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同じSNSの利用実態調査結果を題材にした記事でも、読者に与える印象は正反対

2005年07月12日

ニュースの見出しとはその記事の内容を正しく表すものでなければなりません。このブログでも過去に何度も指摘してきた通り、見出しはコンテンツ本体と同じぐらい、場合によってはそれ以上に、重要な情報源だと考えています。特にこれだけ情報が溢れる世の中になってくれば、見出しをスキャンするだけで、中身を読まずに済ませてしまうことも少なくありません。さらにRSSリーダーを利用した情報収集が普及すれば、この傾向に拍車がかかることは間違いないでしょう。

本日も、同一の調査結果を解説した記事でありながらも、全く異なる見出しがつけられた記事を発見しました。題材となったのは、NTTレゾナントと三菱総合研究所が共同で実施した「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用実態」に関する調査です。

まず最初に、CNET Japan の記事 悲劇的なgooリサーチ結果--SNSは認知も利用もされていない を紹介します。

調査対象者のうち、現在SNSを利用している人は6.6%、過去に利用経験がある人は2.2%と、利用経験者の割合は合計でほんの8.8%と、全体1割にも満たない。また、SNSというサービスの存在を知らない人は52.6%と過半数を占め、名前だけを知っている人も27.0%にとどまり、SNSの認知度は非常に低い

そして、こうした「利用したことがない」と回答した人に、SNSの内容を説明した上で今後の利用意向を尋ねると、「あまり利用したくない」、「絶対利用したくない」という回答を合わせて72.7%に達した。逆に「ぜひ利用したい」はわずか2.3%に過ぎず、利用に対しては否定的だ

太字にした部分から明らかなように、のっけからSNSに対してのネガティブなトーンが伝わります。記事の流れからは、利用度、認知度、利用希望度、いずれの調査項目でも極めて低い結果が示されているので、SNSの将来は絶望的といった結論に誘導されることは間違いないでしょう。

また、利用頻度では、ほぼ毎日SNSのサイトにアクセスする人は33.1%、週4~5日アクセスする人も18.4%と合わせて51.4%いる。登録している友達の数は2~4名が41.9%ともっとも多く、10名未満の人は全体の74.3%を占めるが、20名以上の人は全体の11.9%にすぎず、大半が少人数の登録にとどまっている

比較的好結果だと思われる毎日アクセスする人の割合へのコメントは、まったくありません。逆に登録している友人の数の低さに焦点を当ていることには、SNSへのネガティブなイメージを強調しようとする意図すら感じられます。

利用者における今後の利用意向については、「ぜひ利用したい」、「できれば利用したい」とする回答者が合わせて84.5%もあり、継続して利用したい意向がうかがえる。「絶対に利用したくない」と回答した人は1人もいなかった。ただし、SNSが有料になった場合、「必ず利用する」と回答したのはわずか 2.9%で、「おそらく利用する」との回答も14.7%と低い。逆に「絶対に利用しない」は21.3%、「おそらく利用しない」は61.0%と合計で 82.3%の利用者がサービスの有料化に強い抵抗感を示している

継続利用希望の高さに触れた点は、この記事の中で唯一SNSをポジティブに評価していると考えられるところです。しかし、記事全体のトーンと流れの影響を受けて、この記事を読んだ人の多くが、SNSに対して否定的なイメージを持ったままで終わることになると思います。

一方、同じgooの調査結果を題材にしたITmedia の SNSユーザーの3分の1が「毎日アクセス」 の方では、冒頭からしてSNSに対してのポジティブなイメージが伝わります。

NTTレゾナントと三菱総合研究所が7月11日に発表したソーシャルネットワーキングサイト(SNS)に関する調査結果によると、ユーザーの3分の1が毎日アクセスしており、8割以上が今後も利用したいと考えていることが分かった。

SNSユーザーで、ほぼ毎日SNSにアクセスしているのは33.1%。週4~5回が18.4%、週2~3回が19.1%、週1回が10.3%、月2~3回と月1回以下がそれぞれ9.6%だった。年代別に見ると、20代のユーザーのアクセス頻度が他年代に比べて高く、週4日以上アクセスする人が8割以上となった。

今後もSNSを利用したいと答えたのは84%。ただ、82.3%が「有料化したら利用しない」と答えており、有料化への抵抗は強いようだ。

最初の部分を読んだ人は、SNSは現ユーザの満足度が高くて、毎日習慣的に利用している人もかなりの割合に上る、将来性に富んだサービスといった印象を受けるはずです。CNETの記事と一致するところは、「有料化への強い抵抗感」に関する記述ぐらいではないでしょうか。

今回2つの対照的な記事を紹介した理由は、SNSを分析するためではありません。同じ材料を使っても、書き手の基本的なスタンスによって、どのようにでも料理できるという実例を示すためです。

題材となった「SNSの利用実態」は、どう解釈しても大問題とは呼べない種類のテーマかもしれません。 しかし、これが自分が本当に興味のあるテーマだった場合のことを想像してください。複数のニュースソースから情報収集する習慣をつけることの重要性に気づくはずです。


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