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SBIの北尾氏がソフトバンクの孫社長に事前に相談しなかったという話はマユツバ(純個人的感想)

2005年03月25日

ライブドアとニッポン放送・フジテレビとの争いに新たに登場したのは、ソフトバンク・グループの投資会社ソフトバンク・インベストメントでした。記者会見でのソフトバンク・インベストメント(SBI)の北尾吉孝最高経営責任者(CEO)は、本件に関してはソフトバンクの孫正義社長に事前に相談していないと説明しています。 情報源は、『フジ株借り受け「孫さんには話していない」――SBI北尾CEO』です。

3月24日にソフトバンク・インベストメント(SBI)がフジテレビ筆頭株主になった件で、同日都内で会見したSBIの北尾吉孝CEOは「ソフトバンク本体には関係ない決定。孫さん(ソフトバンクの孫正義社長)にはまだ話していない」と、SBI 単体で判断した純粋なビジネスだと強調した。また「ホワイトナイトになるつもりはない」とし、フジテレビの経営権取得争いに参戦する意図はないと話した。

果たしてこの話は本当でしょうか? これほど世間を騒がせている話を孫氏に耳にいれなかったことは、ありえないと私は思います。本当に事前協議がなかったとしたら、噂通りに北尾氏と孫氏の間の亀裂が相当深いことになります。トップ間の意志の疎通がなければ、もはやグループ会社とは言えないことになります。この点に関しても、北尾氏は「孫氏は同志である」という言葉を使って否定していましたが。

本件に関しては孫氏の名前を出さずに、SBIだけを前面に出した方が波風が立たないと判断した結果との解釈も成り立ちます。放送事業は総務省が管轄する免許事業です。通信行政を巡って、これまでことごとく総務省と対決してきたのが孫氏です。古くは Yahoo! BB のDSLモデムの規格を巡る争いに遡ります(『通信行政がソフトバンクを追い詰める?』)。この時は、ソフトバンクが業界団体の情報通信技術委員会(TTC)の委員長を提訴することになりました(『ソフトバンク、イーアクセスCTOの小畑至弘氏を「営業妨害」で提訴 ADSLの規格を巡り、業界団体の公平性を問う)。最終的には、この提訴は取り下げになりました。

また、孫氏は携帯電話の周波数帯域の割り当て方針では、総務省を直接提訴しています(『「100年でも戦う」:携帯電話への参入を目指すソフトバンクが行政訴訟』)。

携帯電話事業への参入をめざすソフトバンクBBは、10月13日午後に都内で会見を行い、800MHz帯周波数割り当て方針案の実施差し止めと、新規割り当て方針案の策定と新規免許申請の受付を総務省に対して求める訴訟を同日付けで東京地方裁判所に起こしたことを明らかにした。また、総務省とNTTドコモ、KDDIに対して、800MHz帯割り当てに関する交渉記録保全のため文書破棄等禁止仮処分をあわせて申し立てた。

通信の監督官庁を相手取り行政訴訟を起こしたことについて、孫氏は「この世に神がいるのなら100%勝つ。最高裁まで進んで正しいと思える結論が得られなければ、世界の世論に訴えても戦い続ける。100年でも続ける」として、技術的観点から議論して出される結論と総務省の意思決定の乖離をあくまで追及する意思を示した。

まさに孫正義氏は、総務省にとって天敵とも言っもよい存在でしょう。民放連の会長会社であるフジテレビが仇敵のソフトバンクグループと手を結ぶのは、総務省としては愉快であるはずはありません。通信行政で散々かき回されているのに、今度は放送行政もターゲットになるのではという、恐怖感も感じるでしょう。この行政側の反発を予想して、今回はSBI単独での純投資で、孫氏は全く関与していないという形をとったのではないでしょうか。


これ以降は、もっと妄想をたくましくした想像になります。おそらく外れていると思うので、本気にしないでください。それはソフトバンクグループが放送事業に関与することも、すでに総務省が了承しているといううがった見方です。表面上は孫氏をトラブルメーカーとして扱いながらも、総務省も内心は孫氏の豪腕と改革への情熱に感謝しているという解釈です。

今日日本がブロードバンド大国としての地位を獲得した最大の功労者は、Yahoo! BB の価格破壊にあることは間違いありません。日本の行政は、自ら強烈なリーダーシップを発揮することは、ほとんどありません。これまで大きな変革を起こしたい時は、米国を中心とした「外圧」の力を利用してきました。ブロードバンドの普及に関しては、孫氏が「外圧」的な働きをして好結果が生まれたとは、考えられないでしょうか?

総務省自身は、通信と放送の垣根の問題に関しても、既得権益が絡んでくるために明解な回答を出せていない状況が続いています。同じような映像を提供する事業でも、BSは放送で、CSは通信と区別されています。外国資本のCNNやBBCが家庭で何の制限もなく見れる時代に、放送の公共性を掲げて地上波だけを外資規制の対象にしても、実態としてはほとんど意味のない話です。現在の放送行政は矛盾だらけです。矛盾は分かっていても、行政側に妙案はありません。

自分で回答を見つけられない行政側としては、放送分野でも孫氏にひと暴れしてもらえば、自ら手を汚さなくても、解決策が見つかるのではないかという虫のいい考えがあるのではないでしょうか。どうせかき回されるのならば、ライブドアの堀江社長よりも孫氏の方が、まだ安心だという判断もあります。また、楽天の三木谷氏を駆り出すのは、堀江潰しの意図があからさま過ぎてしまうという考えもありますし。以上、いいかげんな純個人的妄想でした。


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コメント

鋭いご意見ですね。
ホリエモンが一番恐れていたのが、孫さんだと思いますので
今後の展開が非常に興味深いですね。

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