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米国では iPod 人気が Mac ユーザ新規開拓に奏功。日本の年末商戦はいかに?

2004年11月29日

以前、nikkei.bp の記事「アップルが好き」だからiPod miniを買うわけではない――NS総研調査の情報を元に、iPod 人気にあやかって iMac G5 を売ろうとするアップル社のマーケティング戦略に疑問を呈する記事を投稿しました(iMac G5 の雑誌広告はシンプルでクールだが、マーケティング戦略的には?)。今回新たに日米で iPod 関係のリサーチ結果が明らかになりましたが、私が iPod 効果を見くびっていたことがわかりました。反省したいと思います。まずは、日本のブランド・イメージ調査結果の方から紹介します。情報源は、『デジタルブランド魅力度調査――「心地よい」iPod首位、感性で消費者つかむ』(2004年11月29日 日経流通新聞MJ 4面)です。

日経リサーチがデジタル製品・サービス300ブランドの魅力度を調べた消費者調査で、アップルコンピュータのデジタル音楽プレーヤーが1位となった。感性に訴えるデザインや利用時の楽しさなど、機能や性能とは違う新しい商品価値が消費者の興味をつかんだ。デジタルブランド総合調査は「各ブランドの利用時に得られると思う経験や体験の魅力」を指数化し、「包括的魅力度」を算出した。

iPodは「心地よい気持ちになれる」など感情(エモーション)面での評価に加え、存在感(プレゼンス)を示す「デザインセンス」も評価された。この分野の「利用したことが話題になる」「先端性やトレンドが感じられる」では1位だった。調査時期が7月発売のiPodミニで人気が爆発した後で、デジタルブランドでは最も注目度が高いと言える。競合機種のソニー「ネットワークウォークマン」は平均的偏差値の40位にとどまった。

記事にある「包括的な魅力度」ランキングの上位10社は、次の通りです。なお、()内は総点数です。

  1. iPod(95.22)
  2. アイボ(84.14)
  3. バイオ(83.38)
  4. ハンディカム(80.51)
  5. アクオス(77.95)
  6. アシモ(74.99)
  7. ヴェガ(73.47)
  8. カラリオ(73.40)
  9. IXY DV(72.51)
  10. IXY デジタル(72.24)

最近のソニーは、昔のように独自性のある商品投入が少なくなってきた結果、業績面でも好調の松下に比べていまひとつ元気がありません。しかし、この調査結果を見る限りでは、ソニー・ブランドの強さが光ります。ことブランド・イメージに関しては、「ソニー神話」が健在ということでしょうか。問題は、ブランド・イメージを差別化要因として、いかにして製品の実売に結び付けていくかです。米国では、iPod でブランド・イメージが躍進したアップルへ、パソコンの分野でもブランド・スィッチが現実化しつつあります。情報源は、iPod人気でMacに乗り換えるPCユーザーが増加--米調査です。

金融サービスのPiper JaffrayがiPodユーザーに対して行った調査によると、同音楽プレイヤーの所有者のなかには、すでにPCを捨ててMacに乗り換えたか、あるいはこれからそうすることを検討しているユーザーがいるという。この調査では、iPodユーザーの6%がすでにMacに乗り換えていることがわかった。さらに、これからPCを捨ててMacに乗り換えることを計画中だと答えたiPodユーザーも7%いたという。

Piper JaffrayのシニアリサーチアナリストGene MunsterはiPodの人気が、今後しばらくの間、Appleに波及効果をもたらすだろうと述べている。「これから数年間にわたって続くトレンドが、いま始まったばかりといった状況にある」。乗り換え派に影響を与えている主な要因としては、Macの使いやすさや、エンターテインメント性へのフォーカス、セキュリティ面の心配の少なさなどの点が挙げられている。Munsterによると、乗り換え派の人々には、必ずしも技術オタクタイプではないなどの傾向があるという。

この記事は、実に iPod ユーザの1割以上が Mac に乗り換えた、もしくはその可能性があることを示しています。パソコン・マーケットに対するインパクトは、予想以上に大きいものがあります。iPod ユーザが Mac を選ぶ理由は、使い易さとファッション性にあります。iPod は、これまで技術オタクに多かった Mac のユーザ・ベースの拡大に大きく役立っているわけです。

この背景には、パソコンもいまやコモディティ製品となって、単に技術だけでは差別化できなくなってきたという背景があると考えられます。パソコンも製品ライフサイクル的には、成熟期を迎えつつあるということでしょうか。他の一般電化商品と比べて成熟期に達するのが早過ぎるような気がしますが、ライフサイクルもIT業界特有のドッグ・イヤーのスピードで進んでいると理解すべきかもしれません。

技術だけでは他社との差別化が難しいという点では、今月の初めにジャスダックに上場したエキサイトの山村幸広氏が、ポータル市場に関しても同じようなことを述べています。情報源は、「技術は差別化にならない」--エキサイト山村社長です。

そもそも、技術はアドバンテージにならないと思っているんですよ。特許があれば話は違うかもしれませんが、技術は絶対に追いつかれる。特にネットの世界では数カ月のアドバンテージにしかなりませんから、技術で差別化を訴えるようなものにはあまり意味がないと思っているんです。それよりも使い勝手やコンテンツの中身で勝負していきます。

ポータルサイトには何か特別な技術があるわけではありません。24時間365日安定的に大量のデータを配信するという運用能力はありますが、これは技術ではない。「技術が大きな差別化になると思ってはいけない」と技術部の人間には常に言っています。一番大切なのはブランドやユーザビリティ、それにオリジナリティです。当社が新しいコンテンツを作るときには、他がやっているものを作るなと言っています。

イノベーションが起こっても、直ぐに標準化されるのがIT業界の特徴です。これから差別化要因として、ユーザビリティとオリジナリティが果たす役割が重要になることは確実です。パソコンの最大需要期である年末商戦で、Mac が対前年比でどれほどの売上の伸びを達成することができるのか、注目したいと思います。


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コメント

先日cnetの山村社長の記事を読んで久々にexciteを覗いてみました。

感想はなるほどポータルの表参道でしたね。

個人的にはnewsなどの情報収集には不便さを感じます。

ただ他のポータルとの差別化を図って黒字化されたのには拍手喝采といきたいですね。

日経ビジネスでもインタビューを受けられてましたね。上場後のスポットライトといったところでしょうか。


山村社長は技術のアドバンテージの無意味さをいわれてますが、ユーザビリティ、マーケティングといった物のほうがまねされやすいんではないかと思います。

ネットの世界では、早い者勝ちというか、最初にやったものがその分野でのブランドをえがちですよね

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