弱小新聞フジサンケイビジネスアイがビジネスブログを始める理由
2005年07月01日
いろいろあったフジテレビですが、大荒れだった株主総会も終わりました。 情報源は、『フジ総会、怒号やまず――「ライブドア提携、効果疑問」』(2005年6月30日 日本経済新聞 朝刊 9面)です。
ニッポン放送を巡りライブドアと経営権の争奪戦を繰り広げたフジテレビジョンが29日、都内で株主総会を開いた。一連の騒動について、これまで態度表明する機会が与えられなかった個人株主から経営陣批判が続出、怒号が飛び交う“糾弾総会”になった。
会場となった東京ビッグサイトのホールは昨年の倍の約1500人の株主で埋まった。午前10時の開催時間の少し前、経営陣が壇上に姿を現すと株主数人が「(ライブドアとの攻防に費やした)2600億円を返せ」と大声で駆け寄り警備員に取り押さえられるなど、場内は騒然とした雰囲気に包まれた。
午後0時25分には株主が「経営陣は我々の貴重なお金をどぶに捨てた。質問にもまともに答えていない」と議長不信任の緊急動議を出すが否決。0時30分過ぎ、まだ数10人の株主の手が挙がる中、日枝会長は質疑を打ち切り議案の採決に入った。拍手と怒号が交錯する中で議案がすべて可決されると経営陣は一礼をして退席。総会終了後も「誰のための総会か」「逃げるな」などの怒鳴り声がしばらく会場にこだました。
ニッポン放送も上場廃止になり、懸案だった資本構成のねじれも解消されて、事業持ち株会社のフジテレビを頂点とした体制に移行することになります。今後はフジサンケイグループ全体のメディア戦略が明らかになってくるでしょう。そう期待していたところ、こんな記事を見つけました。 情報源は、フジサンケイビジネスアイ、7月4日に「ビジネスアイブログ」開設です。
フジサンケイビジネスアイは6月28日、Blog形式のニュースサイト「ビジネスアイブログ」を7月4日より開始すると発表した。日刊の全国紙としては初の試みとなるとのこと。
ビジネスアイブログでは、Blogのコメントやトラックバックといった機能を活かし、読者との双方向のコミュニケーションを強化して、さまざまな声を紙面作りに反映するという。
主要ニュースを始め、紙面で好評の経済評論家である木村剛氏らのコラム、読者からの質問に答えるコーナーなどを展開する予定。ビジネスパーソンの交流の場として活用してほしいとしている。
フジサンケイビジネスアイは昨年、日刊工業新聞をリニューアルしたものです。 それがきっかけとなって発行部数が伸びたのかどうかは不明ですが、現在の発行部数は、たかだか10万部程度の新聞です(発行部数に関しては正式なデータが入手できなかったので、このページを参考にしました)。ちなみに日経本紙の販売部数は300万部、日経産業でも17万部あります。52万部ある日刊工業新聞ですら経営不振に喘いでいます。
週刊サンケイがSPA!に生まれ変わったのは大成功だと認めますが、フジサンケイビジネスアイがターゲットとする日経新聞からシェアを奪えているとは思えません。フジサンケイビジネスアイが「日刊の全国紙」と謳うことは嘘ではありませんが、その中で最弱の新聞であることも事実です。
そんな新聞本体が新たにブログを始めることの意味がよく理解できません。ブログの読者が本紙を買うようになると期待しているのでしょうか? もっとわからないのが、フジサンケイグループ全体でのニュース系サイトに対する戦略です。既に同グループで開設しているニュース系サイトには、次のようなものがあります。これにまた1つビジネス系ブログが加わるわけです。
各々ターゲットが違うので、フジサンケイグループ全体での戦略上の矛盾はないという考え方だとは思いますが、かえってアクセスが分散しているだけではないでしょうか? ライバルのニュース系メディアは、これほどの数のサイトは抱えていません。
読売系が本紙と報知のサイト。朝日新聞は本紙とアスパラクラブ(アスパラクラブの効果は疑問ですが)。毎日はやる気のない本体とやる気のある MSN-Mainichi INTERACTIVEとスポニチ。日経はNIKKEI NET と存在理由が不明なNIKKEI goo。 単独のメディア力が弱いところほど、アライアンスによりサイトを多く持っているように思えます。
フジサンケイグループがビジネス系のブログを始めることには反対ではありません。しかし、競争力のないネットメディアを多数抱えるよりは、もう少し戦略的に絞り込むべきではないでしょうか。ネットで情報提供するだけでは、なんら収益に貢献することはないからです。厳しく言えば、フジサンケイビジネスアイは撤退すべきビジネスと考えるのが妥当でしょう。
しかし、このブログが全国のビジネス系ブロガーの人気サイトになる可能性もあります。個人のブログと同じように、トップページのサイドバーに「最近のトラックバック」が表示されているからです。リンクを稼ぐためだけの理由でトラックバックを送る人が多いかもしれません。
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