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創業メンバーが離脱してもダイエー再建に闘志を燃やすキアコン澤田貴司社長

2005年01月31日

外資系企業などの脱落の結果、ダイエー再建の支援企業に現時点で残っているのは、イオン、丸紅、キアコンの3グループになりました。この中にあるキアコンという会社は、ファーストリテイリングの社長就任を断った澤田貴司氏が、2003年2月に起業した再建支援を専門とするコンサルティング会社です。設立後わずか2年の会社が、大企業のイオンと丸紅に肩を並べて健闘しているわけですから、澤田社長の手腕は高く評価されるべきでしょう。さぞかしキアコンも順風満帆かというと、どうもそうでもなさそうだという話をご紹介します。 情報源は、『キアコン幹部が次々と退社 「ダイエー再建」と一線を画して独立』(日経ビジネス 2005年1月31日号 p.8)です。

ダイエー再建の支援企業を選ぶ2次入札を通過した、流通業専門の再生支援会社、キアコン。そのキアコンで幹部が次々と退社していたことが、本誌の取材で明らかになった。退社したのは、副社長だった林正栄氏ら3人。

キアコンの中核メンバーが同じ昨夏に去ったのはどうしてか。それはダイエーが産業再生機構に送られる可能性が高まり、再建のための支援企業が取り沙汰され始めた時期と重なる。その頃から澤田社長はダイエーへの支援に並々ならぬ意欲を示し、自らの経営参画についても公言していた。

これまでキアコンの再建実績の目玉は、子供服販売のピーター商事(福井県)への在庫鑑定による経営指導と、トランスコンチネンツ(東京都)の2社にとどまる。地道に再建の実績を積もうと考える空気も社内にある中で、澤田社長はダイエーという大物狙いに出た。そこで澤田社長と幹部との間で再建についての方向性の違いが生まれて、それぞれが独自の道を歩き始めたというのが真相に近い。

ここで、澤田社長に関しての前回の投稿『キアコン澤田貴司氏の記事からローソン新浪剛史氏、グッドウィル折口雅博氏を連想』の一部を再掲します。同氏はファーストリテイリングの社長就任の申し出を断って、キアコンを立ち上げることになった理由として次のように語っています。

もう1つ、起業に対する思いも社長受諾を躊躇させた。「米スターバックス創業者のハワード・シュルツ氏らに憧れていた。ユニクロの社長を引き受けたら、起業は諦めなければいけないとも思った」。結局、澤田氏は、手を伸ばせば届くところにある急成長企業のイスを蹴ってまで、ゼロからの出発を選んだ。「自分がやりたいようにやりたい」。澤田氏自身の気持ちの中で妥協するわけにはいかなかったのだろう。独立した今、一番楽しいのは「すべて自分で決定できる醍醐味」と澤田氏。

ダイエー支援企業として再生機構に選ばれることになれば、澤田社長は自らが新生ダイエーのトップに就任して、再建業務の陣頭指揮にあたる決意を表明しています。ダイエー再建には数多くのステークホルダー(利害関係者)が関与してきます。 社長という最高位の役職にあっても、これら関係者の思惑が自分の意思決定に大きな影響を与えるようになることは間違いないでしょう。ユニクロ退社の理由に挙げている、「自分がやりたいようにやりたい」にはほど遠い環境になるのは確実です。理想と現実はかなり違うものになりそうです。

やはり、伊藤忠商事、ファーストリテイリングという大企業を歩んできた澤田社長にとっては、キアコンという舞台では物足りないと感じるようになってきたのでしょうか。キアコンそのものは潤沢な資金を集めたわりには、十分な再生実績を残していないのではないか、というのが私の疑問です。もう1つの懸念は、もしダイエーが食品スーパーを中心とした再建策を展開していくのであれば、澤田氏の専門性が十分に活用できないのではと考えられる点です。同氏の専門はあくまでもアパレル分野ですから。同氏のこれまでのキャリアが、どこまで異業種・異業態で通用するかも注目です。

今回のキアコンのダイエー支援への参加の背景には、澤田氏の功を焦る姿も垣間見えるような気がします。その点が創業メンバーの離脱につながったのではないでしょうか。そうは言っても、再生ビジネスの第一人者を目指すのであれば、ダイエーは願ってもない案件です。産業再生機構も解散してしまえば、今後数年間にわたりこのような大型案件は出てこないでしょう。再生家としては、みすみす見逃すわけにはいかないという心情も十分に理解できます。どちらにせよ、キアコンが支援企業として指名を受けることができたら、従来のスーパー業界にない斬新な発想で、その手腕を存分に発揮してくれることに期待しましょう。


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コメント

シムリー他に3億5千万ぐらいで売却したそうですが、そもそもキアコンの取得金額がいくらだったのか、わかれば宜しくお願い致します。

いつもコメントありがとうございます。

少し調べてみましたが、東急百貨店からの取得金額の方は分かりませんでした。
すいません。

なお、売却の内訳は以下のようです。

●シムリー(70%) 2億4,500万
●経営陣MBO(30%) 1億 500万

シムリー側は当面経営に関して現経営陣に任せるそうです。

もともとファーストリテイリングで働いた時期がありますが、澤田社長の活躍がここまできていることを知りました。今後の動向もくわしく知っていきたいです。大変励みになりました。

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