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雑誌見出し配信サービスに見る新しいコンテンツビジネスの可能性

2005年10月06日

ヤフー等の大手ポータルサイトを見れば、新聞系メディアの主要ニュースをまとめて見れる時代になりました。新聞系メディアに比べれば、ネットでの情報発信に格段の遅れをとっているのが、雑誌系メディアです。主要雑誌の情報をまとめて閲覧することもできないのが現状です。そんな不満を持っていた人に、格好のサービスが登場しました。エキサイトの「雑誌ヘッドライン」サービスです。 情報源は、エキサイト、週刊誌見出しやキーワード情報をRSS配信です。

「エキサイト雑誌ヘッドライン」は、「雑誌の新聞」を運営するデータムから雑誌の書誌情報の提供を受けて、見出しやキーワード情報を提供するサービス。当日から明日発売の雑誌の見出しを配信。見出しをクリックすることで、「誌名」「見出しの掲載ページ番号」「発売日」「カテゴリ」「キーワード」が表示される。

また「注目記事ピックアップ」では、要注目の記事見出しと、見出しに関するコメントが記載されるほか、注目キーワードから見出しの検索ができる「今週の注目キーワード」など便利な機能が用意されている。

これが、そのページです(クリックで拡大)。



見出しの最後にある[詳細]というリンクをクリックしても、残念ながら雑誌記事の中身を見ることはできません。無料で読めるのは、あくまでも見出しだけです。本当に読みたいのであれば、雑誌を買えということなのでしょう。

しかし、1つの見出しに関心を持った人の中で、本当に雑誌を買おうと思う人は、どれくらいいるのでしょうか? せいぜい本屋やコンビニで、気になった部分を立ち読みすれば十分だと考える人が、ほとんどなのではないでしょうか? 少なくとも私の場合は、記事1つのために雑誌1冊を買おうとは思いません。

立ち読みで済まされる場合が増えるだけでは、雑誌社側に直接のメリットはありません。 そう考えていたところ、雑誌の一部の記事だけをダウンロードできるサービスも始まっていました。情報源は、『電子雑誌の玄関サイト、EBJが新設――記事ばら売り、まず男性誌2誌を収録』(2005年10月5日 日経産業新聞 2面)です。

電子書籍配信のイーブックイニシアティブジャパン(EBJ)は電子雑誌を集めたポータルサイトを新設した。各雑誌の記事やコラムをばら売りする方式で、読者は読みたい記事を選んで自分のパソコンに取り込める。

記事は政治や経済、社会などの分野別に並べる。最新号だけでなく、過去に発行した号の記事やコラムも読めるようにする。最新号の記事掲載時期は紙の雑誌発売の数日後にして、雑誌の売れ行きに悪影響が出ないようにする。

価格はポストの特集記事が1本63円、それ以外の記事やコラムは42円。フォーサイトの記事は1本210円。

週刊ポストの電子版は最新号の全記事をまとめ買いする場合の価格を300円強と、雑誌とほぼ同水準に設定している。雑誌は広告収入もあるため一概に比較はできないが、電子版で一定数の新規読者をつかめれば収益性は高いとみられる。

CD1枚を買わなくても、気に入った1曲だけをダウンロードできる時代です。同じことが雑誌で実現しても、不思議ではありません。実際に記事にあった『週刊ポスト』の無料体験版を試して見ました。記事を閲覧するには、専用のソフトウェアをダウンロードすることが必要で多少面倒ですが、これも最初の1回だけの作業です。

しかしながら、現状では不満に思える点もあります。1つは雑誌の種類が、週刊ポストとフォーサイトの2つしかないことです。2つ目は、最新号を雑誌発売日に読めないというタイムラグの問題です。月曜配本の週刊ポストの場合は、木曜日にならないと最新号の内容には切り替わりません。

雑誌社側が記事のダウンロードサービスにあまり熱心でなかった原因は、そのビジネスモデルにあります。雑誌の収入は、販売収入と広告収入から成り立っています。男性誌の中でも、『LEON』のように多くの広告収入を稼ぎ出すものも生まれています。

ダウンロードによるネット利用が増えて本誌の店頭販売部数が減ると、発行部数が減少して広告単価が下がる、記事を目的買いするネットユーザは広告を見ない傾向がある、あたりが雑誌社側の懸念材料でしょう。コンテンツがデジタル化した結果、広告飛ばしが起きると心配するのは、HDDレコーダがテレビCFに及ぼした影響を考えれば、当然かもしれません。

今回紹介した、エキサイトとEBJの新サービスは、単体では不完全燃焼感を残すものでしかありません。しかし、この2つが融合すれば、新しいビジネスモデルを創り出す可能性も見えてきます。例えば、

  1. 各種雑誌の見出し情報の配信サービス
  2. 見出しに興味を持ったユーザがクリックすると、記事毎の配信サービスに誘導される
  3. 配信サービスには有料と無料のオプションがある (無料の場合は、記事閲覧の前に広告を強制的に見せる)
程度のことは誰でも思いつくはずです。

情報のネット化、無料化の流れを食い止めることはできません。このまま進めば、早晩雑誌のビジネスモデルが、販売収入、広告収入の両面で頭打ちになることは間違いないでしょう。新たなビジネスモデルの構築に、雑誌社が真剣に取り組む必要があることは明らかです。


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