大商のPWA(プロジェクト・ワーク・アビリティ)検定試験の将来性は?
2004年08月20日
大阪商工会議所が、新しいビジネス資格をつくる計画を発表しました。8月19日付けの日経産業新聞3面の記事『仕事の企画・実行力、大商が検定試験――来年末に若手社員対象』をご紹介します。
大阪商工会議所は2005年末をめどに一般企業のビジネスマン向けに「仕事の企画・実行力」に関する検定試験を実施する。プロジェクトの企画力や推進手法、リスク管理に関する知識などを幅広く出題し、受験者の習熟度を評価する。将来は日本商工会議所などの認定を得て、簿記などと並ぶ全国規模の試験に育てる。
試験の名称は「PWA(プロジェクト・ワーク・アビリティ)検定」。当初は20代の若手社員向けで始め、段階的に上位級を設けて中堅・ベテラン社員も対象に加える。大商は試験導入に先立ち、今月から東京、大阪で受験希望者や研修担当者向けのセミナーを随時開く予定。
大商は「若手社員が新規事業を仕切るケースが最近増え、企業の間で社員の企画・実行力を客観的に確かめたいとの声が高まっている」(経済産業部)としている。
これだけではよく分からなかったので、大阪商工会議所(大商)のプレスリリースも調べました。
従来「仕事を仕切る人」といえば。多くのビジネス経験を積んだ社歴の長い社員、というイメージが強かったのですが、最近では入社間もない社員でさえ、限られた予算と期限の中で新規事業立案、イベント企画運営、自社ホームページのリニューアルなどの仕事が与えられ、その目的を達成するために外注業者、契約社員、アルバイトなど複数の人員をマネジメントする機会が増えています。そのため、若年層にも仕事を仕切る能力が要求されるようになりました。これは効率経営から発想される少数精鋭採用の影響を色濃く受けた多くの企業に共通してみられる現象といえます。
PWA検定は、こうした時代の要請に応えて、仕事の企画・計画・段取りなど、業種や企画規模に関わらず共通する業務推進能力を研修によって高めるとともに、その習熟度を検定によって確かめようというものです。
ここまで読んで、この検定試験の中身がやっと分かりました。狙いは検定資格によって、特定の能力にお墨付きを与えることよりも、むしろ試験のための研修を通じて若手社員のビジネス基礎知識の底上げを図ろうということにあるようです。これまでは、若手の教育はOJTという形で先輩社員が行っていました。各企業とも人員の削減が進み、中堅社員が若手社員の教育を行う余裕もなくなってしまったので、このような研修の必要が生まれてきたわけです。
したがって、自社で社員教育を実施する余裕のない中小企業の社員が、主な対象になるのでしょう。そうなると、検定に合格したからといって、履歴書に胸を張って書ける種類のものではありません。私もその昔、ビジネス英検(BEST)グレードAという検定資格に合格したのですが、マイナーすぎて履歴書に書けませんでした。
この資格に限らず、ビジネス系の新しい検定試験には、実際にどのように活用されているのかが、よく分からないものが多いように思います。たとえば、文部省認定のビジネス能力検定(B検)や、厚生労働省認定のビジネス・キャリア制度という検定制度も、その実態がよく分かりません。試しにインターネットで、ビジネス能力検定合格者の掲示板「「ビジネス能力検定」ってどうですか?!」を調べると、全然盛り上がっていません。会社に無理やり受験させられたみたいで、受験者本人の意欲というものもあまり感じられません。
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