日経で米国追随の競争モデル導入を批判したソニーの土井利忠氏とは?
2005年05月31日
AIBOをはじめ数々の独創的な製品を送り出してきた、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所の土井利忠(どいとしだだし)社長のインタビュー記事が、日経新聞の朝刊に掲載されました。土井氏は、米国大学式の競争モデルを礼賛する風潮に疑問を呈しています。その記事の中で、特に私が注目した点を紹介します。 情報源は、『米の大学、研究に不向き「常に競争」は時代遅れ』(2005/05/30 日本経済新聞 朝刊 5ページ)です。
――日本の大学は今のままでいいということですか。
「改善すべき点はあります。研究者としての能力がない人物でも、教授としてやっていける仕組みになっているのは由々しきことです。前時代的な親分子分の関係が残っており、研究に何も貢献していない教授が論文に名前だけ連ねたりする。能力を欠く教授には退場願う。だからといって米国式の競争モデルを無批判に取り入れるのは能がない」
「すでにベンチャーなどの企業活動では米国モデルの問題点が露呈していると考えます。若くして巨万の富を築く起業家がもてはやされました。私は商売柄そうした人々をたくさんみてきましたが、後で消息を聞くと、うつ病になって苦しんだりしている人が多いのです」
――なぜそうなるのか。
「自我の発達で、常に戦っていないと安定しないレベルを後期自我といいます。このレベルの人は戦う対象がなくなると燃え尽き症候群のようになるのが特徴です。米国に多いパターンです。日本の社会は、まだ依存心の残っている中期自我の人も多いのですが、逆にもう戦わなくても精神が安定している成熟した自我の比率も高く、全体としては米国の社会より進んでいると考えています。したがって、その遅れている米国のやり方を理想郷のように考えて追随するのはやめにした方がいいと思います」
続いて、土井氏の略歴を紹介します。


