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ヤフー、楽天、ライブドアのショッピングモール戦略の違いが明らかに

2005年03月01日

ヤフーがアフィリエイトサービス大手バリューコマースに対してTOBをすることを発表しました。同社の経営陣と株主の投資ファンドからの内諾を得た上でのTOBです。したがって、こちらの方は友好的な買収ということになります。 情報源は、ヤフーもTOB仕掛ける!--バリューコマースを子会社化しアフィリエイト参入です。

ヤフーは2月28日、バリューコマースと事業提携および資本提携し、同社の株式を公開買付け(TOB)にて取得すると発表した。これによりヤフーは、バリューコマースを子会社化し、アフィリエイトマーケティング事業に進出することになる。

バリューコマースのアフィリエイト事業における広告配信は、1日3億3000万インプレッションを超えており、「アフィリエイトネットワークとしては国内最大規模」(バリューコマース)だという。ヤフーでは、アフィリエイトを手がけることにより、オークション事業やショッピング事業のユーザー数を拡大させるとともに、各サービスとのシナジーを追求して利用者の満足度向上を図りたいとしている。

ヤフーは依然として集客面では、日本No.1のポータルサイトです。しかしショッピングモールとしては、楽天に大きく水をあけられているが現状です。今回のバリューコマースの買収は、こうした現状を打開するためのショッピング事業強化策の1つと考えられます。その辺の事情に関しては、日経流通新聞に詳しく述べられています。 情報源は、『仮想モール、2強火花――ヤフー、新サービスで追撃、企業買収や提携急ぐ』(2005年2月28日 日経流通新聞MJ 1面)です。

「ヤフー!ショッピング」は楽天市場に次ぐ規模ながら、サービスや取扱額の格差はなかなか埋まらない。楽天が2002年以降、購入客のリピート率を高めるためのポイント制や携帯電話版サイト、アフィリエイトを整えてきたのに対し、ヤフーはようやく昨秋からポイント制を導入。携帯サイトとアフィリエイトは今年中にも、と後手に回っている。

店舗数は昨年末で2,810店と1年で2.3倍に増えた。だが、昨年6月にモール事業に参入したライブドア(モール名「ライブドアデパート」)が出店料無料などをテコに早くも3,000店を獲得するなど、存在感が薄くなりつつある。

だが、ヤフーも昨年から楽天急追に向け、企業買収や提携で準備を整えている。まず課題の一つであるシステム開発力の強化では、年賀状ソフト「筆まめ」で知られるクレオを買収したほか、地図大手のアルプス社の営業権を取得。「内製ばかりでなくこうした企業とも協力し、様々なサービスを追加していきたい」(松本事業部長)。

また様々な分野の専門家による情報サイトを手掛けるオールアバウトとも資本提携。プロの目利きやおすすめ商品情報を「ヤフー!ショッピング」で活用し消費刺激につなげたり、セレクト商品の品ぞろえに乗り出す。店舗サポートも「当初は赤字になってもいいからとハッパをかけ、増員を急いでいる」(ヤフー・井上雅博社長)。

一方、追撃を受ける側の楽天の戦略は、積極的に店舗を誘致する拡大路線とは逆に、収益基盤強化の方向性を打ち出しています。月額100万円以下の売上には課金を免除していた現行の方針を改め、2006年1月より小額店舗も課金対象とする計画を明らかにしました。楽天では、この料金改定により年間12~13億円の増収を見込んでいます。しかし、この方針転換に反発する店舗も少なくありません。日経MJが店舗オーナーを対象に調査したアンケートの結果には、反発の声が表れています。

「月商100万円以下ならシステム利用料負担が免除されているから出店したのに、前提条件が狂った」。ある出店者は憤まんやるかたない。最も納得がいかないのは、突然紙切れで一方的に料金改定を通知され、事前の打診や「システム投資にいくら必要で、そのうち楽天がいくら負担するのか、4%の算定根拠は何なのかといった説明が全くない」ことだ。

今回のアンケートでも「これ以上負担が増えるようなら退店を検討する」店舗が全体の31%、年内か来年以降の退店を検討中の店舗も13%あった。実店舗を構えるのと比べコスト負担が少なくて済むのがネット通販の魅力の一つだからだ。

ここまでに明らかになったのは、ショッピング事業におけるヤフー、ライブドア、楽天の戦略の違いです。各社ともM&Aを通じてサイトの充実を図り、集客力の強化策を打ち出し出している点はネット企業として共通です。しかし、その色合いには若干の違いも見て取ることができます。ヤフー、ライブドアがとりあえずの収益性を度外視しても、店舗の誘致を最優先しているのに対して、弱小店舗の脱落を恐れずに収益性を優先するのが楽天です。特に出店料無料で店舗数を急速に伸ばしているライブドアの戦略は、楽天の対極をなすものです。しかし、楽天の強みは単純に出店経費の安さだけではないという声も聞かれます。

ある出店者は「楽天は店舗の売り上げ上昇志向をあおるのが上手」と話す。例えば店舗専用のバックヤード画面では売り上げ目標を設定する機能があり「画面を見るたびに『目標達成率、現在50%』などと表示されると頑張らざるを得ない」。また「店舗カルテ」という機能では、自店と同じ商品分類の平均売り上げやアクセス数が出るため、他店との競争意識などが自然と高まる。

年に2回店舗を集め、優秀店舗の表彰などをする「カンファレンス」もそうだ。出店者はまず胸に付ける入場券で月商3,000万円以上は黄、1,000万円以上はオレンジ、それ以下は無色といった具合に色分けされる。楽天全体の戦略説明では「(プロ野球参入で)川の流れ(=楽天市場の成長ペース)がいっそう速くなったわけですから、皆さんには去年より大きな成功をしていただかなければ」などと出店者を鼓舞。「売上10倍! 成功への10の道」といったセミナーも実施する。

こうしたサポート面では、やはり楽天に一日の長があるようです。目標管理型の営業手法は、リアルの世界ではお馴染みの方法です。楽天の三木谷社長は、ネット企業家では珍しく自身に体育会系の発想があることを認めています。売上ノルマを設定して鼓舞するあたりにも、その特徴が表れているような印象を受けます。ショッピングモールという新しいビジネスモデルに、伝統的な営業管理システムを導入したところに、むしろ三木谷社長の斬新さを感じます。「和魂洋才」とでも表現すればいいのでしょうか。

強気の料金改定にも関わらず、楽天の牙城は揺らぐことはないのでしょうか?  計画通りに進めば、今年の後半には実際に退店する小規模店舗が増えてくることになるはずです。収益重視に転換した楽天の戦略が、長期的にはどのような結果をもたらすことになるのでしょうか。引き続き注目です。


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