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ダビデのライブドアには弱者の戦略、ゴリアテの楽天には強者の戦略が相応しい

2004年09月27日

この週末は、ライブドアの堀江貴文社長と楽天の三木谷浩史社長の話でマスメディアも持ちきりでした。両社の提案は今後1ヶ月間をかけて、日本プロ野球機構で評価されることになります。仙台市民の大半は、先に手をあげたライブドアを好感しているようです。十分に財界首脳に根回した後で正式提案を行った楽天側のやり方は、なんらルール違反にはあたらず、ビジネス戦略的には正しい選択です。出遅れを取り戻すには、提案内容にライブドアより優れたものを盛り込もうと考えるのは当然の発想ですから。寝首をかかれた格好になった堀江社長が、両者の直接会談を申し出たのに対して、三木谷社長はあまり真剣に取り合おうという素振りを見せていません。また、テレビインタビューでの三木谷社長の発言には、ベンチャー企業の社長というよりも、エリート興銀マンを髣髴とさせる如才なさが目立ちます。PR的には、三木谷社長のやり方はマイナスでしょう。

楽天側の提案の中の最大の強みは、著名財界人が名を連ねる経営諮問委員会を組織する点にあります。この目的は、球団経営の透明性を確保するためと謳ってはいますが、実のところは企業としての楽天の信頼性の高さを強調するものでしょう。しかし、よくよくメンバー構成を見ると、日本経団連と経済同友会の会員ばかりで、地元である東北関連企業の名前は一つもありません。もし、新設される球団がJリーグのように地域密着型の発展を目指すのであれば、あまり意味のある人選には思えません。むしろ、楽天という東京の金持ち企業が落下傘で仙台にやってくるという、イヤらしい印象を受ける人もいるのではないでしょうか。

ライブドアとしては、この経営諮問委員会の陣容に垣間見える中央集権型の構造を、逆手にとって攻めるべきでしょう。基本スタンスは、弱者の戦略です。具体的には、「楽天=中央集権守旧派」「ライブドア=地方分権革新派」という図式をアピールして反攻に出る作戦が有効なのではないでしょうか。ダビデ対ゴリアテの戦いを印象付けることに成功すれば、判官びいきも期待できます。幸いにして仙台市民の多くは、ライブドアの方に好感をもっています。とりあえず仙台市の人口100万人の10分の1程度を目標に、街頭署名運動を展開するのもいいでしょう。

もし、ライブドアが草の根型の作戦に転じた場合、楽天側はどう対抗すべきでしょうか。強者の戦略を選択した以上、何もしないことです。マスコミからの問い合わせにも、「すべてはプロ野球機構側が判断されることです」といった木で鼻をくくったような対応で十分です。 強者は、あわてずにどっしりと構えていればいいだけです。強者は、相手の存在を徹底的に無視して、向こうの土俵で戦うことは避けなければなりません。下手に動くと、かえって失敗することになります。

その昔、万年2番手に甘んじていたペプシコーラが、コカコーラに対抗すべく、「ペプシチャレンジ」というキャンペーンを展開したことがあります。これは街頭で両者の製品のブランドを隠した試飲テストを行って、大多数の消費者がおいしいと選んだのがペプシであったことをデモンストレーションするものでした。このキャンペーンそのものには、コカコーラ側は黙殺する強者の態度を貫いていました。しかし、実際には危機感を抱いた経営陣は、長年にわたって親しまれてきたコカコーラの成分配合を変更することを決定したのです。こうして発売されたニューコークは、ロイヤリティの高い消費者から大反発を招くという失態となりました。

結局、ライブドア側が市民感情を味方につけた戦略に打って出ても、最終決定権を持っているのは日本プロ野球機構です。機構側が選ぶのは企業基盤に安心感のある楽天でしょう。楽天は何もせずに高みの見物を決め込んでいる方が安全なはずです。完全にエスタブリシュメント風の印象が強くなり過ぎてしまったた三木谷社長も、いまさらTシャツなんかを着て見せたりする必要はありません。一方、いまや攻めるしかなくなったライブドアには、最後までジタバタすることを希望します。堀江社長も当分の間は東京に戻らずに、仙台方面を地方行脚する覚悟も必要でしょう。そして、毎日ニュースネタを提供してください。三木谷社長の方は面白い話もできる立場にないので、マスコミを独占しましょう。


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コメント

いつも勉強になります。有難う御座います。

1 仰る様にライブドアも仙台の地元企業のトップ、オーナーをブレインに巻き込めばいい感じだと思いますが、成り上がり系の堀江氏にその発想は無いでしょう。

2 入札コンペではなく、プロ野球機構側がすべてを決めます。
安定感のある楽天に軍配ですかね。

3 ただライブドアに決定しても、その後いろいろ問題が生じると思います。あの会社の今までの経緯を見ればトラブルは避けられません。堀江氏に人間的な成長が求められますが、10年後もどうかなとは思います。

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