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ブランド力が大幅アップして「負けるが勝ち」のライブドアも材料出尽くし?

2004年11月04日

注目の仙台の新球団には楽天が選ばれました。下馬評通り楽天の勝ちでライブドアが負けという結果で終わったわけですが、実は今回の騒動で得をしたのはライブドアの方ではなかったのかという話をご紹介します。情報源は、『球界参入に落選、ライブドア負けるが勝ち?――初期投資せず知名度向上』(日経産業新聞 2004年11月4日号 3面)です。

落選が決まり悔しさをにじませた堀江社長だが、胸中ではどんな計算をしていたのだろう。9月上旬、楽天がプロ野球参入に名乗りを上げる前、ライブドアの幹部と「ここらでフェードアウトしようか」「ある程度成果はあったしね」とプロ野球参入を断念するのも良しとする会話を交わしていた。一定の成果とは企業としての認知度向上だ。同社はネット上でポータル(玄関)サイトを運営し、その傘下で電子商取引やDVD(デジタル多用途ディスク)レンタルなどで収益を稼ぐ事業モデルの構築を目指す。堀江社長は従来も「知名度を高めることが球団保有の目的の一つ」と語ってきた。

ネット関連調査のネットレイティングス(東京・渋谷)の調べでは、同社のポータルの1カ月間の閲覧件数が6月の1億件から9月には3億1,000万件に急伸。ポータルは昨年11月に開始したため本格的な収益計上はこれからだが、ポータル事業拡大への素地はできあがりつつある。

逆に「落選して得した」ともいえる。審査で楽天に勝ち、球団を保有できた場合には県営宮城球場(仙台市)の改修費用として想定していた約40億円、NPBに支払う預かり保証金25億円、入会金5億円など「初期投資」を負担する必要があった。選手年俸の合計額年20億円や選手補強費年5億円といった毎年の費用計上も覚悟しなければならなかった。ライブドアの2004年9月期の連結営業利益は約60億円だったもよう。NPBが新球団の収益計算の前提とした年40億円の営業赤字が出れば、年間利益の3分の2を食いつぶすことになる。

堀江社長は2日、再来季のプロ野球参入を目指すかは「全くの白紙」と語った。参入検討が報じられてきたサッカーJリーグや地方競馬事業などについて「(競馬は)ビジネスとして成長性に期待でき、継続して前向きに継続する」「(サッカーは)これから真剣に検討したい」などと意欲を示した。落選で使えるようになった「余資」をいかにスポーツ関連に投じ、知名度向上させるかがライブドアの次の課題になりそうだ。

確かに、堀江社長はテレビのインタビューでも「今回のことで誰も損したわけじゃないし、ライブドアも株価が上がってよかった」と話していました。世間一般のプロ野球ビジネスに対する関心度合いについても、株式市場に例えて、「自分が近鉄球団の買収意向を表明した6月が底値で、ここまで盛り返してきた」と明言しています。同様に地方競馬に注目するのも、今が底値だからだそうです。何事も株価に例えて考える発想があるようです。

元々現社名のライブドアも、経営破綻し民事再生手続き中の旧ライブドアから営業権を買い取る形で生まれたものなので、それこそ底値買いは得意なのかもしれません。当時にしてみれば、旧社名のエッジよりはライブドアの方が、コンシューマ向けのブランド力はあったのかもしれません。しかし、今回の騒動を予想していたのであれば、エッジ・ブランドのままでも十分に有名になれたのような気はします。

今回の一件で、インターネットや株式市場に関心がない人にまで、ライブドアの社名を覚えさせることには成功しました。広告代理店あたりが、このPR効果を広告宣伝費に換算にしてくれると、興味深い結果が出るでしょう。おそらく、十億円は軽く超える金銭的価値があったのではないでしょうか。しかし、所詮一般の人たちの中で、ライブドアのサービスそのものを使った経験のある人は少ないはずです。また、人の噂も七十五日と言われるくらいなので、年が明ければライブアの名前も忘却の彼方という可能性もあります。

現在のライブドアのブランド力を株式市場のポジションで例えれば、完全に材料出尽くしという感じです。話題づくりが得意な堀江社長としても、今回以上の材料を提供するのは、簡単にできるとは思えません。ここまでアップできた知名度を活かすためにも、実現性のある戦略プランを早急に提示することが必要でしょう。そうしないと、長期的に見てライブドア・ブランドも一連の騒動が終息したことに合わせて、天井を打つことになります。


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