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新型交通信号システム導入に見る日米の発想の違い

2005年08月24日

たまたま交通信号に関する話題を2つ続けて読みました。日米の考え方の違いが現れているようでもあり、比較してみると結構面白いのではないでしょうか。最初は、 渋滞状況みて「青」に、考える信号導入へというタイトルの記事から見つけた、東京新聞の元ネタを紹介します。

警察庁は二十二日、交差点で交通量などを計測して次の交差点の信号を自動的に操作する「プロファイル信号制御方式」を導入する方針を明らかにした。

このシステムは、道路上の感知器で計測した車の量や速度などに応じ、次の交差点の状況を予測して青信号の長さなどを自動的に変える。交通管制センターなどを経ないで、交差点にある制御機同士が直接情報を交換するのが特徴。交通量が急に変化してもリアルタイムに反応し、常に最適な制御を行う。

昨年度まで三年間、名古屋市内の道路で実証実験を行い、移動時間が最大20%短縮するなどの効果があったという。警察庁は「信号の待ち時間短縮に大きな効果が期待でき、地球温暖化防止策にもなる」としている。

簡単に言えば、交通量に応じて周辺の信号機を自律的に制御させるというシステムです。周辺の信号機全体の最適解を求めるこのシステムは、調和を重んじる日本ならでは発想から生まれたような感じがします。

同じ信号による交通制御のでも、米国ではそんなまどろっこっしいやり方はしません。米国の緊急車両の運転者は、自分の都合で直前の信号機を自由に制御できてしまいます。 情報源は、赤信号を青信号に変える赤外線発信器、無許可所持が違法にです。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は10日(米国時間)、『道路整備事業法案』に署名したが、その中の『交差点安全法』(Safe Intersections Act)は、「信号機優先通行装置」を無許可で使用すると軽罪になると定めている。この装置は、警察、消防、救急車両の運転士が交差点にさしかかったときに信号機を青に変換する、特殊なリモコンだ。

全体の交通状況を無視して、特定の車両のためだけ交通信号を変えるという発想は、かなり強引です。こんなリモコンがあるからこそ、アクション映画並のカーチェイスのシーンが現実でも見られるのかもしれません。今回に法案によって、規制されることになったわけですが、それまではこの装置が堂々と市販されていたというから驚きです。

議会がこの可搬式赤外線発信器(MIRT:Mobile Infrared Transmitters)と呼ばれる装置に関心を持ち始めたのは数年前、青信号を待てない自動車通勤者向けに500ドル前後でMIRTのオンライン販売が始まったときだ。すでに複数の州で同装置の無許可所有を禁止しているほか、マイケル・デワイン上院議員(共和党、オハイオ州選出)が2003年に連邦レベルでの規制法案を提出し、警察と消防から支持を得ていた。

いまやネットを探せば、必要な情報は何でも入手できる世の中です。当然、自作派もいます。

エリクセン氏の会社ではMIRTを250ドル前後から販売しているが、もっと安く入手する方法もある。先月、ハードウェアのハッキング方法を教えるサイトの『アイ・ハックド・コム』では、ごくわずかな部品で総額で20ドルもかけずにMIRTを自作する設計図と説明書を掲載した。同サイトの運営者でカンザス州に住むコンピューター・セキュリティー専門家のビル・スウェアリンゲン氏によると、この回路の設計に必要な知識はすべてウェブで入手したという。「組み立ては非常に簡単だ」と同氏は話す。

現在のシステムは、かなり単純な構造のようです。このまま放置していれば、おそろしく危険な話です。当然ながら、当局側もユーザ認証により正当な命令だけが有効になるように、セキュリティを強化した装置への変更を計画しています。

メリーランド州などでは既に新型装置の導入が始まっている。同州交通局の交通安全責任者、トーマス・ヒックス氏によると「現在、当州の消防と緊急車両用の装置はすべてセキュリティーを強化した発信機能を備えているはずで、信号機にもこれに対応した受信器を取り付けていく」とのことだ。同州では、より安全な新型装置への交換を進めており、2006年末までに作業が完了する予定だという。

悪用が続けばかなり危険な状況にあるとは思うのですが、その対策のスケジュールは我々日本人の目には悠長にも思えます。まあ、そんな単純な比較はできないのかもしれません。現在のアスベスト問題は、日本の方の対策が後手に回った結果です。また日本政府のBSE問題に対する姿勢は、米国人には厳格するぎると映っているのかもしれません。リスクに対する考え方は、国民性により様々ということでしょうか。


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