入などの日本の輸出金額は、2002年には、150億ドルに達している。1992年当時の金額が、50億ドルなので、この10年間で急増したことになる。また、現在海外で日本語を勉強している人間は、約300万人にのぼる。これも、1990年には、100万人しかいなかったので、日本文化に対する関心の高まりが、ここにも表れている。
日本のポップ・カルチャーは、アジアだけでなく、米国でも影響を強く及ぼし始めた。"Anime"、"Kill Bill"、"Iron Chef" などが、その好例である。ロサンゼルスで日本漫画を専門に出版するビジネスマンは、特に日本の女子高生が、トレンド・メーカーとしての影響力が強いと指摘する。デューク大学の文化人類学の学部長ば、「もはや米国は世界文化の中心としての影響力を失った」と語る。
この背景には、米国の若者の嗜好の変化があるのは明らか。フットボール、野球、バスケットボールのようなチーム・スポーツの人気が衰えている。その代わりに、アジア系の武道の競技人口は、この5年間で28%も増え、690万人に達している。このように米国の若者全体が、一人で楽しむ趣味を好むようになるにつれて、日本のテレビゲームや漫画などに人気が集まってきた。
以下、記事の中では、先進的な日本文化として、次のようなものを紹介しています。
- 玩具:Hasbro action figures: ガンダム系
- 携帯電話:Sony Ericsson: デジカメ付き
- 車:Toyota Prius: ハイブリッド・エンジン
- ファッション: Vutitton's Murakami bags: 村上隆デザイン
- 映画:Kill Bill: サムライ・アクション
最後に登場するのが、"Ugly Dolls"という縫いぐるみシリーズです。いかにも日本でデザインされたかのような縫いぐるみは、ニューヨークの高級デパート Barneys で、月に6万個売れるヒット商品になっています。この話のミソは、実は作者が Brooklyn 在住の米国人デザイナーで、日本のメーカーとは何の関係もないというところにあります。
彼は少年時代に、父親から日本への出張のお土産としてもらった、漫画やテレビゲームで遊んでいたので、自然と日本のポップ・カルチャーの刺激を受けて育ちました。そのセンスと経験を生かして、「いかにも日本で流行っている風」の縫いぐるみを、米国人向けにアレンジするビジネスに成功できたと告白しています。
確かに見た目には、日本の女子高生好みのデザインです。 この記事の中で、全く触れられていないのは、日本人独特の細部へのこだわりと、それを可能にしてきた加工技術です。果たして、この縫いぐるみは、われわれ日本人を満足させる品質に達しているのでしょうか。
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【本件に関係した本】
巨額を稼ぎ出すハローキティの生態ケン ベルソン (著), ブライアン ブレムナー (著), Ken Belson (原著), Brian Bremner (原著), 酒井 泰介 (翻訳)
税関を抜けると、そこは二足歩行する白ネコの根城だった-。「戦略」か「偶然の産物」か、世界を席巻するハローキティの真実。アメリカ人ジャーナリストが、日本にはびこる「カワイイ」至上主義文化の不思議にせまる。
Ugly Dolls: OX (New!)
