玉塚元一氏を更迭して自ら社長に復帰したファーストリテイリング(FR)の柳井正会長が、昨日開催した事業説明会で、同社の中期計画を明らかにしました。その骨子は、2006年から3年間に3000~4000億円を投じて3社を買収し、2010年8月期には売上高1兆円を目指すというものです。具体的な計画の詳細は次の通りです(ユニクロが売上高1兆円超目指す事業戦略(フジサンケイ ビジネスアイ))。
グループ全体の売上高を06年8月期見込みの4900億円から、10年8月期に2.3倍増の1兆1200億円に拡大する目標。
このうち3800億円から6000億円に増やす国内の「ユニクロ」事業では、店舗戦略を大転換。新規出店は、従来の標準型店(平均200坪)から、大型店(同600坪)と小型店(同50坪)に重点を移す。
また、9月に東京・銀座に開店する女性下着専門店を皮切りに、子供服などの専門店業態も新展開する。これらの新規出店の積極化で、「最大で年間960億円の売上高を増やす潜在力がある」(柳井会長兼社長)としている。
新事業計画を実行に移すのは、一新された経営陣です。まさしく「新しい皮袋に新しい酒を」という発想でしょう。情報源は、『ファーストリテイリング、ユニクロ、M&A4000億円――柳井体制支える4人組』(2005年9月06日 日本経済新聞 朝刊 11面)です。
玉塚元一社長(43)が退任した後の柳井新体制を支えるのは、今年、異業種から経営陣に加わった4人だ。
勝田幸宏氏(41)は執行役員として3月に入社、ユニクロの商品開発部隊を率いる。伊勢丹を振り出しに米バーニーズ、米ポロ・ラルフ・ローレンを経て、米高級百貨店のバーグドルフ・グッドマンで紳士衣料の商品統括部長を務めた。
生産担当の執行役員である有賀誠氏(46)は三菱自動車の元常務執行役員。米自動車部品最大手、デルファイの日本法人で副社長まで務めた後、独ダイムラークライスラー傘下の三菱自動車に人事担当として入社。ダイムラーの支援打ち切りに伴い4月、ユニクロに転じた。
ほかの2人は持ち株会社の執行役員で法務・人事担当の松下正氏(45)と、人事開発担当の発田聡氏(47)。2人とも米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループが長く、生産を重視する「柳井人事」がうかがえる。
ファストリは1998年前後に、前社長の玉塚氏のほか沢田貴司氏(48)、森田政敏氏(43)、堂前宣夫氏(36)が外部から入社。ユニクロ躍進の原動力となったが、今では堂前氏以外は同社を去っている。有能な人材が継続的な戦力となるのか。05年入社の四人組を、柳井会長がどう使うかに「一兆円」の青写真の成否はかかっている。
経営陣を刷新したファーストリテイリングは、玉塚前社長の安定成長路線に決別して、柳井社長のM&Aを核にした拡大路線に完全にシフトしたことがわかります。この路線変更を、これまでFRで働いてきたプロパーの社員は、どう受けとめているのでしょうか?