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電子メール量の増大に歯止めをかけるには、企業独自のルール設定が必要

2004年09月12日

毎日電子メールの多さに嘆いてる人も多いのではないでしょうか。私もビジネス用、プライベート用をあわせれば、毎日100通を超えるメールを受け取ることになり、その処理に結構の時間をとられてしまいます。どんなにフィルタリングしても、スパムメールや未承諾広告の類は、いっこうに減る兆しがありません。このような状況を改善すべく、シリコンバレーのマーケティング担当副社長が快挙に打って出ました。情報源は『大量過ぎて仕事の邪魔? 電子メールが消える日』(日経ビジネス2004年9月13日号 p.172-3)です。

戦争や病気のない世界を夢見る人がいるが、ジュレミー・バートン氏は電子メールのない世界を夢見ている。そこでバートン氏は、たいていの人が夢見るだけに終わることを実行に移した。彼の部署では毎週金曜日を電子メール禁止日にしたのだ。2ヶ月前、バートン氏が240人の部下に出した指示は、「金曜日に同じ部署の同僚に連絡する場合、内線電話を使うか直接話すこと」というもの。違反者に罰金まで科した。「電子メールは本来、生産性を高める手段のはずなのに、今や制御不能になりつつある」とバートン氏は言う。

バートン氏は毎週1回の電子メールの使用禁止は成功しているとし、今後も無期限で続けるという。最近ではバートン氏の受信トレーにある電子メールの件数は半減したし、より迅速に仕事ができるようになっている。さらに、今まで電子メールのプリントアウトに場所を取られ雑然としていたオフィスもすっきりした。

利点はほかにもある。アートディレクターのジェフ・レンナッカー氏によると、相手と直接話すようになったため、言葉足らずな電子メールによって引き起こされる混乱や曖昧さが解消され、その結果、プロジェクトの進捗が迅速になったという。

電子メールが普及する以前の、組織論では1人のマネージャーが直接管理できる部下の範囲(Span of Control)は、一桁が限界であると言われていました。大企業でこの原則に従おうとすると、中間管理職が増え、組織構造もピラミッド型の階層構造(Hierarchical)にならざるをえません。このような組織構造では、間接部門が肥大化し、コミュニケーションにも時間がかかり、迅速な意思決定が取れずに、組織全体としては非効率になることは、当然でしょう。したがって、今では階層型組織は完全に否定されています。

それに代わるものとして、現在では中間管理職の数を最小限に抑えた、フラットな組織構造が欧米企業を中心に採用されています。フラットな組織構造はモデルとしては、理想的なのですが、部下への権限委譲(Delegation, Empowerment)が十分に実施されないと、少数のマネージャが管理すべき業務量が多くなってしまいます。マネージャーが処理すべき情報量の増大に拍車をかけるのが、電子メールです。また、マトリックス型の組織構造をとっていたりすると、その分受け取るメール量は増えることになります。

部下の立場からすれば、逐一口頭で報告する時間が取れない場合でも、電子メールでなら報告しておこうという気持ちになります。本来自分で判断して進めればいいものまでも、メールがあるので、かえって相談したりすることになったりします。 マネージャーにしても、これまでは口頭や電話で直接説明する必要があったものを、電子メールを使えば同じ労力で複数の部下(n 人)に命令を出すことできるようになって、時間の節約になります。一見、部下数だけ必要な n 回分の1対1のコミュニケーションが一片に片付いたように見えます。しかし、自分のメールに対する回答は、やはり n 人分送られてきます。報告を受ける側としてのマネージャーの負担はあまり軽減されないのではないでしょうか。電子メールの普及により、直接報告を受ける人間が増える傾向にあります。しかし、人間の能力は昔に比べて飛躍的に向上しているわけでないので、実際には形式的に管理する人間が増えただけなのではないでしょうか。

結局ビジネス・メールには、その組織内独自のルールを作る事が必要なのだと思います。私の場合は、指示内容が分かったら「了解しました」的な返答は不要とか、本文一行目に自分に対する呼びかけがない場合は、直接回答を求める内容とはみなさいので回答はしないなどの、ルールを決めています。ビジネスの環境では、ルールさえ周知徹底できれば、ある程度の効率化は図れます。問題となるのは、プライベートのメールの場合です。元々ビジネスの場合のように、共通のルールを設定する基盤がないのですから、勝手にこちらの作ったルールを押し付けることもできません。やはり何らかの明文化されたルールがあると、ありがたいと思います。


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メール道 メール道
久米 信行 (著)
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コメント

 確証はありませんが、読む速度は聞く速度より遅いようです。となると、報告を受ける上司の側からすれば、簡単な報告なら話してもらった方がよいということになります。
 しかし、報告する方からすれば、今までまとめて上司に報告していたのを、メールなら逐一かつ逐次報告してしまうでしょう。上司にはいつ会えるか分からないし、なおかつさまざまな情報をまとめるという作業が必要なので、今の状況をできるだけ詳細に送ってしまえと言うことになりそうです。さらに、細かい情報でも上司が知らないと、後からなぜ報告しなかったと攻められるおそれがあれば、すべて報告するほうが安全でしょう。口頭なら聞いていないでごまかされる場合でも、メールなら送ってあります。ここに書いてありますと言えるからです。証拠になりますから。情報洪水が起こりますね。

 またエンパワーメントすれば情報洪水がよりひどくなりそうです。今まで、管理者などが情報のハブとして機能していたのが、それがなくなることによって、ピアツウピアの情報交換が増え、n*(n-1)という情報ルートが形成され、そして、CCが多用されれば、情報の大洪水になるのは決まっていますね。

メールでの業務報告の難しい点は、重要な情報をメールで
伝達することにより、責任があたかも送り手から受け手に
転嫁されてしまった(ちゃんと報告したのに読まない方が
悪い)ように考えられるところではないでしょうか。

内容が重要であれば、受け手が内容を理解したかどうかも
確認しないと、本来はコミュニケーションが完結できた
ことにはならないはずです。

そう考えて、今度はメールを読んだかどうかの確認の
メールを送ったりすると、またメール量が増えて、
ますます読まれなくなるという、負のスパイラルに陥る
ことになります。

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