周到なマーケティング戦略がもたらした発売直後の大ヒット「Good Luck」
2004年08月17日
発売1ヶ月で50万部の大ヒットとなっている『Good Luck(グッドラック)』は、読んだ人も多いのではないでしょうか。出版業界では10万部を超えれば、ベストセラーと呼ばれるそうなので、その勢いのすごさには驚かされるばかりです。内容は、中世の王国を舞台に展開する物語仕立ての自己啓発本の一種です。数年前に一斉をを風靡した『チーズはどこへ消えた?』と同系統の教訓本と考えた方が、イメージしやすいかもしれません。実は『Good Luck』の大ヒットは偶然の産物ではなく、その裏では出版社サイド(ポプラ社)が綿密なマーケティング戦略を練っていたからだそうです。そのマーケティング戦略の一端を、最新の『アエラ』からご紹介します。
多くの読者をつかんだのは、発行の8ヵ月前から全社を挙げ、入念に準備をした結果でもある。「粗訳の段階で読者100人、出版関係者200人に配り、読みやすい文章やメッセージの伝え方を徹底的にリサーチしました。社内でも編集、制作、営業でチームを組み、本の魅力がどうすればストレートに伝わるか、毎週、ミーティングを重ねたのです。」
Good Luckこれは不思議な本だ。 マーケティングの神様、フィリップ・コトラーは 「星の王子さまのようだ!」 と絶賛し、ビジネスマンは実践的なノウハウを学ぶために読み、 若者はくり返し読んで人生のバイブルにしたいという。 子どもは面白い物語として読み、親はわが子へ大切なことを 知ってもらうために読ませたいという。この本は読む人によって、 伝説にも、哲学書にも、ビジネス書にもなる。 現在、その力は世界中に伝播し、50か国、17言語での 出版が決まっている。
この意気込みは、装丁にも現れている。30種類ものデザインの違うカバーを制作し、内容を的確に表現しながら、店頭でインパクトのある装丁を模索したのだ。「この本には7つの秘密が隠されています。たとえば、カバーはリバーシブル。裏返すと、深い緑のカバーに。また、初版のうち10万部は、しおりを7色用意。どの秘密も読者に発見の喜びを感じてもらいたい、『私だけの本』という愛着を持って欲しいとの思いです。」
さらに発行前、代表取締役社長の坂井宏先氏は取次に足を運んでいる。1冊の単行本のために社長が営業するのは前代未聞だという。そんなポプラ社の熱意が徐々に取次や書店を動かす。当初、初版は5万部を予定していたが、予約注文が相次ぎ、最終的には12万部からスタートしたのだ。
若者を中心にした活字離れの問題が指摘される中でも、的確なマーケティングプランがあれば、単行本でもまだまだ成功の余地があることを示す実例です。 特にこの記事の中で注目すべきは、ポプラ社の社長自らが販売の第一線まで足を運んでいた点です。まさに全社一丸となった取り組みのおかげでもたらされた大成功と言ってもいいでしょう。
出版社のマーケティングといえば、その昔「読んでから見るか、見てから読むか」のキャッチコピーを流行らせたのが角川書店です。その角川出身の見城徹氏がつくった幻冬舎も、卓越したマーケティングでタレントがらみの文芸書を中心に、数々のヒット作を送り出してきました(最近の幻冬舎は大企業になりすぎたせいか、一時の勢いがなくなったと感じるのは私だけでしょうか)。
それでは現在のベストセラーは、出版社サイドの初版時の入れ込み具合で決まるのかというと、必ずしもそうならないところが面白いところです。今年前半の大ベストセラーになった、『世界の中心で、愛をさけぶ』の発売は、今から3年前の2001年です。もともと地味目の恋愛小説が、タレントの柴咲コウの「泣きながら一気に読んだ」という帯がつくと、一気にブレークしたわけです。こういうこともあるので諦めずに続けていると、いつの日か幸運が訪れるのかもしれません。私が細々と続けているメルマガも、誰か強力な推薦文を書いてくれないもんでしょうか....
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【本件に関係ある本】
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売れる仕組みこうすれば顧客は離れない服部 隆幸 (著)
売上を素因数分解することで、売上をコントロールすることが可能となる。事例をもとに、リレーションシップ・シナリオの作り方、マーケティング・コントロールを実現する顧客学習とグッドチョイス等、「売れる仕組み」を説く。
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「Good Luck」いきなり50万部 7つの秘密と戦略
