IT管理者の皆様へのお願い:『実践ビジネス発想法』はアクセス禁止にしないでね
2004年12月29日
3ヶ月ほど前に、社員のネット利用を企業が常時監視する時代の到来を予見する内容の投稿をしました(オーウェルの『1984』から20年、ビッグブラザーによる社員監視時代の到来?)。この時、企業がネット利用監視を強化する目的として想定していたのは、主として顧客情報の漏洩抑止でした。それから3ヶ月経って、企業によるネット利用制限がさらに進んでいる実態が分かりました。今回の規制強化の背景としては、単なる情報漏洩やウィルス感染などのセキュリティ上の防御策ではなく、ネットの私的利用により社員の生産性が悪化していることが指摘されています。 情報源は、『ネット禁止職場が急増中』(AERA 2005年1月3日-10日号 p.27-30)です。
いまや企業のメールや、ネット利用の管理は当たり前なのだ。アエラ編集部では主要50社に、HPの閲覧を制限しているか、閲覧記録を保存し管理者がチェックしているか尋ね、37社から回答を得た。
「閲覧制限もなく、チェックもしていない」と答えたのは、IT関連企業など2社のみ。さすがというべきか。ただ、それ以外の企業は何らかの形で規制をしている。「閲覧制限も、チェックもしている」のは19社。「閲覧制限のみ実施」は7社、「記録のチェックのみ実施」は6社だった。05年1月から閲覧制限とチェック体制を導入予定の百貨店など、3社が「検討中」としている。
閲覧制限をしている26社のうち24社が「アダルト・出会い系」を規制しているのは当然として、「2ちゃんねる」などの「掲示板」を9社が、「オンラインショッピング」を7社が制限。ヤフーやホットメールなどのウェブメールやギャンブル系を禁止している社も複数あった。まだポータルサイトやニュースを全面的に制限する企業はほとんどないものの、徐々に制限の幅は広がっているようだ。
果たして、このような制限が必要なほどネットの私的利用は進んでいるのでしょうか。業務時間中のネット利用時間が明らかに増加していることを示すデータも、AERAには紹介されています。
職場でのインターネット利用を調査するネットレイティングス社によると、04年11月の1人当たりの月平均利用時間は32時間55分54秒。2年前に比べて、10時間も増えている。実際閲覧しているHPを見ると、「ヤフー」などのポータルサイトと「2ちゃんねる」などの掲示板、ブログなどの閲覧時間が約2時間20分、昨年に比べると10倍以上に増えているなど、突出している。
オンラインショッピングやオークションは約1時間8分で前年の約3.5倍、音楽などの趣味関係は約46分で前年の約4.7倍。会社側に「業務に関係ないHPを見て、遊んでいる」と思われても仕方がない状態なのだ。
社員のネット利用制限策の一環として、特別なソフトウェアを導入する企業も増え始めています。そのようなソフトの1つが、デジタルアーツ社の『iフィルター』です。
このソフトでは、アクセス制限が必要になる可能性が高いサイトを種類分けして、「掲示板」「出会い系」「求人情報」「オンライントレード」「グルメ情報」など40のカテゴリーを作っています。同ソフト開発元のデジタルアーツ社では、すでに「ブラックリスト」として350万サイト、ページ数にして1億以上の情報を登録管理しています。
『iフィルター』を導入した企業は、部署の業務に応じて、カテゴリーごとに「アクセス不可」「見るだけならOK。でも書き込みは不可」などといった制限をかけます。また、何も制限はしないが、利用者が知らないうちにアクセス記録を取る設定もできます。
この『実践ビジネス発想法』が個人の趣味を目的としたサイトと判断されて、ブラックリストに載ってしまう可能性もゼロとはいえません。その場合の影響を考えてみました。実を言うと、このサイトへのアクセスは、平日の8時から18時くらいまでの間に集中しています。アクセスに使うアドレスも、一般企業のもの(co.jp)が中心です。サイトの主なコンテンツがビジネス情報で、ターゲットも一般ビジネスマンを想定しているので、当然の結果と言えます。 現状を考えると、企業からのアクセスが禁止されるようになれば、訪問者数は現在の半分以下に減ることは間違いありません。もしかしたら、3分の1程度まで下がるかもしれません。その影響は甚大です。
そこで、企業のIT管理者の方へのお願いです。このサイトには、アダルト系やギャンブル系などの有害コンテンツは基本的に掲載していません。このサイトの情報は、むしろビジネスマンの生産性の向上に役立つ内容が満載です(多分に希望的観測を含む)ので、どうぞアクセス制限の対象にはしないようお願いします。原則禁止に例外を認めないというのであれば、せめて始業前、昼休み時間中には、アクセス禁止を解除するような柔軟な運用をお願いします。まあ、本音ではこのサイトはアクセス禁止になるまいとタカをくくっているのですが.....
ネットの私的利用が増えると、従業員の生産性に悪影響を与えかねないという、企業側の主張にも納得できる面はあります。おそらく禁止されれば、それをすり抜けようとうする利用者との間で、イタチゴッコが始まるのではないでしょうか。また、業務時間中にアクセスしても支障がないと認められたサイトと、禁止されたサイトとの二極化が進むような気がします。そうなると、積極的にアクセス許可のお墨付きをもらいたいと考えるサイトも出てくるはずです。ついには、第三者機関によるサイト格付けサービスが登場して、合格したものだけに「マル適マーク」が付与されるなんてことも始まるかもしれません。
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