インターネットIQテストが生まれるくらいに重要な情報検索と評価能力
2005年07月06日
先ほど、小学生のパソコン利用に関する投稿をしました(米国での調査「家庭でパソコンを使える子は成績がいい」に不満な理由)。これも米国でのことですが、大学生を対象にインターネットIQを測るテストが実施されるという話です。 情報源は、「インターネットIQ」を測るテスト、開発中です。まずテスト導入の背景となった、大学生のネットの利用状況に関する説明から。
カリフォルニア州立大学の学術プログラム担当副総長ローリー・ロス氏は、次のように表現している。「わが校の門戸をくぐるすべての生徒が、Googleで検索して幾つか当たりが出れば、ちょうどそこで研究論文の材料が手に入ると考えている」
同校とほかの多数の大学が、ETSとともにインターネット知能を測るテストを作ろうとしている理由はそこにある。このテストは、学生が信頼できるオンライン情報を探し当て、その情報の裏付けを取ることができるかどうか、その材料の適切な使い方、クレジットの付け方を知っているかどうかを測定する。
「このテストは学生が大学に入学する際に、数学・英語のスキルと同じくらい重要なスキルを測る。このスキルを持たずに大学に入るのであれば、自分が教育を受けた人間なら持って当然と期待されるスキルを有していないことを知る必要がある」(ロス氏)
ロス氏は、このテストの大半は、クリティカルシンキングのスキル、Webサイトの正当性を分析する能力、研究の適切な引用と盗用の違いについての知識――同氏いわく「1969年にわたしが大学に入って以来、あまり変わっていない」こと――にフォーカスしていると語る。
米国の学生の70%以上が、研究データを集める時には図書館よりもインターネットを利用すると答えている時代です。ロス氏もこのような時代の流れを認めて、論文執筆においてインターネットの利用を否定しているわけではありません。問題点と指摘されているのは、次のような点でしょう。
- ネットで検索した結果を安易に切り貼っただけの論文が多い。したがって、どれも似たりよったりの内容になる。
- 単純に検索上位の結果が引用されることが多く、その情報の信憑性について疑問を抱くことが少ない。検索順位が高いものがすなわち正しい情報ではない。
- 使用した検索情報のソースを正しくクレジット表記していない。他人の意見をクレジットなしで掲載すれば、盗用になる。
今や宿題や論文作成にインターネットが利用されるのは当たり前です。私は、そのうち教室内のテストでも、ネットが許可される日が来るのも近いと想像しています。実際には、私が知らないだけで、もうネット利用が許されているのかもしれません。テキスト、辞書など何でも持ち込み可だったテストの発展形ですね。
大学生にとって、ネット情報の検索技術と検索結果の真贋を評価する能力が、ますます重要視されることは間違いありません。それでは、このような能力は大学生になって初めて必要とされる能力なのでしょうか? 玉石混交のネット情報の正確な検索と評価能力は、大学生に限らず全ての人間に求められていると考えるべきでしょう。
その内容が曲解して伝えられたことにより、各所で論議を巻き起こしたのが、総務省の「情報フロンティア研究会」報告書です。総務省側の真意は「ネットに匿名性は不可欠」――総務省に詳しく述べられていますので、いわゆる「匿名性問題」はここでは深追いしません。問題となった箇所「第3章 提言」の46ページに次のような記述があります。
私たちは、今後の教育現場における取組に期待したい。学校とは人と人の間のコミュニケーション手法を学び、他人と交流する能力を養う場でもある。 ICTを活用したコミュニケーション能力は学校で学ぶことが望ましい。いわゆる情報検索・探索技術やネットを介した互学互習のやり方の習得といったことに加え、ICTにより実現されるバーチャルな環境を、現実社会と同じ感覚で活用すること、すなわち、サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と安全に交流することを自然の術として身につけるための教育が必要である。
ネットでの情報検索技術の習得の必要性が提言されています。明示的ではないのですが、情報検索技術の中には情報の真偽を見極める能力が含まれていると考えるのが妥当でしょう。この提言が早期の実現して、学校教育の場でも情報検索技術を学ぶ機会が提供されることに期待したいと思います。将来的には米国の大学のように、IQテストが日本でも導入されるようになるのかもしれません。
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