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ネット広告の市場規模拡大も無限ではないので新たな手法を模索するのは当然

2005年02月28日

ニッポン放送の株式取得方法に関して、もっと透明性のある公開買付(TOB)という手法を使わなかったのかと、ライブドアを非難する声が多いようです。そんなライブドアが1年前にTOBを使って子会社化した会社が、バリュークリックジャパンです。その子会社株を売却していたことが明らかになりました。情報源は、ライブドア、子会社株を47億円で売却…資金調達かです。

インターネット関連会社ライブドアが、先月下旬から2回にわたって関連会社の株式を売却し、約47億円の売却収入を得ていたことが24日、同社が関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになった。

売却されたのはライブドアの子会社で、インターネット広告配信会社バリュークリックジャパンの株式。1月20日に12万6660株を約34億2780万円で、今月16日には21万株を約12億8420万円で売却していた。

ライブドアは「売却の目的、資金の使途についてはコメントできない」と話しているが、バリュー株売却で得た資金の一部は、ニッポン放送株の追加取得に使われる可能性もある。

日経新聞によれば、この結果16日時点でのライブドアのバリュークリックジャパン株の保有比率は、65%弱に下がったことになります。読売新聞が推測するように、売却金額はニッポン放送の株式買い増しに当てられる予定、あるいはその一部が既に充当されているのと考えるのが妥当でしょう。

ネット広告に関しては、米国では市場規模が今年度中にも、100億ドルを超えるという予測記事が掲載されました。情報源は、『米ネット広告、100億ドル市場へ――TVから振り替え』2005年2月28日 日経産業新聞 2面)です。

米国のインターネット広告の市場規模が2005年に100億ドル台に達するとの見方が強まっている。テレビ広告よりも顧客層を絞り込み、より詳細な内容を伝えられるのが魅力。大手企業にはテレビ広告の予算の一部をネットに振り替える動きも出ている。日本のネット広告市場に比べ5倍程度の規模になり、米ネットメディアの隆盛の追い風となっている。米証券大手メリルリンチによると、04年に企業が全米でネット広告に支出した額は96億ドル。今年は企業の多くがオンライン広告予算を前年比2~5割増やすもようで、市場規模は100億ドルを突破すると見る。

電通が17日に発表した調査によると、日本のネット広告の市場規模は04年が前年比53.3%増の1,814億円で、ラジオ広告の市場規模を初めて抜いた。米国ではラジオ広告を追い抜くまでには至っていないが、規模では既に日本の5倍程度となっている。

この記事で気になった点があります。それは「米国では(ネット広告が)ラジオ広告を追い抜くまでには至っていない」という点です。米国では既にネット広告がラジオ広告を追い抜いたというような記事を、以前にどこかで読んだ覚えがあるのですが... 私の勘違いでしょうか。統計数値は、情報源、分析手法によって、食い違いが出ることはままあることです。ここでは、米国ではラジオ広告も、それなりに健闘しているという前提に立って話を進めます。

日本と米国との環境の違いが広告メディアの趨勢にも、大きな影響を与えていると考えられます。国土の広い米国ではローカルメディアの役割が、日本に比べれば非常に高くなります。さらにエスニック的にも、個別マーケットを形成するに十分なマーケットサイズがあります。したがって、地域密着型、エスニック特化型の広告メディアとして、ラジオが担う役割も依然として大きいものがあります。一方インターネットには、基本的は地域差はありません。しかしやり方によっては、地域密着型の広告に相応しいコンテンツを提供することも可能です。

個人的には日本でもラジオ局が生き残る方向性の1つとして、ローカル色を強く打ち出す戦略を考慮してみるべきではないかと思います。ライブドアが業務提携を申し出ているニッポン放送は、全国放送です。しかしネットとの融合を図るのであれば、むしろローカル色を強化した方が効果的なのではないでしょうか。

話を元に戻せば、ネット広告全体の成長率に若干の陰りを認める兆しも出始めています。 情報源は、グーグルとヤフーの評価が格下げに--ネット広告伸び悩みの兆候かです。

米国時間24日、ネット広告収入の成長鈍化を懸念するアナリストが、GoogleとYahooの評価を格下げした。これを受け、両社の株価は前場終わり近くの取引で、Yahooは1株あたり30ドル49セント、Googleは185ドル25セントと、それぞれおよそ5%値を下げた。なお、市場全体は前場に値を上げていた。

RBC Capital MarketsのアナリストJordan Rohanは、Yahooについて「われわれは、第4四半期の検索広告の勢いが第1四半期末まで持続すると期待していた。しかし、現段階での見通しは悲観的だ」と調査メモのなかで述べている。

ネット広告の成長が本当に踊り場に差しかかっているのかどうかを示すデータは、いまのところハッキリしたものはありません。確実なのは、今後はネット広告会社間での業績格差が拡大していくことです。各社とも新たな展開を模索する必要性が高まるのは明らかでしょう。そう考えると、手法の是非は別にして、他メディアとの連携をはかって、新たなマーケットを創造しようというライブドアのニッポン放送買収は、正しい戦略だと考えられます。


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