« CEOとはその発言と一挙手一投足が責任を問われる存在:オペラとトレンドマイクロ | メイン | 楽天イーグルスのオーナー三木谷浩史氏はコーチ陣のリストラを断行すべきか? »

Topマーケティング戦略 > 経営コンサルタント板倉雄一郎氏が指摘するクロスセル拡大の可能性を考える

経営コンサルタント板倉雄一郎氏が指摘するクロスセル拡大の可能性を考える

2005年04月28日

ライブドアのニッポン放送株取得の問題以来、日本企業でもM&Aが一躍経営手法の一つとして注目されるようになりました。しかし、マスコミが取りあげないため、我々が直接知る機会が少ないだけで、日本企業の間でもM&A、特に友好的なM&Aの件数は、着実に増加する傾向にあります。今回は、そんな地味な業界での友好的なM&Aの事例を紹介します。 情報源は、『コンドームのオカモトがイチジク製薬を子会社化』(R25 2005年4月29日号 13ページ)です。

去る2月、コンドームのオカモト株式会社が浣腸薬最大手のイチジク製薬を買収した。イチジク側からオファーを出した友好的M&Aだというが、経営コンサルタントの板倉雄一郎氏は「買収による収益拡大が考えられにくいライブドアとニッポン放送の例とは異なり、規模は小さいものの相乗効果を生むはず」として興味を持っているという。

オカモトのプレスリリースによると今回のM&Aの狙いは、(1)取扱商品の拡充、(2)商品の開発・企画力の強化、(3)事業体制の共用化。「今年1月のP&Gによるジレット買収は、取扱商品が重なっていない、流通ルートや販売網が同じなどの理由からM&Aの成功例だといえます。

オカモトとイチジクも同様のケース。インターネットのショピングサイトを調べたところ、意外にもコンドームとイチジク浣腸を一緒に買っている人は多いのです」(板倉氏)。これにより、いわゆるクロスセル(同じ顧客に別の関連商品を売ること)拡大の可能性も高いとのこと。

この記事に登場する板倉雄一郎氏は、1990年代の初めにネット・ベンチャーの走りともいえる、ハイパーネットを起業した人物です。その後、同社は倒産します。その波乱万丈の経緯は、板倉氏の著書『社長失格』に詳しく述べられていますので、興味のある方には一読をお奨めします。現在は自らの失敗の経験を活かして、経営コンサルタントを生業として活躍中です。同氏の略歴は板倉雄一郎事務所をご覧下さい。

さて、意外なクロスセルの代表例としてマーケティングの教科書で紹介される組み合わせといえば、缶ビールと紙おむつです。米国では紙おむつはかさばるために、父親が休日にまとめ買いする傾向が高いことがわかりました。そこで、あるスーパーマーケットが試しに紙おむつの隣に、同じく休日にまとめ買いされている缶ビールを陳列したところ、爆発的に売れたという話です。

オカモトによるイチジクの買収に関しては、板倉氏がテレビ番組『朝まで生テレビ!』に出演した時にも、有効な企業買収の実例として紹介していました。その時抱いた疑問が、今回の記事を読んでも解決できません。それは、コンドームとイチジク浣腸を一緒に買う理由です。

両方とも、他人に買っているところをあまり見られたくない性質の商品なので、インターネットで購入される割合が高いであろうことは理解できます。しかし、各々の商品に対する消費者ニーズには、普通で考えれば全く関係性は見られません。コンドームの購入目的は避妊であり、浣腸は便秘解消です。

したがって、前者を買った人が、ついでに後者の製品を買っておこうという気になるといった消費者心理も想像できません。しかし、これは私の両製品の必要性に対する認識不足のせいなのかもしれません。両製品とも「まさかの時のために一家には必ずなければならない」常備性の高い必需品と考えるのが世間一般の常識というものでしょうか?

もう1つ別の考え方もあります。私もSとかMとかいう、特殊な趣味をお持ちの方々が、両方の製品を一緒に使うケースがあることも理解しています。そういう方は、インターネットでまとめ買いをしているのでしょうか? しかし、その種の趣味の方の数は、「クロスセルの拡大の可能性も高い」というほどに多いのでしょうか? たいしたマーケットサイズにはならないと考えてしまう私の方が、世の中の実態を知らないのでしょうか?

私の貧困な発想の範囲では、どうしてもクロスセルの拡大の可能性を期待する理由が発見できません。もし、納得できそうな理由を知っている人がいらっしゃれば、教えていただきたいと思います。


★ランキング絶不調につき、『人気ブログランキング』をクリックしてください。
明らかに飽きられているようですが、ご支援をお願いします


【ビジネス書近刊】

マーケティングクリエイティブ (1巻)
石井 淳蔵 大西 潔

碩学舎 2005-04
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る by G-Tools

転職したいヤツに欲しい人材はいない
梅森 浩一

光文社 2005-04-22
売り上げランキング : 602

おすすめ平均
本書によって自分を客観的に見直す価値は大きい!
転職を考えた時に読むべき1冊
転職しない技術

Amazonで詳しく見る by G-Tools

三十路の手習い
八塩 圭子

日経BP社 2005-04-21
売り上げランキング : 29,600


Amazonで詳しく見る by G-Tools

ニート脱出―不安なままでもまずやれる事とは
和田 秀樹

扶桑社 2005-04
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る by G-Tools

ジョブレス・リカバリー―不完全雇用のマクロ経済学
井本 友文

日本評論社 2005-04
売り上げランキング : 189,590


Amazonで詳しく見る by G-Tools

世の中、大激変中 いま一番知ってほしい大切なこと
船井 幸雄

徳間書店 2005-04-26
売り上げランキング : 69


Amazonで詳しく見る by G-Tools

全国優良都市ランキング―サービス度・革新度で測る自治体の経営力 (2005-06)
日本経済新聞社

日本経済新聞社 2005-03
売り上げランキング : 32,757


Amazonで詳しく見る by G-Tools

「ブログ」入門―50代にもよくわかる
滝田 誠一郎

ベストセラーズ 2005-04
売り上げランキング : 191,161


Amazonで詳しく見る by G-Tools


  • このエントリーをdel.icio.usに追加
  • このエントリをニフティクリップに追加
  • このエントリをLivedoor クリップに追加
  • このエントリをFC2ブックマークに追加
  • このエントリーをバザールに追加
  • このエントリをSaafブックマークに追加
  • このエントリをChoixへ追加
  • newsing it!
  • このエントリーをCoRichへ追加
  • このエントリーをはてなブックマークする
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • このblogをはてなアンテナに追加
  • このエントリーのはてなブックマーク数

関連するエントリー

ワード

このエントリーのダイレクトリンクURL:

このエントリーのトラックバックURL:

【注意】重複トラックバック防止プラグインにより、同一エントリーに対する同一のトラックバックは登録されない設定にしています。また2006年から、本エントリーへのリンクのないトラックバックも登録されない設定に変更しました。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)



アクセス解析 アクセス解析 レンタルCGI