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グーグルとウォルマートの共通点はマーケティングvsプライバシーの問題

2005年04月27日

このブログを昔から読んでいる方ならわかると思いますが、私は一見関係のなさそうな人物や事象から、共通点を探し出すことを楽しみにしています。例えば、ライブドアの堀江貴文氏とヴァージンのリチャード・ブランソンを比較した 『トップが有名であることのメリット 堀江貴文氏は日本のブランソンになれるか?』や、ファーストリテイリングの玉塚元一氏とローソン新浪剛史氏の比較 『ファーストリテイリング社長玉塚元一氏を単なる若大将社長と見なす疑問』 などが、その代表例です。

似たもの探し好きの私にピッタリの記事を発見しました。 情報源は、意外に似ている? グーグル社とウォルマート社(上)です。

小さな小売店からスタートし、米国有数(実際には世界有数)の売り上げを誇る企業にまで成長した米ウォルマート・ストアーズ社。同社はその過程で、テクノロジーの用途を根本から変革し、まったく新しいビジネスの手法――人々が欲しいものを見つける手助けを行なうこと――を生み出した。

一方で、インターネットには今、『Google』(グーグル)がある。

世界でトップクラスの利益を上げるウォルマート社と、仮想世界でトップクラスの利益を上げる検索関連ビジネスの米グーグル社には、意外に感じられるほど多くの共通点がある。

以下、次のような点を挙げて両社の共通点が述べられています。

  • 創立者
  • 会社の標語
  • 別の標語
  • 時価総額
  • 市場シェア
  • 成功の秘訣
  • 社訓など ......

非常に面白い試みだとは思うのですが、一読したところでは「とりあえず現在の勝ち組企業という以外には共通点は少ない」というのが私の印象です。再度読み直してみても、この考えは変わりませんでした。

私が両社の共通点を挙げるとすれば、「ユーザの使用(購買)履歴情報を元に新たなマーケティング戦略を構築しようとしている企業」ということになります。さらに、この種の 顧客情報を蓄積しようという動きが、プライバシー擁護派から警戒の目を向けられている点でも共通しています。

最初にグーグルの新サービスの話を紹介します。情報源は、『Google』の検索履歴サービス、プライバシーに懸念もです。

サンフランシスコ発――米グーグル社(カリフォルニア州マウンテンビュー)は、検索エンジン『Google』(グーグル)に、ユーザーの過去の検索キーワードと検索結果をすべて見られるようにする新機能をベータ版として追加した。この機能は役に立つだろうが、同時にコンピューターに覗き穴を作って、ユーザーにきまりの悪い思いをさせることになるかもしれない。

マイ・サーチ・ヒストリーでは、自動的にGoogleにユーザーを認識させ、同じコンピューターからアクセスする際に毎回ログインせずにすむようにもできるし、アクセスのたびにログインしてもよい。その際には、Googleホームページの右上に表示されるヒストリー・サービスへのリンクを使う。

マイ・サーチ・ヒストリーにログインすると、過去の検索活動の詳細な情報を閲覧できる。また、『ポーズ』(Pause)をクリックすると、一時的に検索活動が履歴に記録されなくなる。

ユーザーは、履歴ページに表示されるカレンダーを利用して、特定の日に行なった検索の記録をピンポイントで調べることもできる。新たな検索の際に、関連する過去の検索結果を自動で検知して表示する機能もある。

しかし、『ワールド・プライバシー・フォーラム』の代表で、プライバシー権に詳しいパム・ディクソン氏は、この新サービスのせいで、詮索好きな人間や、さらには政府さえもが、ユーザーの検索履歴のすべてを容易に把握できるようになってしまうことを不安視する。

「実によくない考えだ」とディクソン氏。「過去の検索を記録しておく必要があるなら、ノートを使うことを勧める。その方がはるかにプライバシーを守れるし、よほどリスクが小さい」

商品に無線タグ(RFID)をつけることにより、効率的な在庫管理や顧客情報の管理に活用しという取り組みが、世界各国の流通業者で始まっています。巨大な購買力を背景に、納入業者に対するRFIDの義務化で先陣を切ったのがウォルマートです(RFIDはリテール・マーケティングに革命をもたらすか?)。

プライバシー擁護派からの反対にありながらも、RFIDで収集した購買履歴情報のマーケティングへの利用を諦めようという様子は見られません。 情報源は、RFIDタグ、プライバシー vs マーケティングです。

商品に付けられているRFIDタグ(商品の種別と固有のIDコードを記した無線タグ)は、それらから収集されるデータと顧客の個人情報との照合が懸念されており、業界は消費者やプライバシー擁護派が抱くそうした不安の払拭に努めている。個人情報と結び付けられれば、RFIDタグは、マーケティング業者や ID窃盗犯、そしておそらく政府の情報追跡ツールにもなり得る。

業界――主に小売業者と商品を供給する製造業者――は、タグがパッケージや製品内部に付されている場合は必ず消費者にそれを告知する自主規制を設ける予定だという。また米IBM社などの一部の企業は、清算後にタグを無効にできる「無効化装置」を作っている。

ただし業界は、消費者にRFIDタグを衣服などの商品に付けたままにしてもらいたいようだ。店内や家庭、あるいは街角に設置されたインターネット接続の読み取り装置を使ってそれらを有効に活用するためだ。例えば米ウォルマート・ストアーズ社や米ターゲット社、米ベスト・バイ社は、そうした方法により、消費者に接触できるときはいつでも、彼らが身に付けているものに関連付けて新しい商品を売り込むといったマーケティングが可能になる。

マーケティングの世界で「one to one marketing」の有効性が提唱され始めてから、かなりの歳月がたちました。コンセプトとしては十分に理解されていても、なかなか実現できないのが「one to one marketing」です。最先端の技術の開発により、「one to one marketing」のベースとなる顧客情報の管理が可能になる時代が来ました。

ユーザ個々の使用履歴情報を活用したマーケティング戦略の実践により、現在の業界NO.1の地位を確固たるものにしようと狙っているのが、グーグルとウォールマートです。現状では、両社のサービスのユーザにとってのメリットが十分に伝わってきません。今後はユーザメリットを訴求する取り組みが必要でしょう。

おそらくプライバシー擁護派からの反対の声も聞き入れて、サービスを望まない人間は、その一部または全部を拒否するシステムが導入されるはずです。いわゆるオプト・アウトの発想です。メリットとプライバシーのトレードオフの問題について、個々の消費者が判断を迫られるような時代が来るのも、案外近いのではないでしょうか。


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