知財立国ジャパンでは一般ビジネスマンも基礎的な法務知識が求められる
2004年08月26日
知的財産権に関するニュースを、毎日のように耳にする機会が増えてきました。記憶に新しいところでは、プラズマ・ディスプレイの基本特許侵害で富士通が韓国のサムソンを訴えました。また、青色発光ダイオードの中村修二教授の発明特許報酬を巡る裁判も、企業側の知財に対する意識を改めさせる結果になりました。これらの事件の背景には、国際競争力を維持するために、知財立国の確立を目指す日本政府の政策的意図があります。今週発売の週刊東洋経済でも13ページわたって、日本企業の知財戦略に関する特集記事が組まれています。
こうした官民をあげての積極的な取り組みのおかげで、日本の国際特許出願件数も大幅に増加する傾向にあります。以下は、8月24日付けの日経産業新聞3面の記事『WIPO2003年版ランキング――特許の国際出願で3位、松下、量的拡大戦略奏功』です。
世界知的所有権機関(WIPO)による国際出願件数の2003年版企業ランキング(確定値)では、大手電機メーカーをはじめとする日本勢が上位に入った。松下電器産業(3位)とソニー(5位)のように上位5社に複数の日本企業が入ったのは初めて。企業活動のグローバル化に伴い日本メーカーの国際出願意欲が高まっていることを示している。
このうち、前年の6位から5位に順位を上げたソニーは、「FTA(自由貿易協定)を結ぶ動きが世界的に活発化している。出願した後、実際に特許を取得する国を決められる国際出願制度の利点は大きい」と見ている。世界各国が築く“経済圏”の動向を眺めながら、自社に有利な特許戦略を進めていく作戦だ。 実際、2001年から2003年までソニーの特許出願は毎年1500件程度だったが、このうち国際出願が急増。国際出願件数は2002年には前年の約400件から倍増、2003年も822件に増えている。
こういった具体的な数字を見せられると、今後は知財関係の業務が日本企業で重要視されそうなことが実感できます。そこで、注目したいのが「知的財産検定」という試験です。これは、知的財産教育協会が、一般企業の知的財産部門などに所属する実務経験者を対象にして、特許分野の課題解決能力を評価するために行う検定試験です。試験では、「国内出願」「外国出願」「契約・係争」「自社の知財戦略策定」などの業務のスキルが問われます。今年スタートしたばかりの検定ですが、3月の試験では1220人、6月には1428人が、既に受験しています。
日本全体が知財立国への道を歩んでいくことは確実です。今後は専門分野を問わずに、知財関連の知識がビジネスマンの基礎知識として必要されてくることも考えられます。ビジネスマンの一般教養として、検定試験の勉強を考えみるのはいかがでしょうか。 検定試験は人気が出て、社会的な認知が得られるようになると、試験内容が難しくなるものです。そう考えると、今のうちに検定に合格しておくのも、賢い選択といえるのではないでしょうか。
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【本件に関係した本】
知的財産検定2級公認ガイドブック法学書院編集部 (編集) 知的財産教育協会
第1章 知的財産検定とは/知的財産教育協会とは
第2章 検定要綱
第3章 出題範囲詳細
第4章 過去問題と解答解説
第5章 学習法と学習のポイント
第6章 模擬問題と解答解説
第7章 検定結果データ
第8章 実施要綱
知的財産マネジメント―戦略と組織構造永田 晃也 (著)
知的財産マネジメントの機能は、単に知識の権利化と権利行使に関わるだけではない。それが経営改革の一環として機能するために、どのような戦略や組織構造が採られるべきかを解説。特許ゲームを超えた道を模索する。
知的財産―基礎と活用佐伯 とも子 (著), 田中 義敏 (著), 京本 直樹 (著)
「知的財産」とは何か、「知的財産」を「知的財産権」という権利にするための制度はどうなっているのか、そのような「知的財産」をいかに戦略的に取得、保護、活用すべきかという「知的財産マネージメント」等について解説。
図解でわかるデジタルコンテンツと知的財産権黒田法律事務所 (著) 黒田特許事務所 (著)
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