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ビジネスとしての黒字化が難しいプロ野球への参入は、あえて広告活動と割り切る

2004年09月21日

日本プロ野球史上初のストライキ突入を受けて、今週発売されたビジネス雑誌でも、プロ野球ビジネスの構造を分析する特集記事が多く見られます。基本的には、球団数を現状より減らす縮小均衡型の解決策は、プロ野球ビジネスそのもののダイナミズムを失わせることは自明でしょう。関係者であれば、当然拡大均衡を目指すべきです。長期的には、新規参入条件の緩和、テレビ放映権の分配のあり方など、ビジネスモデルの抜本的な見直しは避けて通れません。しかし、現在の進行状況を見る限り、これらの改善には意外と時間がかかりそうです。そんな悠長なことを言ってられるような事態ではないことも明らかです。したがって、短期的は2005年度シーズン開幕に間に合うように、新球団の設立が必要でしょう。そこで、現状の枠組みの中でどのような企業であれば、新規参入がすみやかに認められやすいかを考えてみました。

今週の日経ビジネス『プロ野球は死んだのか』では、近鉄本社が球団の譲渡先として関西圏の大手企業、関西電力、大阪ガス、松下電器の3社に話を持ちかけたところ、すべてに拒否されたことが明らかにされています。一方、AERA『新規算入戦10倍楽しむ』では、新規参入の可能性のありそうな企業に直接取材した結果が載っています。

AERA20040927AERA 2004年9月27日号
p.23-5
球団経営に名乗りを上げる企業続々
新規参入戦10倍楽しむ

  • ライブドア 9月中に新球団の設立申請
  • 楽天 参入を検討
  • シダックス 今すぐ参入することは考えていない
  • 京セラ 参入はありません
  • アコム 球団経営は考えていません
  • サントリー 米マイナー球団を持ったことはありますが、参入する考えはない
  • 佐川急便 今のところそういう話は一切ない
  • NTT東日本 現時点では検討はしておりません
  • キーエンス 全くありえないです
  • 松下電器産業 全くございません。聞いたこともない
  • NTT西日本 検討したことはありません
  • JT 検討したことはありません
  • 積水ハウス 全くない。ありえない話。
  • 野村証券 現時点で考えておりません
  • 日本生命 検討課題にのぼったことすらない
  • 大阪ガス そういう話は一切ない

具体的に参入の意思表明をしているライブドア、楽天以外は、みな一様ににべもない否定的な返事です。純粋に興業収入、放映権料、関連グッズの販売収入などだけで判断すれば妙味のないビジネスなので、各社とも二の足を踏んでいるのでしょう。原則としては、これらの収益で収支均衡すべきでしょうが、当分は無理でしょう。やはりプロ野球球団を持つことは、広告活動の一部であり、ある程度の赤字はやむなし、という昔ながらの発想に立ち戻ってみることにします。そこで広告宣伝費の余力がありそうな会社を調べてみました。情報源は、9月21日付け日経新聞11面『2003年度広告宣伝費上位20社』です。

  1. トヨタ自動車 949.6億円
  2. 松下電器産業 668.0
  3. ホンダ 592.9
  4. 花王 588.5
  5. KDDI 550.1
  6. 日産自動車 430.6
  7. サントリー 333.6
  8. アサヒビール 312.4
  9. ベネッセ 307.2
  10. 高島屋 302.1
  11. スズキ 301.3
  12. キリンビール 300.3
  13. イトーヨーカ堂 298.9
  14. シャープ 293.0
  15. キャノン 292.5
  16. イオン 289.7
  17. 富士重工業 271.1
  18. マツダ 235.8
  19. 三越 229.5
  20. セブンイレブン 228.7

単純に資金余力があるだけでは、現オーナーより「球団を保有するにふさわしくない」と文句をつけられる可能性もあります。この曖昧とも言える基準をクリアーできるように、今度は企業規模上位20社を調べます。情報源は、9月21日付け日経新聞13面『日経優良企業ランキング』の中の規模ベースのランキングです。

  1. トヨタ
  2. NTT
  3. 松下
  4. 日立
  5. ソニー
  6. ホンダ
  7. 三菱商事
  8. 伊藤忠
  9. 日産自動車
  10. 東京電力
  11. 東芝
  12. キャノン
  13. NEC
  14. 三菱電機
  15. 富士通
  16. デンソー
  17. 富士写真
  18. JT
  19. 三菱重工
  20. NTTドコモ
  21. ブリジストン
  22. JR東日本
  23. 丸紅

以上の結果をまとめて、広告宣伝費枠が大きくて、事業規模も大きな企業を選ぶと、下記のようなものになります。

  • トヨタ
  • 松下
  • ホンダ
  • 日産自動車
  • サントリー
  • アサヒビール
  • キリンビール
  • イトーヨーカ堂
  • イオン
  • シャープ
  • 富士写真

最有力候補は、トヨタ、松下、ホンダ、日産あたりだと思います。トヨタ、松下、日産は、既にJリーグのチームを持っているので、プロ野球はいらないと考えるかもしれません。しかし、元々Jリーグのオーナーになったのは、プロ野球チームの空き枠がなかったという事情からかもしれません。したがって、真剣に検討するように働きかけてもいいのではないでしょうか。

ビール会社のテレビCMは、現在放映時間が制限されています。これを思い切って11時以前のCMを禁止するように変更したらどうでしょうか。そうすれば、各社とも争ってプロ野球球団を保有しようと考えるはずです。ビール各社はプロ野球球団のユニフォームでしか、プライムタイムには存在感をアピールすることができなくなるからです。テレビCMの分の広告宣伝費を球団運営に廻すことも可能でしょう。

イトーヨーカ堂は、無駄な広告費を出費しない企業体質なので、まず可能性は低いと予想します。狙うのであれば、ヨーカ堂とスーパー業界の盟主の座を争っているイオンの方でしょう。プロ野球の旧態依然とした体質改革には、ニューリーダーの参入が必要とか何とか民主党の岡田さんをたきつけて、親父さんの会社を動かす作戦はどうでしょうか。


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