楽天の個人情報漏洩事件への三木谷社長の対応はビジネスリーダーとしての試金石
2005年07月28日
楽天市場からの個人情報流出がマスコミの話題になっています。本事件に関しても、推測を含めて最も詳細な情報を提供しているところは、毎日新聞系のメディアです。下記の報道によれば、漏洩した情報の件数と内容を考えると、この種の事件では過去最大に規模に発展するような可能性もあるようです。 情報源は、楽天市場:流出データには下着の色やサイズまでです。
「カラー…ブラック&レッド」。インターネット上の仮装商店街「楽天市場」から流出した顧客データには、注文した下着の色やサイズまで記入されていた。クレジットカード番号を含む20項目以上のデータが入った情報を購入した関係者の一人はデータを示しながら「流出データは10万件以上のはずだ」と語った。別の関係者は「詐欺目的で購入した」と証言。クレジットカード番号を含む大量の顧客情報流出は、底知れぬ被害拡大を招きかねない。
関東地方の振り込め詐欺グループの関係者は今年5月末ごろ、「楽天の関連企業を辞めた」とされる人物から大量の顧客情報の購入を持ちかけられた。同時期、関西の暴力団関係者にも同一人物からの働きかけがあったという。合わせて50万件以上が売却されたという情報もある。
今回、流出したデータには、クレジットカードの有効期限や購入した商品番号、宅配時刻の指定などをする備考欄なども含んだ詳細なものだ。住所も北海道から東京、大阪など、ほぼ全国に及ぶ。楽天は「カードの不正利用は確認されていない」としているが、関係者の一人は「カードの支払いは約1カ月後だから、被害が発覚するのはこれから」と話している。
また、別の関係者は「1年半ほど前に、閉店するという楽天市場の店舗から『データを持っていても意味がないから』と持ちかけられ、200件ほど購入した」とも証言した。この関係者はカード番号を悪用して「自分で運営するアダルトサイトに登録させ、毎月5000円程度の会費を徴収できる。本人はパスワードを知らないから、仮に被害に気づいてもなかなか解約できない」と悪用の手口を明かした。
この報道に対して楽天側がホームページ上で公開している公式見解が次の内容です(楽天市場の店舗での取引に係る個人情報の流出について(続報))。
本日複数のマスコミにて、「楽天市場」に出店している店舗の取引に関わる個人情報7万件から10万件が流出した可能性がある、との報道がなされました。 弊社において現段階で確認できたことを申し上げます。
本日午前7時現在、本件に関し確認できた個人情報の流出件数は161件増えて、284件でございます。新たな情報は、全てご連絡済みの店舗(株式会社センターロード)一店舗に限られ、その他の店舗については確認されておりません。 また、報道はこれらの個人情報が暴力団の資金源になっている、或いは大量の不正使用の可能性がある等としていますが、これらの報道についての事実関係は確認されておりません。
これまで調査したところでは、弊社内部から流出した可能性は限りなく低いとの結論に達しています。また、クレジットカードに関しては、8月請求分を含め不正使用の可能性の有無について調査を行っています。更に、今後の発生の防止の為に、カード会社各社に対し、監視(モニタリング)も依頼済みですが、大量の不正使用という事態は確認されておりません。
流出件数が10万件対284件と、両者の間にはかなりの開きがあります。被害状況の詳細は、現在確認作業中の楽天側の発表を待つしかありません。しかし、7月25日に発表された件数123件が、3日後にはその倍以上に増えているのは事実ですし、確認作業が進めばその数字がさらに膨れあがる可能性もあるでしょう。
かなりの憶測を含むと思われる毎日新聞の報道内容を、そのまま鵜呑みにするつもりはありません。したがって過剰に反応することも慎むべきだと思います。その点を割り引いたとしても、現在の楽天側の対応は十分だとは思えません。
流出事件に関する発表内容はトップページの最上部に、あまり目立たない形で掲載されている程度で、サイトは通常通り運営されています。今回の流出対象になったデータは一部の取引情報に関わるもので、 これから楽天市場を使うユーザ全体には、無関係という考え方なのでしょうか?
即刻サイトを閉鎖せよとまで言うつもりはありません。しかしこれだけマスコミを騒がせていて、なおかつ被害状況や流失経路の完全な特定が終わっていない以上、ユーザに対する注意喚起をもっとわかりやすい形で表すべきです。
カカクコム事件の例を持ち出すまでもなく、この種の個人情報漏洩事件は初期対応のあり方に企業姿勢が問われるものです。自他共に日本のEコマース市場のリーダーである、楽天および同社の三木谷浩史社長には、決然とした態度を見せてもらいたいと思います。
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