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デルのプリンタ戦略「PC購入者に無料提供キャンペーン」はどう解釈すべきか?

2004年10月22日

私が個人的に注目しているのが、デル・プリンタのマーケティング戦略です。最大需要期の年末商戦に向けて、また動きがありました。情報源は、『プリンター無料で差し上げます――パソコン購入者に、デル、来月から』(2004年10月22日 日本経済新聞朝刊 31面)です。

米デルの日本法人は11月から、パソコンを買った顧客にプリンターを無料でプレゼントするサービスを行う。年末商戦に向けて大規模な販促を実施し、企業向けパソコンに比べシェアが小さい個人向けをテコ入れするほか、6月に国内販売したばかりのプリンターの消費者への浸透を狙う。個人向けのパソコンを買うと、1万円弱のインクジェットプリンターを無料でつける。4,980円を支払うと、コピーやスキャナーの機能も付いた1万円強の複合機に代えることができる。インターネット直販などで12月まで行う。

デルのパソコンの国内販売は法人向け中心で、調査会社などによると個人向けの販売台数は月数万台とみられる。プリンター販売は日本ではまだこれからの状況だ

まず、デルがプリンタ市場に参入することを発表した時に、私が投稿した記事を振り返って見ます( デル・プリンタ市場参入の業界インパクトはゼロ?)。

結論からいえば、デルのプリンタはほとんど売れずに、マーケットに対するインパクトも限定的なものに終わるのではないでしょうか。
もし、年末あたりにパソコン本体とプリンタとの格安セット販売を展開すれば、何とかなる程度の認識であれば、世界のデルブランドが泣きます。

最初は極めて、否定的な内容で書きました。今考えると、我ながらずいぶん失礼なことを書いてしまったものです。この後、日経ビジネスの記事『デルのプリンター、CMなしでも好ダッシュ』を読んで、意外と販売が好調そうなことに驚いて、次の投稿をしました(デル・プリンタ市場参入は予想を上回る滑り出し)。

以前、デルのプリンタ市場参入に関して否定的なコメントを書いてしました。ところがどっこい、予想以上に売れているそうです。どうやら、世界のデルの卓越したマーケティング戦略を見くびっていたようです。深く反省したいと思います。デルの考えるダイレクトモデルによるローコスト・オペレーションが、プリンターのマーケティング戦略でも、十分に実現されていることが理解できます。その分、製品価格も廉価に設定できるので、コスト・パフォーマンスを第一に考えるデル・ユーザのニーズにマッチしたわけでしょう。女性タレントを起用したテレビCMでのイメージ戦略中心の日本メーカーも、うかうかしていると、足元をすくわれることになるのかもしれません。

恥ずかしながら、簡単に前言を翻してしまったわけですが、正直にいって今回の日経新聞の記事をどう理解すればよいのか、悩んでしまいました。大まかにいって、2つの解釈が可能でしょう。

1)プリンタが売れなかったので、PC本体の販促ツールとして活用する
2)売れ行きが心配なのはPC本体の方で、そのためにプリンタを販促ツールとして投入する

この記事だけでは、どちらの説明が正しいのか、両方とも当てはまるのか、結論づけることはできません。ただし、確実に言えることは、「デルがプリンタのメインターゲットは、デルPCのユーザ」と考えていることです。プリンタだけを他社PCのユーザにまで販売したいという姿勢は見られません。これはデル・ユーザの囲い込み戦略の一環であり、廉価なプリンタ単体のユーザが増えても、サポート・コストを考えるとペイしないという発想なのかもしれません。

もう1つ興味をひかれたのは、インクジェットプリンタは完全無料なのに、複合機になると4,980円の追加費用が必要になるという点です。何となく、後者の方が前者より商品競争力が高いということを感じさせます。しかし、デルのサイトでは来月開始予定のキャンペーンの内容が正式には公開されていないので、正確なところはわかりません。

なお、今回のキャンペーンでついてくる無料プリンタは、Dell 922で、オンラインでの販売価格は、9,980円です。したがって、約1万円分のPC本体価格の値引きと解釈することができます。そう考えると、結構お徳感のあるキャンペーンです。

問題になるのは、プリンターが欲しくない人の場合です。そういう人は、ヤフオクに出品することになるでしょう。年末にかけて出品数の増えそうな Dell 922 の価格がどのように推移するかをウォッチしてみるのも、面白いと思います。


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コメント

11月以降のヤフオク、デルのプリンターに注目ですね。

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