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当代の人気コンサルタント大前研一と神田昌典が語る「コンサルタント思考」

2004年08月16日

現在のビジネスマンには、業種、職種を問わずに「コンサルタント思考」が求められるといわれています。それでは、「コンサルタント思考」は、具体的にどのような発想法と理解すればいいのでしょうか?「コンサルタント思考」には、体得するのに特別な秘訣があるのでしょうか? このような疑問に答えてくれる対談記事が、『THE 21』の9月号に掲載されました。対談者は、日本の経営戦略コンサルタントの草分けである大前研一氏と、近年実践的なマーケティング発想法が注目されている神田昌典氏です。以下に、この対談記事の一部を抜粋します。

THE 21 特別企画「大前研一の頭脳」に神田昌典が迫る!
いま話題のロジカルシンキングを仕事に活かすために、必要不可欠なチカラとは?
ビジネスマンよ「コンサルタント思考」をもて
THE 21 2004年9月号 P.27-31

(神田)コンサルティングの付加価値とは、答えがないところから答えを創造することにあるんですね。
(大前)そうだね。これは、日本の教育を受けたかぎりは絶対に身につかない。日本の教育は答えを教えて、答えを覚えさせようとする。でも、科学者が人の出した答えをなぞっても意味がないように、コンサルタントも答えが用意されていない世界なんだよね。すべての会社は、そのときどきにおいて、違う状況にあるのだから、答なんか初めからあるわけないのよ。

(神田)コンサルタント思考というと、多くの人はデータを集めて、正確な分析をすることだと誤解していると思います。しかし、分析だけだと経営者の行動に結びつく観点は与えられませんよね。
(大前)リサーチ会社がコンサルティングをやると、うまくいかないことが多い。リサーチとコンサルタントの基本的な違いは、リサーチにはデータベースと正確な分析が重要なこと。天気予報なんかはその典型だけど、あれはリサーチ会社がやるよね。「今日の雨の降る確率は10%です」とか、その精度を上げることを一生懸命にやっている。
コンサルタントはそうじゃなくて、「社長、今日は傘をもっていきなさい」と結論を出さなければいけない。「今日の雨の確率は10%以上です」とアドバイスしても、社長としては「それでオレはどうすればいいんだ」となる。
だからコンサルタントとは、「傘をもっていきなさい」のひと言がいえるか、いえないかなんだ。リサーチ会社的発想だと、そこがいえないし、日本人は概して苦手だよね。

(神田)お話をうかがっていると、コンサルタント思考では、分析するのが大切なのではなくて、分析の先にある先見力、構想力が重要だと痛感しました。ただ読者の方にとっては、「それは大前研一だからできるんだよ」と感じるかもしれません。先見力、構想力というのは、誰でも身に付けることができるものなのでしょうか。
(大前)できる、できる。まさにいま、僕が運営しているアタッカーズ・ビジネススクールという起業家学校で、それをやっている。
そこでは、考え方の道筋を教えていて、たとえば、「携帯電話はここまでの機能があるけど、双方向になったらこんなことができる....」というように、僕がものを考えていく道筋を生徒に伝えていく。つまり、僕の頭の動きに合わせて、みんなの頭も一緒に動いていく。これをずっと続けると、僕の考えなのに、みんな自分の頭で考えたような錯覚をもつわけ。そこで僕は立ち止まって、「あとは君たちで考えなさい」と親離れさせると、そこから先、自分で考えられるようになる。100%確実だと思うよ。
(神田)ということは、どんな人でも起業して成功するアイデアを生む学習法があるということですね。
(大前)あると思う。僕は科学者だったから、世界に例にないものをつくらなければいけないという訓練を受けた。その後、マッキンゼーに入った。そこでは破格のコンサルティング料を企業にいただいているから、「何かしら価値を生まないと追い出される」という脅迫観念の下で仕事をしてきた。そうした特殊な環境に置かれたことで、僕は能力を身に付けられたんだと思う。べつに自分が特殊な人間だったからではないんだよね。
(神田)いまの時代、多くの優秀なサラリーマンは、「成功したい」という強迫観念をもっていると思います。するとその気になれば、大前先生のように、コンサルタント思考を光付け易い環境にありますね。
(大前)いまなぜ、コンサルタント思考が必要かというと、21世紀は誰にとっても「答えがない時代」だから。20世紀は、欧米に追いつけ追い越せでやればよかった... つまり、答えがあったんだよ。だけど、いまは答えがない。だからこそ、答えのないものに対してテーラーメードする能力=コンサルティング思考が、あらゆる人に要求されているんだ。
そして、たとえ答えがなくても、自分がこれに違いないと思ったら、とにかく果敢に歩きはじめること。間違ったら素直に反省して、またやり直す。いまという時代は、誰にでもミステークは起こり得るから、むしろ、「間違ったって 恥ずかしくない」というぐらい開き直らなきゃダメだと思うね。

この記事を読む前は、私自身は両者の考え方には、共通点より相違点の方が多いのではないかと勝手に想像していました。大前氏の得意分野は大企業相手の戦略系コンサルティングで、神田氏は中小企業のマーケティング系コンサルティングと、活動フィールドにかなりの隔たりがあると感じていたからです。しかし、実際にこの対談を読み終わってみると、2人の間には本質的な違いはないことが理解できました。特に実践的なコンサルティング思考という点では、応用分野に関わりなく、思いは一緒です。

この記事の中にある、アタッカーズ・ビジネススクールは、マッキンゼー退社後の大前氏が1996年に創設した、起業家養成塾です。今年で9年目を迎え、すでに3000名の卒業生を送り出していることからも、ビジネス系の養成講座としては成功の部類に入るといってもいいでしょう。今では規模も拡大して、東京校、大阪校以外にも、通信科が加わりました。現在は、10月2日からスタートする18期生の入学を募集中です。いまや時の人となった、ライブドア社長の堀江貴文氏が講師に加わったことで、ますます人気を呼びそうな予感がします。なお、スクールのホームページでは、無料で自分のアントレプレナー度診断が受けられるので、これだけでも気軽に試してみる価値はあると思います。


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