ひさびさの転職マーケットの回復にヘッドハンターが警鐘を鳴らす
2004年08月30日
好調な業績を受けて、日本企業の中途採用の意欲が高まっています。転職希望者の中には、何年ぶりかの待ちに待った「売り手市場」の回復を期待するむきもいるようです。その辺の事情を、2004年8月28日の日経新聞朝刊5面『月失業率、半年ぶり上昇――「転職希望→短期失業」広がる』から紹介します。
7月の完全失業率は4.9%と6カ月ぶりに悪化した。景気回復下で失業者数を押し上げる主因になったのが「転職」だ。仕事を変わるための「自発的失業」が増え、新たな職が見つかるまでの「短期失業」の割合が高まっている。
短期失業者の中心は転職を求める30歳前後の男性とみられている。7月に新たに自発的に仕事をやめた107万人のうち、25~34歳の男性は約25万人で前年比6万人増えた。在職中の新規求職者も7月は2.0%増えるなど増加傾向が続いており、「景気回復を見込んだ転職希望者は今後も増加が予想される」(厚労省)。
このような転職マーケットの回復を受けて、転職紹介業界関係者も久々に活気づいてきました。転職関係の書籍も書店の店頭に増えはじめました。普通はこの機会を逃さないようにと、希望者に対して熱心に転職を勧めるのが、ヘッドハンターというものです。しかし、著名なヘッドハンターの縄文アソシエイツ・古田英明氏は、近著の中で安易な転職を強く戒めています。
「もうこの会社やめたい」と思ったとき読む本古田 英明 (著), 縄文アソシエイツ (著)
どんな職業を選び、そこでどういう仕事をするかということは、自分の生き方と密接に関係してきます。そして同じ働いていくのならば、「本物の人生」と出会うための仕事をしてほしい。本書では「本当の幸福が感じられる仕事に向かうためのヒント」をできるだけたくさん紹介している。
本書の帯には、「30歳未満の転職は厳禁」とあります。古田氏は、特に若者がコア・スキルを身につけないうちに、企業のブランドや年収だけにつられて転職することに強く反対しています。安易な転職が続くと、将来ヘッドハントしたくなるような人材がいなくなっていまうと、現状を危惧しています。古田氏自身が日々の転職希望者とのインタビューを通じて、人材の質が低下していることを強く感じるようになっため、警鐘を鳴らすべく本著を著したそうです。また、氏は企業内教育を荒廃させる成果主義に対しても、「親と敵」と呼ぶほど否定的で、日本的経営に戻ることが急務と主張しています。
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【本件に関係した本】
「転職」を考え始めたら読む本 鶴野 充茂 (著)本書は転職者の視点、転職紹介の視点、求人の視点という複数の立場から「転職」を見てきた筆者によるミスマッチのない「転職」を成功させる本。筆者は、人事の専門家でもヘッドハンターでもない、コミュニケーションの専門家。「伝える」仕事をする人達の業界ネットワークを主宰して5年目で、毎月交流会やセミナーを開催し、会員が700人以上いる業界コミュニティを運営。本書はその実体験に即して、求職者の迷いや悩みを踏まえた、自分のやりたい仕事の情報を見つけてから実際につかむまでの、具体的で実践的な転職プロジェクトの指南書。
もーイヤだ、こんな会社辞めてやる!―今の仕事がつくづくイヤになった時に読む本
山崎 修 (著)
この本で、あなたの進むべき道が見えてきます 「開業マガジン」の編集長・発行人の著者が、これまでの取材や講演、さまざまなビジネスの質問に答えてきた、実績と成果が具体的なアドバイスでまとまっています。 開業をはじめ、仕事や就職・転職に悩んだとき、この本には明確な思考法と具体的な行動が示されています。
グッドキャリア―キャリアがブランドになる時山本 直人 (著)
「勝つだけのキャリア」から「いいキャリア」、そして幸せな暮らしを考えたい人必読。「自己分析」と「市場価値」の落とし穴にはまらない、自分の未来が見えてくるキャリア論。
キャリアの教科書佐々木 直彦 (著)
エンプロイアビリティとは「雇われる力」。いざというときは「自分を雇う力」になる。人生をひらく5つの質問に答えを出し、生きる力を磨く3つのワークを実践すれば、必ずエンプロイアビリティが磨かれる。
スローキャリア高橋 俊介 (著)
キャリアにはアップもダウンもありはしない。「幸せなキャリア」づくりがあるだけだ! キャリアアップ自体に価値を置かない「スローキャリア」という考え方を提唱。月刊誌『THE21』連載の内容を大幅に拡充し、単行本化。
大好きなことを「仕事」にしよう中村 修二 (著)
どうやったら、自分にふさわしい仕事を見つけることができるのでしょうか? どうやったら、楽しく仕事ができるのでしょうか? 「青色発光ダイオード」を発明した著者の経験から、やりがいある「仕事」の見つけかたを紹介。

