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デルに引き続きレックスマークが日本のプリンター市場に本格参戦

2004年09月29日

日本市場で予想以上の健闘を見せている、デルに引き続き(デル・プリンタ市場参入は予想を上回る滑り出し)、今度はレックスマークが、日本市場への本格的な参入計画を発表しました。情報源は、『デルに続け!――米レックスマーク、日本に本格攻勢』(日経産業新聞 2004年9月28日 32面)です。

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1991年に米IBMから独立した米プリンター専業大手のレックスマークが日本市場攻略に本腰を入れ始めた。28日のセイコーエプソンとキヤノンの新製品発表会に先駆け、日本向け商品を初めて発表。低価格を前面に押し出した顧客志向の販売戦略で米国市場では米ヒューレット・パッカード(HP)に次ぐ第二位のシェアを握る。「プリンターのデル」とも称される同社は難攻不落の日本市場を攻略できるのか。

米国市場では自社ブランドで20%弱、OEM(相手先ブランドによる生産)供給先のデルを含めれば30%強ものシェアを持つ。成功の秘密は顧客の視線に徹した開発・マーケティング戦略にある。顧客が製品に何を求めるかを徹底的に分析、余分な機能を省くことで競合製品より2~3割安い価格を実現した。

ただ、デルとの違いも少なくない。一つは生産手法。自社生産にこだわりを持つデルに対し、レックスマークは中核部品のヘッド付きカートリッジこそ自社で生産するものの、プリンター本体は船井電機に外注している。キヤノン幹部は「プリンターはパソコンと異なり、単純な組み立て産業ではない」と指摘する。もう一つは販売戦略。ネットによる販売で顧客と直結する手法を確立したデルに対し、レックスマークは米ではウォルマート、日本ではビックカメラなどの量販店でも販売、OEM供給も多い。調査会社、ガートナージャパン(東京・目黒)の三谷智子主席アナリストは「日本市場は商品性能よりもタレントなどを使った宣伝の方が効果がある」と指摘。IDCジャパンの坂田信之シニアマーケットアナリストも「とにかく名前を知ってもらわなければだめ」と話す。

とはいえデルも「日本であの手法は通用しない」と言われながら、日本市場で三位にまで浮上した。レックスマークがそれに続くことができるのか。最大のポイントは日本の顧客にどれだけ近づけるかにありそうだ。

アマゾンの製品評にも表れているように、レックスマーク社製品のこれまでの日本での評判には、芳しいものがありません。しかし、今回の日本市場への本格攻勢に合わせて、製品ラインナップも一新しています。例えば、日本の家庭ではプリンターがパソコンの上の棚に置かれる状況を考慮して、操作パネルも前面にデザイン変更しました。今回投入される新製品に関しては、流通段階の事前評価も概ね好評のようです。同社製品を販売してきたジャパネットたかたの高田明社長も「日本人のニーズにマッチした商品だ」と、高く評価しています。

前回の記事では、製品開発でのグローバル化が進んでいることを触れました(バーチャルキーボードを題材に機能性とデザインがマッチした製品開発を考える)。 レックスマークのプリンターも、本体は日本の船井電機に製造委託していることが、明らかにされています。日本企業の厳密な品質管理手法が生かされれば、完成品の品質にも向上が期待できるのではないでしょうか。

日経産業新聞の中にあるアナリストのコメントでは、タレントを使ったイメージ戦略の重要性が指摘されています。しかし、私自身はこのマーケット環境は、徐々に変わりつつあると考えています。確かに昔は、パソコンのマーケティング戦略も、中山美穂や長嶋茂雄、香取慎吾などの大物タレントを起用して、イメージ型の訴求が主流であった時代もありました。現在ではタレントを使ったパソコンのTV CMは、富士通の木村拓哉だけになっています。これは、パソコンも一般家庭への普及が進んだ結果、もはやコモディティとなった影響でしょう。そうなった場合の有効なマーケティング戦略は、価格や機能をシンプルに訴求することです。

近い将来、プリンターにも同様な現象として、イメージ型のマーケティング戦略からの脱却が起きることは間違いないでしょう。TV CMを一切打たないデルのプリンターが、好調に売上を伸ばしているのは、このような環境変化を先取りする動きと見ることもできます。現在ほぼ寡占状態に近い、エプソンやキャノンの国産メーカーの足元も、イメージ戦略だけに頼り切っていては、必ずしも磐石ではないはずです。また、製品が成熟化すると、当然ながらセグメンテーションが起こります。そうなると、機能が限定されていても故障が少なく、低価格の商品を求める顧客層は必ず顕在化してきます。レックスマークも、この路線でのブランドを確立することができれば、一定のマーケットシェアを奪うことは可能になると予想します。


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