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新書マップは売上アップのためのマーケティング・ツールに戦略転換すべき

2004年11月19日

本の紹介をメインにしているブログをよく見かけます。やはりブログと書評というのは、相性がいいんでしょう。そういうトレンドを反映して、自分の薦める本を一括して紹介できる無料のサービスもいろいろ登場しています。例えば、私がお世話になっている G-tools さんのマイ・ショップや、WEB本棚サービス ブクログなどは、難しいテクニックなしで手軽に利用できるサービスです。ブクログのインターフェースの元になっていると思われるサイトが、テーマで探す新書ガイド 新書マップです。今回は、この新書マップに関する記事を紹介します。情報源は、『本の周りで(9)本探しを楽しんで(プリズム現代)』(2004年11月17日 日本経済新聞 夕刊 16面)です。

今夏から、インターネット上で公開されている新書の検索サイト「新書マップ」。国立情報学研究所の高野明彦教授らが開発した。7000点以上の新書の中から、目的に合うリストを示してくれる。キーワードと一致しなくても、関連性をたどって周辺を探る「連想法」を導入したのが特徴だ。例えば「地震」で検索すると、「火山」「予知」「地球科学」などのほか、「マンション」「うわさ」「保険」といったテーマも拾い出す。テーマごとに数冊から10数冊が紹介される。

20人のスタッフが2年がかりで本を読み、データを作った。約1000種類のテーマに沿って、新書を整理、分類。本の特徴などを概説した読書ガイドも付けた。機械検索に手作りの温かみを加えた本探しが楽しめる。手軽な入門書として人気が高い新書は、10年ほど前から新規参入が相次ぎ、今では年3000点を超える新刊が出る。数が多いうえ、書店では出版社別に並ぶため、探すのに骨が折れた。「知のエッセンスが詰まった新書を活用するための読書応援団になれたらいい」と高野教授。一般読者だけでなく、図書館、書店関係者にも重宝がられている。

検索のインターフェースを見た印象では、かなり凝った作りになっているので、完全自動化されていると思い込んでいました。実は人手による地道な作業がベースになっていたのですね。検索エンジンに例えれば、ロボット型の自動収集ではなく、人間が登録するディレクトリー型になります。これが質のいい新書情報を提供してくれる秘密なんでしょう。

この新書マップは、10月に書籍化されています。総ページは1,000を超える厚い本で、値段は2,520円になります。私が行く本屋でも新刊本コーナーに大量に平積みしています。書店の方では非常に優れた内容なので、一般の人にも売れると期待しているのでしょう。しかし、私は残念ながらそれほど売れないと思います。同じ内容がWebで公開されているのですから、自宅に常備したいと考える人が少ないと思うからです。

それでは、書店側としてこの本をどう扱ったらいいのでしょうか。私は新書マップは、あくまでも新書を売るための販促ツールと考えるべきだと思います。ぶらっと新書コーナーに立ち寄ったお客が、何気なく新書マップを手にとって自分の読みたい本を探し出す、そんな役目を期待すべきでしょう。本屋にとっては、新書マップ自体は売れなくても、それを立ち読みした人が目的の新書を見つけ出して、何がしかの新書を買ってくれればいいわけです。そのためには、新刊本コーナーではなく、新書コーナーの特等席に陳列すべきでしょう。スーパーで肉料理のレシピを精肉売り場に置くような発想です。

何にも考えていない本屋は、大量に仕入れた新刊本の売れ行きが悪いと、すぐに返品してしまいます。来年の今頃でも、新書マップがちゃんと新書コーナーの目立つ場所に陳列してある本屋は、マーケティングが何たるかを理解している本屋でしょう。


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