アダルト専用ドメイン「.xxx」承認は米国流プラグマティズムの象徴
2005年06月03日
1年以上前に投稿した記事アダルトサイトは「.XXX」で決まりか?の決着がつきました。予想通り、アダルトサイト専用のトップレベルドメイン(TLD)として、.XXXをICANNが正式に承認しました。 情報源は、ICANN、成人専用の「.xxx」ドメインを承認です。
ポルノ配信業業者やその顧客らは、自分たち専用のバーチャルな赤線地帯をもうすぐ手に入れることになるだろう。
インターネットのアドレスを管理する非営利組織 、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が、米国時間1日に「.xxx」ドメインを承認した。これまで、このドメインに反対する立場をとり、米国の保守系政治家との間でもめごとが起こらないようにしてきた同グループが今回、それを覆す判断を下した。
ICANNは現在、ICM Registryと残りの詳細部分を検討しているところで、「.xxx」ドメインが2005年末までに取得可能になると語った。
ICM Registryの会長Stuart Lawleyからはコメントは得られていない。同氏は2004年にあるインタビューのなかで、「.xxx」のつくドメイン名を1件75ドル程度で提供する予定だと述べていた。また同氏は、このドメインを使用するうえでの制限は、コンテンツが成人のみを対象としていることを明示すること以外に何も設けられないとも述べていた。「完全に違法な児童ポルノは別にして、サイトの内容を監視することはまったくない」(Lawley)
ICANNはカリフォルニア州の非営利組織で、米国の政府機関ではありません。その判断は、あくまでも全世界のインターネット・コミュニティの利益を基準にしてなされるものです。しかし、今回の .XXX の承認は、極めて欧米的なプラグマティック(現実的)な発想に基づくものといえそうです。
今回の承認の前提は、アダルトサイトの存在を必要悪として認めることから始まります。そもそも需要があるから供給があるだけという市場原理の考え方と、違法でない限りはアダルトコンテンツにも表現の自由が認められるべきとの考え方が米国流の基本です。その存在自体の否定ばかりしていても、何ら現実的な解決策は生まれないということでしょう。
.xxx が実装されれば、子供に有害コンテンツを見せたくない保護者は、見れないようにブラウザのフィルタリング設定をすればよいことになります。確かに、このこと自体は、保護者にとって喜ぶべきことでしょう。しかし、よく考えると子供に有害コンテンツを見せないようにする責任が、コンテンツの供給者から保護者に移ることでもあります。つまり、子供が見てしまったら、その責任は適切な設定をしなかった保護者が悪いということになり、コンテンツ供給者を責めるだけではすまない時代になるわけす。
マーケットのニーズがある物品やサービスを提供するのは、経済活動として当然の行為として認め、使用結果を有害にするのも無害にするのも、使用者側の責任というのも米国流の発想の特徴です。殺傷能力のある銃火器を製造・販売するのは経済行為であり、それを使って犯罪を犯す人間が悪いと考えるのと同じことです。
実際に .xxx が導入されたとしたら、期待通りの効果があがるのかを判断するには、現時点では難しいものがあります。例えば、日本ではテレビで普通に見ている暴力シーン(バイオレンス)は、米国のテレビでは有害コンテンツとされる場合もあります。同じような判断基準が、Web サイトでも適応されることになるのでしょうか? また、少女系アニメはどうでしょうか?
そもそも国、地域によって異なるコンテンツの規制基準を、国境のないインターネットの世界で画一的に実現するには、クリアーすべき課題が山ほどあります。それでも1つだけ確実に予想できることがあります。職場のインターネット環境では、どこの国でも .xxx は見れないような設定になるはずです。業務上、この種のサイトを見る必要性はないことは明らかですから。
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