« マスコミの寵児となった堀江社長が自社メディアを持つのは得策ではない | メイン | 『電子消費者未納利用料請求最終通達書』架空請求詐欺がTVで特集されるかも »

Top経営戦略ネットビジネス > ライブドアが募集を開始したパブリック・ジャーナリストに関する疑問点

ライブドアが募集を開始したパブリック・ジャーナリストに関する疑問点

2004年11月23日

前回の投稿でライブドアが自社でメディアを保有する構想があることを紹介しました(マスコミの寵児となった堀江社長が自社メディアを持つのは得策ではない)。改めて、ライブドアのホームページを見ると、先週中にパブリック・ジャーナリズムの実現へ向けて「パブリック・ジャーナリスト」を全国より募集開始というニュースリリースが発表されていることを発見しました。おそらくライブドアの情報発信機能強化策の1つなのでしょう。今回の募集内容は以下の通りです。

■パブリック・ジャーナリストの募集にあたって ライブドアでは、日本社会が抱える様々な問題をテーマに、皆様からニュースやオピニオンを募り、採用させていただいた原稿をweb上に掲載してまいります。
「パブリック・ジャーナリスト」とは、プロの記者とは異なり、本業の中で感じたことなどを客観的なニュースや主観的なオピニオンとして記事を書いていただく方々を意味しています。
日々の暮らしや仕事の中で感じた政治や社会に対する疑問や意見を取り上げることで、これまで日本では手付かずだったパブリック・ジャーナリズムの道を切り開いてまいります。

最近はブログの普及により、一般人でも自由にネット上に自分の意見を表明することができるようになりました。個人ブログの中でも、傾聴に値する書き込みも結構増えています。しかし、所詮個人で運営するブログでは、幅広い層に読んでもらうというリーチ面で問題があります。そういう人にとっては、最初からある程度の閲覧数の見込まれるライブドアのwebで発表できることは、朗報に違いありません。

それではどのようすれば、このパブリック・ジャーナリストになることができるのでしょうか。続けて詳しい募集要項を紹介します。

■募集要項
●応募方法:
 応募される方はまず、当社のジャーナリスト研修を受講し、その後の簡単な修了試験に合格すると市民記者に登録される運びとなります。
 研修は応募者が一定人数に達したところで随時、開催いたします。平日夜間3日間コース、もしくは休日1日コース(ともに計5時間の講習)がありますので、どちらかをご選択ください。(研修料:8,000円)修了試験は規定のテーマに沿った記事執筆となります。

●合格後の投稿:
 仕事や家事の合間など、ご自身のペースで書きたいテーマがあったときに随時、原稿を投稿していただけますが、livedoorへの掲載につきましては、弊社デスクのチェックを通った原稿のみの掲載となります。

●原稿料:
 採用された原稿に対しましては、その原稿によって規定のポイントをお支払いいたします。また、月間を通じて反響のあった記事などに対しては、別途賞を設けて報酬をお支払いいたします。

※「パブリック・ジャーナリスト」とは
 本業ではなく、副業としてニュースやオピニオンを寄稿する記者。ライブドアの報道部門の特派員的な位置付けでもあります。ビジネスマンや主婦、学生の方々は、登録することで生活や仕事の現場で感じたことや見聞きした事実をlivedoor ニュース上で伝えることができます。

募集要項を読むと、どうもパブリック・ジャーナリストとはライブドアに登録した一般投稿者ということのようです。しかし、一方ではライブドア報道部門の特派員的な位置付けという表現もあります。何となく曖昧な感じがします。例えば、物議をかもす意見が掲載された時の責任の所在はどうするのでしょうか。一般人の投稿ということであれば、ライブドアは無関係と主張できます。それでも、ライブドアのデスクによる検閲をクリアーしているわけですから、ある程度の責任はあるでしょう。もし、ライブドアの特派員の記事であるとするならば、当然ライブドアの会社としての意見ということになります。いまひとつ釈然としません。

おそらく、現時点ではそこまで厳密に考えていないというのが本当のところではないでしょうか。パブリック・ジャーナリズムという意味は、新聞の読者投稿欄、朝日新聞でいえば『声』のようなものを想定しているのかもしれません。簡単に言えば、ライブドアのWebページを、自社の基準に達した一般投稿者にも開放することにします程度の発想でしょう。これ以外に、私が現時点で考えている疑問点は以下の通りです。

1.原稿料
「世の中全てのものがカネに換算できる」との信念のある堀江社長が始めるサービスとしては、原稿料が中途半端な「規定のポイントで支払われる」という点が気に入りません。明確に金銭価値がわかるもの(できれば現金)にして欲しいものです。

2.著作権の帰属
素人のジャーナリストの投稿とはいえ、著作活動であることには変わりありません。ライブドアに投稿しても、その後は自由に使うことができるのでしょうか。当然、自分でブログをやっている人にとっては、自分の記事は自分のサイトにも掲載したいはずです。

3.ジャーナリスト研修と修了試験判定
たいした金額ではないのですが、有料で研修を受けさせる点が、少し気になります。有料で研修を履修して修了試験に合格しても、必ずしも投稿が掲載されるわけではありません。そうすると、最悪の場合受講者は一銭の収入ももらえないことになります。ここら辺のスキームは、最近問題となっている「在宅パソコン入力詐欺」と似ています。高額な研修を受けても、修了後実際に仕事が受注できないので、結局受講者が損をすることになるという詐欺です。何となく後で、トラブルを招きそうな感じがします。しかし、いい加減な気持ちで募集してくる人間を排除したいという意図もわかります。事前に試験をやって合格者に無料で研修を受けてもらうというやり方の方が望ましいと思います。

こららの疑問は、このパブリック・ジャーナリストなるコンセプトが曖昧なために起因するものです。素人が小遣い稼ぎがてら自分の意見を発表できる場を提供するのか、それともライブドアの外部協力スタッフとしてのセミプロ級のライターを募集したいのか、いずれかの方向性をハッキリすべきでしょう。私が抱いた疑問点は、今後明らかにされることを期待したいと思います。


★この記事が面白いと思った人は『人気ブログランキング』をクリックしてもらえるとハッピーです。


【追記】コメントをもらったので、内容を一部修正しました。
なお、2の「著作権の帰属」に関しては、「livedoor Blog の規約により、livedoor は無制限に Blog を使うことができます。著作権はあるけど、著作者人格権は行使できません」というご指摘をいただきました。しかし、今回のパブリック・ジャーナリストの掲載に関しても、同規約が準用されるのかどうかが不明なので、詳しいことはわかりません。なお、ライブドアの規約にある著作者人格権に関しては、色々論議を呼んだ経緯があります(著作者人格権:何が問題で、どう書くべきか? [著作権問題])。ジャーナリスト志望者には、事前にライブドアの方針を公開しておいた方が安全であるように思います。


【本件に関係した投稿】

【ジャーナリストを目指す人へのお勧め本】

あなたにもできる!フリーライターになって稼ぐ本!!
夏野 清三郎

東邦出版
2002-02
売り上げランキング 33,206

おすすめ平均 
経験者は語る
大手出版社にいた著書が
実際編集に携わっていた著者が

Amazonで詳しく見るby G-Tools

メディアアクセスガイド(MAG)〈No.2〉ライター・フォトグラファーのための売り込み、持ち込み情報源
メディアアクセスガイド(MAG)編集委員会

現代人文社
2004-03
売り上げランキング 43,191

おすすめ平均 
ライター志望に必見の情報源.

Amazonで詳しく見るby G-Tools

実践ジャーナリスト養成講座
ニューズ・ラボ研究会

平凡社
2004-02-24
売り上げランキング 43,345

おすすめ平均 
なかなかいい本です
日本初!記者になりたい人のための教科書
ようやく出た記者の教科書

Amazonで詳しく見るby G-Tools

マスコミ就職読本〈2006年度版 1〉入門篇
月刊「創」編集部

創出版
2004-09
売り上げランキング 15,032

おすすめ平均 
マスコミに就職したい人ッ!!!!

Amazonで詳しく見るby G-Tools

以上、現場からでした。
安藤 優子

マガジンハウス
2003-11
売り上げランキング 69,023

おすすめ平均 
テレビや新聞のニュースからは得られない実感がある。
テレビから受ける印象と全然違う安藤優子が描かれている
現場を大切に思っているから買った本!

Amazonで詳しく見るby G-Tools

あめりか記者修行 増補改訂版
鳥越 俊太郎

中央公論新社
2003-04-24
売り上げランキング 203,927

おすすめ平均 
現在の鳥越氏の原点を見た

Amazonで詳しく見るby G-Tools

闘うジャーナリストたち -国境なき記者団の挑戦-
ロベール・メナール 大岡優一郎

岩波書店
2004-10-07
売り上げランキング 42,021

おすすめ平均 
面白かった
報道の自由がいかに大事なのか

Amazonで詳しく見るby G-Tools

報道は何を学んだのか―松本サリン事件以後のメディアと世論
河野 義行 下村 健一 林 直哉 磯貝 陽悟 森 達也

岩波書店
2004-10
売り上げランキング 28,205


Amazonで詳しく見るby G-Tools

日本マスコミ「臆病」の構造
ベンジャミン フルフォード Benjamin Fulford

宝島社
2004-11-05
売り上げランキング 222

おすすめ平均 
ジャーナリズムとは?
これが真実

Amazonで詳しく見るby G-Tools

記者ハンドブック[第9版] 新聞用字用語集
共同通信社

株式会社共同通信社
2004-02-09
売り上げランキング 865

おすすめ平均 
文章書きには必須です
文章を書くときいつでもそばに

Amazonで詳しく見るby G-Tools

渡邊恒雄 メディアと権力
魚住 昭

講談社
2003-08
売り上げランキング 3,704

おすすめ平均 
渡邉恒雄、その権力の大きさは私の予想をはるかに超えていた。
これが「現在進行形」の物語であることを忘れるべからず!
サラリーマン新聞記者の下克上を描ききる

Amazonで詳しく見るby G-Tools

メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話
吉見 俊哉

有斐閣
2004-04
売り上げランキング 10,315

おすすめ平均 
メディアを研究しようという人に
読みやすい本です。

Amazonで詳しく見るby G-Tools

本日の雑談〈2〉
小林 よしのり 西部 邁

飛鳥新社
2004-07
売り上げランキング 5,346

おすすめ平均 
笑えます
おすすめです!!!
隔月刊行という企画はこの二人だからこそ。

Amazonで詳しく見るby G-Tools

ゴーマニズム宣言 EXTRA〈1〉
小林 よしのり

幻冬舎
2004-08
売り上げランキング 7,769

おすすめ平均 
大事な物を確かめる。
期待通りの一冊ですよ
学ぶべき現実

Amazonで詳しく見るby G-Tools

わしズム〈Vol.12〉
小林 よしのり

幻冬舎
2004-09
売り上げランキング 901

おすすめ平均 
天皇制に対する諸氏の意見
よしりん、どう思います?
歴代わしズムの中でも最高の出来ばえ

Amazonで詳しく見るby G-Tools

ゴー外!!〈1〉翻弄されない視座をもつ―小林よしのりの痛快“こき下ろし”SPECIAL
小林 よしのり

アスコム
2004-08
売り上げランキング 10,798

おすすめ平均 
「イラク邦人人質事件」のレポート
政府、メディアこぞっての弱いものイジメに鉄拳!
我が身を振り返り、恥じ入るべし

Amazonで詳しく見るby G-Tools

メディアが市民の敵になる―さようなら読売新聞
山口 正紀

現代人文社
2004-08
売り上げランキング 20,438


Amazonで詳しく見るby G-Tools

ニュースの職人―「真実」をどう伝えるか
鳥越 俊太郎

PHP研究所
2001-10
売り上げランキング 78,399

おすすめ平均 
私も人間として、こんなふうに生きてみたい
鳥越さんっていい人そう。
中坊公平さんが大絶賛するのがわかった

Amazonで詳しく見るby G-Tools

反骨のジャーナリスト
鎌田 慧

岩波書店
2002-10
売り上げランキング 74,273


Amazonで詳しく見るby G-Tools


  • このエントリーをdel.icio.usに追加
  • このエントリをニフティクリップに追加
  • このエントリをLivedoor クリップに追加
  • このエントリをFC2ブックマークに追加
  • このエントリーをバザールに追加
  • このエントリをSaafブックマークに追加
  • このエントリをChoixへ追加
  • newsing it!
  • このエントリーをCoRichへ追加
  • このエントリーをはてなブックマークする
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • このblogをはてなアンテナに追加
  • このエントリーのはてなブックマーク数

関連するエントリー

ワード

このエントリーのダイレクトリンクURL:

このエントリーのトラックバックURL:

【注意】重複トラックバック防止プラグインにより、同一エントリーに対する同一のトラックバックは登録されない設定にしています。また2006年から、本エントリーへのリンクのないトラックバックも登録されない設定に変更しました。

トラックバック

» ブログ大賞に参加しませんか? from 一億人が集まるブログ
一億人が集まるブログを開設して、1週間になりました。多くの方々から温かいご声援をいただき、当初、想像していた以上に参加者も多く、しかも内容の物凄く濃いブログが結... 続きを読む

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)