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法科大学院に入学しても司法試験予備校とのWスクールが必要

2004年08月07日

2003年施行の改正学校教育法により、専門性の高い職業人を育てることを目的にした「専門職大学院制度」がスタートしました。その先陣を切って開校したのが、法科大学院(日本版ロースクール)です。これに続いて、来年の4月には、会計専門職大学院(アカウンティングスクール)の開校が予定されています。

先日、この法科大学院の雲行きがどうも怪しそうだという内容の記事を投稿しました(法科大学院は司法試験に合格できなくても有意義な選択といえるか)。予想以上に法科大学院の学生のおかれた状況は厳しいようです。 8月6日の日経新聞朝刊38面に、関連記事が掲載されたのでご紹介します。

2007年ショック走る 法科大学院の現実

「法律の知識がなくても大丈夫という触れ込みだったのに。これでは話が違う」。今春会社を辞めて慶応の法科大学院に入った20歳代後半の女性は不安を募らせる。
大学は法学部ではなかったため法学未修者向けの3年コースに入ったが、クラスのほぼ半数は法学部卒か、司法試験の勉強をした経験者。教授や講師によっては彼らに合わせて授業を進めるため「初めて法律を学ぶグループはぽかんと口を開けている」ことも多い。
「このままだと進級さえできないかも。新制度はまじめに3年勉強すれば弁護士になれると言われたのに」といらだつ。

「学部での専門分野を問わず人材を広く受け入れ、社会人にも門戸を開放する」(司法制度改革審議会の意見書)という理念を掲げ、4月に一斉に開校した法科大学院。3年間の法学未修者コースと2年間の既修者コースが設けられたが、合格は簡単ではないとみた既修者は、3年間じっくり学ぶ道を選んだ。

学生が大学院当局を突きあげるケースも相次ぐ。ある国立大では5月末、未修者コースの学生が自主的に授業評価のアンケートを実施。「双方向の授業になっていない」「課題が一時期に集中しないよう教員間で調整すべきだ」など様々な声が集まり、学生代表が大学院長に要求を突きつけた。
教授の一人は言う。「会社を辞めてきた元社会人にとって、法曹資格を得られるかどうかは死活問題。これまでの学生とは切迫感が違う。」

早くも法科大学院を見切り、司法試験予備校に通う学生も出始めた。従来の司法試験では、合格するには法学部だけではとても無理と予備校にも通う「ダブルスクール」が常態化。それを解消するために誕生したのが法科大学院だったが、構想は既にほころび始めた。
私大の法科大学院に通う元会社員の男性(36歳)は7月下旬、大手予備校、Wセミナー(東京都新宿区)の「未修者」向け講座に通い始めた。大学院の学費と合わせ年間の出費は210万円だが、「ロースクールは体系的に教えてくれないし、授業のスピードが速すぎてついていけない」。

新司法試験が始まるのは2006年度だが、北海道大の池田清治教授は「実は2007年度が大きなカギを握る」と予想する。2006年度試験を受けるのは在学2年の既修コースの学生で、大学院入学前の蓄積が大きく影響する。しかし在学3年の未修者が受け始める2007年度の試験こそ、各法科大学院の成果が問われるからだ。

池田教授は「2007年に実績が残せなかった大学院は、翌年から優秀な学生が集まらなくなり、その後も実績を残せないという負の連鎖に陥る」と危ぐする。 金子元久・東大教授(高等教育論)は「これまで大学で教育成果が問題になることはまれだったが、法曹資格という目的のはっきりした法科大学院は違う」とみる。学生の多くが法曹家になれない場合、ロースクールの存在意義だけでなく、大学全体の教育力が疑問視されかねない。

「よそがつくるならうちも、と横並び意識で無理をした大学は厳しい結果になるだろう」(金子教授)。3年後に明らかになる各法科大学院の実績は、大学本体の生き残りのカギをも握る。

法科大学院に通うことにした学生の動機も、人それぞれでしょう。中には就職するのが嫌で、法科大学院に進んだ人間もいるようです(東大ブランドが「いつまでも」「どこでも」通用するわけではない)。しかし、大半の人は司法試験に絶対合格するとの強い意志をもって入学したはずです。当然、法科大学院に対する期待も大きかったことでしょう。

事前の期待が大きかっただけに、現状への落胆も大きくなります。この記事の中にも登場する36歳の方などは、10年以上勤めた会社を辞めてキャリアチェンジをしているわけで、それこそ人生の一大決心であったはずです。自己責任といえばそれまでですが、やはり同情を禁じえません。

しかし、この記事でとりあげたのも、所詮法科大学院の現実の一面を表すものでしかありません。実際の学生さんは、外野が想像するよりは、希望に燃えて充実した日々を送っているのかもしれません。目的意識をもって進路を選択した以上、わき目を振らずに初志貫徹に向け努力することも大事です。いずれにせよ、早い人では2年後に自分の努力の成果が問われることになりますので、頑張って欲しいと思います。なお、法科大学院の様子に関しては、学生さんが書いている ロースクール・ライフが詳しいようです。

あまり法科大学院の評判が芳しくないと、専門職大学院制度そのものにも影響が出るのではないでしょうか。来年度開校予定の会計専門職大学院(アカウンティングスクール)の応募状況も変わってくるのかもしれません。


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