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ビジネスマンは45歳、ビジネスウーマンは35歳で、燃え尽きる

2004年08月04日

8月4日の日経新聞朝刊5面によれば、昨年1年間の雇用減少幅は、4年ぶりに改善したそうです。

厚生労働省が3日発表した2003年の雇用動向調査によると、昨年1年間の離職者数から就職者数を差し引いた雇用の減少幅(離職超過数)は57万人となり、前年に比べて28万人改善した。2002年までは3年連続で悪化、4年ぶりの改善となる。倒産やリストラといった不況型離職が一段落したことなどが背景。

企業業績の回復を受け、雇用状況にも改善の兆しが見られます。しかし、自殺者数の増加傾向には、歯止めがかりません。昨年1年間の自殺者数は、3万4427人で、昨年の交通事故死者数(7702人)の4.5倍にもなっています。過去最悪記録を更新して、3万人超は1998年以来6年連続となり、依然として危機的な状況が続いています。特に、働き盛りとされる、40~50歳代の自殺者数は、50歳代は8614人(前年比1.8%増)、40歳代は5419人(同12.6%増)と、いずれも昨年より増加しています。

40~50歳代の自殺動機のトップは、「経済・生活問題」です。しかし、それ以外にもこの年代特有の自殺の原因があるらしいのです。欧米諸国では、これを『ミッドライフクライシス』と呼んでいます。ライフサイクルの中でも、さまざまなストレスを原因に、自殺を引き起こし易い時期としてとらえる研究が進んでいます。今週発売された Yomiuri Weekly に、ミッドライフクライシスに関する詳しいレポートが掲載されました。以下に、記事の一部を抜粋します。

Yomiuri Weekly 20040815Yomiuri Weekly 2004年8月15日号 p.10-19
ミッドライフクライシス
女35歳、男45歳からの「心の危機」

「アメリカでは、1980年代後半から激しいリストラが断行され、残った社員は少ない人数で過酷な労働を強いられていた。その結果、バーンアウト(燃え尽き症候群)になり、仕事への意欲を無くし、最悪の場合、自殺に至るケースも少なくありませんでした」と指摘するのは、プール学院大学短期大学部の横山敬子教授だ。

横山教授は、10年ほど遅れて、同様の現象が日本でも起こることを予測したのだが、それに関する調査がほとんどなく、対策も進んでいないことがわかった。そこで、横山教授は、希望退職や退職勧奨などの雇用調整を行った著名企業14社にアンケート調査を実施した。451人の男性社員と135人の女性社員から回答があった。

アメリカなどの研究によれば、バーンアウトになると、3つの症状が出る。『消耗感』を感じ、仕事への無関心を示す『冷笑感』が表れ、仕事へのやりがいを意味する『職業上の効力感』を失ってしまう。以上の3項目を、7点満点で男女別、年代別に集計し、点数化した。

まず、男性から見ていくと、『消耗感』は、26歳から30歳までが、3.23点と一番高い。それ以降の世代で徐々に減っていくが、51歳以上になると、再びアップしている。

「職業上の効力感」を見ると、最も高いのが41歳から45歳の3.94点である。しかし、46歳を過ぎると、仕事に対するやりがいが急速になくなってくる。横山教授は次のように分析する。「面接調査でも、男性の場合、気力、体力とも充実して自己実現できるのが、41歳から45歳と意見が一致しました。仕事にも慣れ、管理職としての自信を持つ世代といえます。しかし、40歳代後半になると、先が見えて、燃え尽きてしまう。45歳以上の男性は賞味期限切れという厳しい意見もありました。」

一方、女性の場合はどうか。「女性の場合、35歳ですでに職場での限界感が高まるのが現実。先が見えてしまった女性の中には、資格を取って職場を去ったり、大学院に入ったりする人も少なくありません。この年頃が、女性にとっての転機と思われます」と、横山教授は話す。

それでは、ミッドライフクライシスを乗り切るためには、どうすればいいのでしょうか。この記事では、次のようなことが効果的だと指摘しています。

  1. 趣味に満足感を見出す。会社での昇進など外面的な価値観しかないと、状況の変化で受ける心の影響は大きくなってしまいます。趣味を持つことにより、内面的な満足感を深めれば、周囲の変化を静かに受け止め易くなるからです。
  2. 家族とのコミュニケーションを増やす。家族に自分の苦しみや悩みを打ち明けられる環境作りが大切です。親として威厳を示すより、家族の話に耳を傾けるのが、一番のコミュニケーションになります。
  3. 仕事上の利害関係のない友人を作る。定年後には、社外の友人が必要になります。
  4. 適度ないい加減さを心がける。なんでも全力投球では、心も身体ももちません。適度にいい加減に考えて、自分が楽になる生き方に変えることが必要でしょう。

最近は新入社員の定着率も低く、中卒で7割、高卒で5割、大卒者の3割が、入社3年以内に会社を辞めていく「シチゴサン現象」が起きているようです。この影響を受けて、なかなか若手に仕事を譲ることができずに、加えて成果主義のせいで結果も厳しく求められる、30歳代の社員の消耗感が激しくなっています。そう考えると、40歳代後半から始まるといわれているバーンアウトも、これからは前倒しになっていくような悪い予感もします。

確かに、上で指摘されているミッドライフクライシスの克服法は、どれも納得がいくものです。この克服法は、45歳近くになったら、もはや仕事そのものに、生きがいを見つけるのを諦めろと言っている、いわば対処療法のようなものです。しかし、よくよく考えれば、現行の年金システムが破綻を免れると仮定しても、普通は65歳くらいまでは、働き続けることになるはずです。

本当に45歳以降、仕事にやりがいが見出せなくなってしまったら、残りの20年間は、やはり苦痛になるのではないでしょうか。当然、知力、体力とも峠を越えているので、無理は利きません。それでも、仕事を通じてある程度の充実感が持てなければ、趣味の世界だけに生きがいを見出すのは難しいような気がします。今のうちから、50歳代、60歳代でも、それなりの自己実現感がえられそうな仕事を考えておく必要がありそうです。まあ、本当のところは、自分がその年齢に達してみないとわからなことではあるのですが... 


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【本件に関係した投稿】

【本件に関係した本】

仕事人間のバーンアウト仕事人間のバーンアウト
横山 敬子 (著)
経営状態が危機になればなるほど、企業はバーンアウトを起こしてしまった社員を活性化する必要が起こってくる。職務バーンアウト研究の紹介、統合モデルの作成を行ない、職務バーンアウトの解決法を面接調査より探る。
40歳を過ぎたら、「自分のため」だけに生きろ!―人生これから面白くなる 40歳を過ぎたら、「自分のため」だけに生きろ!
―人生これから面白くなる

川北 義則 (著)
四十代の生き方が、後の人生を決める! 自分だけの時間の愉しみ方、金の使い方、大人の男の遊び方など、「人生の中間点」でやらなければならないことを説く。人生これから面白くなる!

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